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基地内部の死
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残された加山一尉は、不機嫌な顔で佑一を見ると言った。
「それで――どうしたいんです?」
「まず、井口隊員の遺体の発見現場へ案内してください」
加山一尉は不承不承の体で、先に立って歩き出した。辿り着いたのは、広い倉庫の中であり、そこには三機のドローンが置いてあった。
「本来は関係者以外、入れない場所です。此処で見た事は、秘密厳守でお願いしたい」
「何処に遺体はあったのですか?」
「このドローンの傍です」
加山は一機のドローンの傍まで歩くと、そこの床を指さした。
「此処で倒れていたんです」
「何故この場所に来たのか、心当たりは?」
「井口隊員はドローンのパイロットでしたからね。何か特別な気持ちでもあったんでしょう」
「パイロット? これには運転者はいない、と前に来た時に聴いたが」
「そんな事まで知ってるんですか? …確かに、事前に行く先をプログラムしておけば運転の必要はないが、タブレット上で切り替えを行えば手動運転もできます。ただし運転レバーのようなものがないので、それに慣れるのが難しく、訓練がいるんです」
「このドローンのタブレットには、運転履歴があるんですね? 見せてもらえませんか」
加山は明らかに不快な顔をした。
「これは軍事機密ですよ。貴方は越権行為をしている」
「殺人事件の捜査に来ているんです」
佑一は加山を睨み返した。その圧に押され、加山が不承不承の体でドローンのコックピットを開ける。佑一は乗り込んだ。
「あ、勝手に――」
加山の声を無視して、佑一はドローンのタブレットを起動させた。そこから、運転履歴を見る。
(これは――)
佑一の眼が見開かれた。
佑一はドローンを降りると、加山に言った。
「遺体の写真を見てみたいのですが」
「……来てください」
佑一は別室に案内され、そこで座らされた。しばらく待つと、加山が資料を持って現れた。
「これが井口隊員の自殺に関する資料です」
「拝見します」
佑一はページをめくり、遺体の写真へとたどり着いた。
「右側頭部に一発。倒れた処から、流血して血だまりができていました」
写真を見ると、右側頭部の耳上あたりに銃弾の侵入口が空いている。そして左前頭部、左の眉の端上あたりから、銃弾の抜けた跡があった。その間に、加山が口を開く。
「……まったく。気が沈んで自殺する人間の考えることなど、判りはしませんよ」
「自殺かどうかは、まだ判らない」
佑一が呟くと、加山は不機嫌そうに口を曲げた。
「発見した時刻は?」
「24:32。死亡推定時刻は、それより約一時間前ほどかと考えられます」
「銃声を聞いて誰かがすぐに駆け付けたわけではない?」
「ええ。まあ、此処は宿舎からは離れてますからね。撃った銃は本人の手に握られていたSIG SAUER P220。通称、自衛隊の9mm拳銃で、この基地の登録のものですよ。――これ以上、調べる必要がありますか?」
うんざりしたように言う加山に、佑一はゆっくりと言った。
「これが自殺?」
加山は僅かに表情を変えながら、口を開いた。
「何か、おかしい点でも?」
「銃弾が、右後方から左斜めに抜けている。自殺の時に、こんな抜け方をしますか?」
佑一の言葉に、加山は動揺の色を見せた。
「何がおかしいと言うんですか」
「自分の右手に銃を持って側頭部にあてて撃つ。通常なら、弾丸は真っすぐ横一直線に抜けるでしょう。だが、この軌道は後方から前方へ抜けている。前から後ろに抜けるのならまだ判る。だが、後ろから前に抜けるのは、自分が銃をあてるのなら不自然だ」
「銃の反動で、軌道が逸れたんでしょう。そういう事だってある」
「不自然な点はそれだけじゃない。普通、自分の頭に銃を突きつけたなら、位置は恐らくこめかみに当てたくなるはずだ。だが、この遺体は耳の上に穴が開いている」
「……その方が、確実に死ねると考えたんでしょうよ」
明らかに焦りの色を見せながらも、加山はそう言い募った。
佑一は静かに、加山を見つめた。
「この遺体を自殺とするなら、そうしておけばいいでしょう。私はそれが警務隊の実力だと考えることにします」
佑一の言葉を聞き、加山一尉が憮然とした表情になる。しかしそれ以上は何も告げずに、佑一は自衛隊駐屯地を後にした。
佑一は、西村孝義のマンションへ来ていた。
(西村が他殺だとして、どうやって、このマンションに侵入したのか、結局まだ判っていない)
佑一の疑問はそこにあった。玄関のカメラに映ってなくて、ベランダ下の地面に痕跡はない。各部屋までの廊下は完全に屋内型で、廊下の窓は人が出入りするには小さすぎた。とすると、何処から出たのか?
佑一は809号室までの廊下の先に、逆側の階段があるのに気が付いた。無論、階段を使って降りたところで、一階のエントランスを通り玄関を通過しなければ外には出られない構造である。しかしその階段が、上にも上がっているのに佑一は気づいた。
「屋上…か」
逆側の階段は、屋上へ上がる入り口につながっていた。しかし鍵がかかっている。佑一はマンションの管理人に立ち合ってもらい、屋上へと上がった。
「――意外に広いな」
風が吹く屋上は、鉄柵で囲われており、ちょっとした広さがあった。とはいえ、病院の屋上のようにヘリポートにできるほど広くはない。佑一は、コンクリート敷きの屋上をしばらく歩いてみた。
複数の足跡がある。
「――この足跡は?」
「管理業者のものじゃないですかね? 屋上には水タンクがあるから」
管理人の小山内はそう言って、水タンクを指さした。佑一は一瞥すると、端の方へ寄っていく。
(これは――)
佑一の顔色が変わった。
佑一はスマホを取り出すと、メールを打ち出した。あて先は和真である。
『804号室の住人を調べてくれ』
それだけ打つと、佑一はマンションの屋上を後にした。
マンションを出た佑一は、しばらく歩いていた。やがて佑一は、人気のない地下通路へと入っていく。その薄暗い空間の中で、佑一は振り返った。
「そろそろ痺れを切らす頃だろうと思ってたよ」
振り返った先には、一人の男が立っている。
男は丸い帽子を被り、黒いマスクをしてスポーツサングラスをかけていた。全く素顔が判らない。しかし上背はあり180cmは越えている。レザージャケットの上からでも判る、屈強な体つきをしている男だった。
(四人で駄目だったから、真打が出てきたわけか)
佑一は眼鏡を中指で抑え、相手を睨んだ。
男はカーゴパンツのポケットからナイフを取り出した。刃渡り30cm近くある大型のナイフであった。
(今度は容赦なしだな)
佑一の顔に緊張が走る。男はナイフを片手に、素早く接近して来た。
ぐっ、と男がナイフで突いてくる。佑一はディザームのために、相手の腕を巻こうとした。が、男は素早くナイフを引っ込めた。
(フェイントか)
焦った瞬間、引き込まれたナイフが左側から襲ってくる。佑一は後退するとともに、顔をのけ反らせる。かろうじて躱したナイフが、佑一の頬を僅かに切り抜けた。佑一が間合いを取ると、その頬から血が流れだした。佑一は笑ってみせた。
「一度、こちらのナイフディザームを見たから、そこに付け込んだわけか。……自衛隊員だな?」
男は答えない。じりじりと男が歩みを寄せる。佑一は相手の膝へ蹴りを出す。と、男がそのタイミングを狙って、ナイフを水平に振った。
もし本当に蹴りを出していたら、間違いなく切られているカウンター攻撃である。が、佑一の蹴りも、フェイントであった。膝を狙ったように見せて、佑一はナイフを振る男の腕へと蹴りを変化させる。蹴りを喰らった男の腕から、ナイフが飛んだ。
飛んだナイフが地下通路の壁にあたり、乾いた音を立てて地面に落ちた。男が、飛んだナイフを見る。
その瞬間、佑一は急襲した。右手の指先まで伸ばした手刀で目つきを放ち、それが防がれることを予期して左の拳でボディを打つ。身体に当たる感触と同時に、離脱する直前に右足で金的蹴りを男に見舞った。
一瞬の急襲で、男が呻く。だが男は勢いを立て直すように、拳を握って佑一に殴りかかってきた。凄まじい速度のジャブ、ストレートのコンビネーションを、佑一はバックして躱す。さらに回し蹴りが佑一を襲う。が、佑一は今度はバックで躱さずに敢えて前に出て、蹴りの威力を殺しながら男を突き飛ばした。
男はよろけながらも、倒れずに踏みとどまる。と、そこへ鈴の音が聞こえてきた。自転車であった。
男は踵を返すとナイフを拾いに走り、自転車とすれ違うようにして走り去っていった。
自転車が佑一の脇を通り抜ける頃には、男の姿はもうなかった。
「ふう……」
佑一はそこでようやく、一息ついた。
しかしその瞬間、バイブした携帯に気付き、佑一は電話に出た。
「なんですって――」
高坂の声を聴きながら、佑一は絶句した。
「……安積さんが…死んだ――?」
その連絡は、佑一の耳を疑うものだった。
「それで――どうしたいんです?」
「まず、井口隊員の遺体の発見現場へ案内してください」
加山一尉は不承不承の体で、先に立って歩き出した。辿り着いたのは、広い倉庫の中であり、そこには三機のドローンが置いてあった。
「本来は関係者以外、入れない場所です。此処で見た事は、秘密厳守でお願いしたい」
「何処に遺体はあったのですか?」
「このドローンの傍です」
加山は一機のドローンの傍まで歩くと、そこの床を指さした。
「此処で倒れていたんです」
「何故この場所に来たのか、心当たりは?」
「井口隊員はドローンのパイロットでしたからね。何か特別な気持ちでもあったんでしょう」
「パイロット? これには運転者はいない、と前に来た時に聴いたが」
「そんな事まで知ってるんですか? …確かに、事前に行く先をプログラムしておけば運転の必要はないが、タブレット上で切り替えを行えば手動運転もできます。ただし運転レバーのようなものがないので、それに慣れるのが難しく、訓練がいるんです」
「このドローンのタブレットには、運転履歴があるんですね? 見せてもらえませんか」
加山は明らかに不快な顔をした。
「これは軍事機密ですよ。貴方は越権行為をしている」
「殺人事件の捜査に来ているんです」
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「あ、勝手に――」
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(これは――)
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佑一はドローンを降りると、加山に言った。
「遺体の写真を見てみたいのですが」
「……来てください」
佑一は別室に案内され、そこで座らされた。しばらく待つと、加山が資料を持って現れた。
「これが井口隊員の自殺に関する資料です」
「拝見します」
佑一はページをめくり、遺体の写真へとたどり着いた。
「右側頭部に一発。倒れた処から、流血して血だまりができていました」
写真を見ると、右側頭部の耳上あたりに銃弾の侵入口が空いている。そして左前頭部、左の眉の端上あたりから、銃弾の抜けた跡があった。その間に、加山が口を開く。
「……まったく。気が沈んで自殺する人間の考えることなど、判りはしませんよ」
「自殺かどうかは、まだ判らない」
佑一が呟くと、加山は不機嫌そうに口を曲げた。
「発見した時刻は?」
「24:32。死亡推定時刻は、それより約一時間前ほどかと考えられます」
「銃声を聞いて誰かがすぐに駆け付けたわけではない?」
「ええ。まあ、此処は宿舎からは離れてますからね。撃った銃は本人の手に握られていたSIG SAUER P220。通称、自衛隊の9mm拳銃で、この基地の登録のものですよ。――これ以上、調べる必要がありますか?」
うんざりしたように言う加山に、佑一はゆっくりと言った。
「これが自殺?」
加山は僅かに表情を変えながら、口を開いた。
「何か、おかしい点でも?」
「銃弾が、右後方から左斜めに抜けている。自殺の時に、こんな抜け方をしますか?」
佑一の言葉に、加山は動揺の色を見せた。
「何がおかしいと言うんですか」
「自分の右手に銃を持って側頭部にあてて撃つ。通常なら、弾丸は真っすぐ横一直線に抜けるでしょう。だが、この軌道は後方から前方へ抜けている。前から後ろに抜けるのならまだ判る。だが、後ろから前に抜けるのは、自分が銃をあてるのなら不自然だ」
「銃の反動で、軌道が逸れたんでしょう。そういう事だってある」
「不自然な点はそれだけじゃない。普通、自分の頭に銃を突きつけたなら、位置は恐らくこめかみに当てたくなるはずだ。だが、この遺体は耳の上に穴が開いている」
「……その方が、確実に死ねると考えたんでしょうよ」
明らかに焦りの色を見せながらも、加山はそう言い募った。
佑一は静かに、加山を見つめた。
「この遺体を自殺とするなら、そうしておけばいいでしょう。私はそれが警務隊の実力だと考えることにします」
佑一の言葉を聞き、加山一尉が憮然とした表情になる。しかしそれ以上は何も告げずに、佑一は自衛隊駐屯地を後にした。
佑一は、西村孝義のマンションへ来ていた。
(西村が他殺だとして、どうやって、このマンションに侵入したのか、結局まだ判っていない)
佑一の疑問はそこにあった。玄関のカメラに映ってなくて、ベランダ下の地面に痕跡はない。各部屋までの廊下は完全に屋内型で、廊下の窓は人が出入りするには小さすぎた。とすると、何処から出たのか?
佑一は809号室までの廊下の先に、逆側の階段があるのに気が付いた。無論、階段を使って降りたところで、一階のエントランスを通り玄関を通過しなければ外には出られない構造である。しかしその階段が、上にも上がっているのに佑一は気づいた。
「屋上…か」
逆側の階段は、屋上へ上がる入り口につながっていた。しかし鍵がかかっている。佑一はマンションの管理人に立ち合ってもらい、屋上へと上がった。
「――意外に広いな」
風が吹く屋上は、鉄柵で囲われており、ちょっとした広さがあった。とはいえ、病院の屋上のようにヘリポートにできるほど広くはない。佑一は、コンクリート敷きの屋上をしばらく歩いてみた。
複数の足跡がある。
「――この足跡は?」
「管理業者のものじゃないですかね? 屋上には水タンクがあるから」
管理人の小山内はそう言って、水タンクを指さした。佑一は一瞥すると、端の方へ寄っていく。
(これは――)
佑一の顔色が変わった。
佑一はスマホを取り出すと、メールを打ち出した。あて先は和真である。
『804号室の住人を調べてくれ』
それだけ打つと、佑一はマンションの屋上を後にした。
マンションを出た佑一は、しばらく歩いていた。やがて佑一は、人気のない地下通路へと入っていく。その薄暗い空間の中で、佑一は振り返った。
「そろそろ痺れを切らす頃だろうと思ってたよ」
振り返った先には、一人の男が立っている。
男は丸い帽子を被り、黒いマスクをしてスポーツサングラスをかけていた。全く素顔が判らない。しかし上背はあり180cmは越えている。レザージャケットの上からでも判る、屈強な体つきをしている男だった。
(四人で駄目だったから、真打が出てきたわけか)
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(今度は容赦なしだな)
佑一の顔に緊張が走る。男はナイフを片手に、素早く接近して来た。
ぐっ、と男がナイフで突いてくる。佑一はディザームのために、相手の腕を巻こうとした。が、男は素早くナイフを引っ込めた。
(フェイントか)
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「一度、こちらのナイフディザームを見たから、そこに付け込んだわけか。……自衛隊員だな?」
男は答えない。じりじりと男が歩みを寄せる。佑一は相手の膝へ蹴りを出す。と、男がそのタイミングを狙って、ナイフを水平に振った。
もし本当に蹴りを出していたら、間違いなく切られているカウンター攻撃である。が、佑一の蹴りも、フェイントであった。膝を狙ったように見せて、佑一はナイフを振る男の腕へと蹴りを変化させる。蹴りを喰らった男の腕から、ナイフが飛んだ。
飛んだナイフが地下通路の壁にあたり、乾いた音を立てて地面に落ちた。男が、飛んだナイフを見る。
その瞬間、佑一は急襲した。右手の指先まで伸ばした手刀で目つきを放ち、それが防がれることを予期して左の拳でボディを打つ。身体に当たる感触と同時に、離脱する直前に右足で金的蹴りを男に見舞った。
一瞬の急襲で、男が呻く。だが男は勢いを立て直すように、拳を握って佑一に殴りかかってきた。凄まじい速度のジャブ、ストレートのコンビネーションを、佑一はバックして躱す。さらに回し蹴りが佑一を襲う。が、佑一は今度はバックで躱さずに敢えて前に出て、蹴りの威力を殺しながら男を突き飛ばした。
男はよろけながらも、倒れずに踏みとどまる。と、そこへ鈴の音が聞こえてきた。自転車であった。
男は踵を返すとナイフを拾いに走り、自転車とすれ違うようにして走り去っていった。
自転車が佑一の脇を通り抜ける頃には、男の姿はもうなかった。
「ふう……」
佑一はそこでようやく、一息ついた。
しかしその瞬間、バイブした携帯に気付き、佑一は電話に出た。
「なんですって――」
高坂の声を聴きながら、佑一は絶句した。
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むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
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