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刑務隊員
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警察庁を出た安積と佑一は、しばらく並んで歩いた。
「お前、公安にタレ込んだのが井口だと思ったのか?」
「いえ。ただ、誰かが売ったからこそ、オレたちが張ることになった。それを明らかにしたいと思っただけです」
佑一の答えを聞いて、安積は少し笑った。
「お前、公安より刑事課に向いてるかもな」
安積はそう言った後で、佑一の顔を見た。
「国枝、お前は電話を調べた後で、自衛隊に行け。井口の件を訊ねてみるんだ」
「…安積さんは、どうするつもりですか?」
佑一の問いに、安積は答えた。
「おれは賀川と合流して、少し別件で調べたいことがある」
「判りました。それじゃ」
別の方向に歩もうとする佑一に、安積が声をかけた。
「国枝!」
佑一は振り返った。安積が真面目な顔で口を開く。
「十分に、気をつけろよ」
「判りました」
佑一は、安積に微笑みで返した。
佑一は公園傍にあるコンビニ等の防犯カメラのある店を片っ端から廻った。二週間前の電話があった時刻、誰がこの付近にいたのかを調べるためである。そして佑一は、目的の人物が映っている映像を発見した。
「こいつか……」
佑一は独り呟いた。
数十分後、佑一は王日大学構内にいた。目指す人物に声をかける。
「警察の者ですが、少しよろしいですか?」
声をかけられた人物が振り返った。
「――斎藤准教授」
佑一が声をかけたのは、斎藤准教授であった。斎藤は動揺した表情を隠しながら、愛想笑いを浮かべた。
「私に何か用ですか? もう、西村くんについて知ってることは、別の刑事さんたちにお話ししたけど」
「いえ、その件ではありません。確認しておきたい事があってきたんです。斎藤さん、貴方、西村さんが中国の連中と会ってると、警察に――公安に連絡をしましたね?」
佑一の言葉を聞いて、斎藤の顔に明らかな動揺が走った。
「な、何を言い出すんだ! 私はそんな事はしない」
「隠し立てする必要はありません。それ自体は別に、何の罪でもない」
佑一の言葉を聞いて、斎藤は落ち着きを取り戻そうと深呼吸をした。
「そ、そうだ。私が連絡した。彼は、日本の機密を売ろうとしていたんだろう? 私は日本に益する行為をしたまでだ」
「…次の教授への昇進候補に、貴方と西村さんの名前が上がっていたそうですね?」
佑一の言葉を聞くと、斎藤は顔色を変えた。
「それが、どうしたというんだ! 私は何も罪になるような事はしていないんだ!」
「いえ、私は貴方が間違いなく通報したという確認がしたかっただけです。ご協力、ありがとうございました」
佑一は一礼をして踵を返した。
(西村は三年前から公安にマークされていた訳でもないし、公安の監視が『I計画』に関与するものでもない、という事は判った。『I計画』の漏えいを防止するために公安が利用されていたのかと思ったが――杞憂だったようだ)
佑一はそこまで考えながら歩いて、ふと後ろを振り返った。そこには、呆然とした顔で立ち尽くしている斎藤准教授の姿があった。
佑一は次に陸上自衛隊王日駐屯地へと向かった。
門の処で佑一はまず入場を断られる。警察を名乗っても、「御通しできません」の一点張りだった。
「宗方陸佐に、国枝が来たと伝えてください」
そう言われた隊員は、しぶしぶ内戦で連絡をとる。やがて佑一は、中へと通された。
「――やあ、名前を名乗られては断る訳にもいきませんしな」
出迎えに現れた宗方は、苦笑いを浮かべながら、そう言ってみせた。明らかに、前回よりも冷たい態度であった。
「井口良純、という隊員が亡くなってますね?」
「ああ、事実です。まあ、自殺ですがね」
宗方は軽く笑いながら、そう口にする。
「井口良純と西村孝義は懇意の仲だったそうですね。どうして前回きた時、そう仰ってくれなかったんでしょう?」
「いや、なにせ過去に死んだ人間だし。私も失念していましたね」
宗方はそう口にした。佑一は、静かに宗方を見つめた。
「井口良純の調書を見せていただけませんか?」
宗方が、僅かに顔色を変えた。
「お言葉だが、基地内の捜査は、自衛隊内部の警務隊が行う事になっているのはご存知のはずだが」
警務隊は陸・海・空の各自衛隊にそれぞれ配備されており、自衛隊員の犯罪や、その施設・船舶内などで起きた事件を担当する。いわば、自衛隊のためだけの警察である。逆に言うと、それらの事件に関しては警察も立ち入ることはできないのである。
その知識は持っていた佑一は、宗方に向かって言った。
「井口隊員は、殺害された西村孝義と面識があった。その関係で話を聞こうと思っているのです。これは外の事件で起きた事件の関係者で、調査の必要があると判断しました。それとも――何か不都合が?」
「まことに恥ずかしい話ですが国枝刑事、実は自衛隊員の自殺というのは、結構あるケースなんですよ」
一歩も譲らない佑一をなだめるように、宗方が薄笑いを浮かべながら口を開く。
「自衛隊の任務には命の危険も含めた、生死に直接かかわるが故のストレスが大きい。我々の訓練は、そのストレスに耐える精神を造るという意味もある。がしかし、中にはその訓練期間中にストレスに耐え兼ねたり、あるいは勤務自体の緊張に耐え切れずに自ら命を絶つ隊員が後を絶ちません。残念ですがこの十年で、年間に60~90人ほど自殺者が出ている現状なのですよ」
佑一はそう話す宗方を黙って見つめた。
「まあ、井口君も元気そうに振舞っていたが、実は抗うつ剤を飲んでいたフシがある。心の病を隠してたんでしょうな」
そう言って見せる宗方を見ていた佑一は、静かに口を開いた。
「…組織内部でのハラスメントやイジメと、戦地でのストレスは同じものではないでしょう? それを混同したままだから、哀れな自殺が繰り返されるんじゃないんですか? ――だがそれ以上に問題なのは、それが本当に自殺だったかどうかも判らないという点です」
佑一の言葉に、宗方の薄笑いが消えた。だが佑一は構わず続けた。
「過去にある基地で隊員が転落する事故が起きた。それを自殺と認定したのは警察だったが、自衛隊から警察には数時間も連絡がなく、知ったのは病院に入ってから。その間、警務隊が捜査していたとされているが、警務隊が到着以前に現場が片づけられていた、という話もある。変死したにも関わらず、詳細は不明。なのに自殺で一件は片づけられた。だが、そもそも警務隊が、本当に捜査をしたのか? こういう事件は、自衛隊内部にはまだまだある。そして警務隊が事件の被疑者を逮捕した例などは、ほとんど聞いた事がない」
佑一の言葉に、宗方の顔から笑いが消えた。宗方は携帯を取り出すと、何処かへ連絡した。しばらくすると、別の制服を着た隊員が現れる。
「貴方は?」
「陸上警務隊の加山一尉です」
現れた警務隊員は、そう名乗った。
「加山一尉、国枝さんは警務隊の取り調べを信用できない、と仰っている」
「…どういう事ですか?」
加山の顔に不機嫌な様相が現れ、敵対的な視線が佑一に向けられた。
「先ごろ亡くなった、井口良純隊員の調書を拝見したいのです」
「あれは自殺です」
「それは、こちらが判断する事です」
佑一の言葉に、憤りを抑えながら加山が口を開いた。
「貴方は我々警務隊が、捜査をしないと言いたいのか」
「捜査したのなら、現場や遺体の写真などの証拠品、資料があるでしょう。それを見せてくれとお願いしてるんです」
静かにそう言った佑一に、加山は挑戦的な目つきで佑一を見た。
「我々は鑑識などの大会もあり、その技術も警察に劣らず有している。見せろというなら、それもいいでしょう。だが貴方、どの立場でそれを通そうというのです?」
加山は挑戦的な目つきで佑一を睨んだ。
「前回、ここに来たとき、貴方の事は調べさせていただきました。だが、警視庁捜査一課に国枝という刑事はいない。そうでしょう、公安の国枝警部補」
今度は佑一が、顔色を変える番であった。
「我々警務隊は、法律が変わり機密漏えいを内部監視する任務も請け負うようになった。先ごろも、現役自衛官がOBに機密情報を洩らし、我々がそれを発見した事件が報道されたから知っているでしょう。我々も、公安同様のインテリジェンス機関なんです。貴方が基地に現れた後、貴方の素性を調査したのですよ」
「さ、どうするね。公安の国枝警部補」
宗方が、愉快そうに口にした。佑一は、正面から宗方を見つめる。
「宗方陸佐、貴方、井口隊員の事を隠そうとしたんじゃないんですか? 失念するなんて考えにくいでしょう。西村のいた厚木研究所と深く関わり、西村と懇意だった井口隊員の上官でもある貴方は当然、知っていたはずだ」
「特に…話す必要があると思わなかったんでね」
「それを判断するのは貴方ではなく、我々だ」
佑一は宗方陸佐を睨みながら、強く言い放った。
宗方陸佐も、その瞳に正面から睨み返す。しばしの沈黙の後、宗方陸佐は口を開いた。
「いいだろう、好きにしたらいい。――加山一尉、後は任せたよ」
宗方はそれだけ言うと、踵を返して立ち去った。
「お前、公安にタレ込んだのが井口だと思ったのか?」
「いえ。ただ、誰かが売ったからこそ、オレたちが張ることになった。それを明らかにしたいと思っただけです」
佑一の答えを聞いて、安積は少し笑った。
「お前、公安より刑事課に向いてるかもな」
安積はそう言った後で、佑一の顔を見た。
「国枝、お前は電話を調べた後で、自衛隊に行け。井口の件を訊ねてみるんだ」
「…安積さんは、どうするつもりですか?」
佑一の問いに、安積は答えた。
「おれは賀川と合流して、少し別件で調べたいことがある」
「判りました。それじゃ」
別の方向に歩もうとする佑一に、安積が声をかけた。
「国枝!」
佑一は振り返った。安積が真面目な顔で口を開く。
「十分に、気をつけろよ」
「判りました」
佑一は、安積に微笑みで返した。
佑一は公園傍にあるコンビニ等の防犯カメラのある店を片っ端から廻った。二週間前の電話があった時刻、誰がこの付近にいたのかを調べるためである。そして佑一は、目的の人物が映っている映像を発見した。
「こいつか……」
佑一は独り呟いた。
数十分後、佑一は王日大学構内にいた。目指す人物に声をかける。
「警察の者ですが、少しよろしいですか?」
声をかけられた人物が振り返った。
「――斎藤准教授」
佑一が声をかけたのは、斎藤准教授であった。斎藤は動揺した表情を隠しながら、愛想笑いを浮かべた。
「私に何か用ですか? もう、西村くんについて知ってることは、別の刑事さんたちにお話ししたけど」
「いえ、その件ではありません。確認しておきたい事があってきたんです。斎藤さん、貴方、西村さんが中国の連中と会ってると、警察に――公安に連絡をしましたね?」
佑一の言葉を聞いて、斎藤の顔に明らかな動揺が走った。
「な、何を言い出すんだ! 私はそんな事はしない」
「隠し立てする必要はありません。それ自体は別に、何の罪でもない」
佑一の言葉を聞いて、斎藤は落ち着きを取り戻そうと深呼吸をした。
「そ、そうだ。私が連絡した。彼は、日本の機密を売ろうとしていたんだろう? 私は日本に益する行為をしたまでだ」
「…次の教授への昇進候補に、貴方と西村さんの名前が上がっていたそうですね?」
佑一の言葉を聞くと、斎藤は顔色を変えた。
「それが、どうしたというんだ! 私は何も罪になるような事はしていないんだ!」
「いえ、私は貴方が間違いなく通報したという確認がしたかっただけです。ご協力、ありがとうございました」
佑一は一礼をして踵を返した。
(西村は三年前から公安にマークされていた訳でもないし、公安の監視が『I計画』に関与するものでもない、という事は判った。『I計画』の漏えいを防止するために公安が利用されていたのかと思ったが――杞憂だったようだ)
佑一はそこまで考えながら歩いて、ふと後ろを振り返った。そこには、呆然とした顔で立ち尽くしている斎藤准教授の姿があった。
佑一は次に陸上自衛隊王日駐屯地へと向かった。
門の処で佑一はまず入場を断られる。警察を名乗っても、「御通しできません」の一点張りだった。
「宗方陸佐に、国枝が来たと伝えてください」
そう言われた隊員は、しぶしぶ内戦で連絡をとる。やがて佑一は、中へと通された。
「――やあ、名前を名乗られては断る訳にもいきませんしな」
出迎えに現れた宗方は、苦笑いを浮かべながら、そう言ってみせた。明らかに、前回よりも冷たい態度であった。
「井口良純、という隊員が亡くなってますね?」
「ああ、事実です。まあ、自殺ですがね」
宗方は軽く笑いながら、そう口にする。
「井口良純と西村孝義は懇意の仲だったそうですね。どうして前回きた時、そう仰ってくれなかったんでしょう?」
「いや、なにせ過去に死んだ人間だし。私も失念していましたね」
宗方はそう口にした。佑一は、静かに宗方を見つめた。
「井口良純の調書を見せていただけませんか?」
宗方が、僅かに顔色を変えた。
「お言葉だが、基地内の捜査は、自衛隊内部の警務隊が行う事になっているのはご存知のはずだが」
警務隊は陸・海・空の各自衛隊にそれぞれ配備されており、自衛隊員の犯罪や、その施設・船舶内などで起きた事件を担当する。いわば、自衛隊のためだけの警察である。逆に言うと、それらの事件に関しては警察も立ち入ることはできないのである。
その知識は持っていた佑一は、宗方に向かって言った。
「井口隊員は、殺害された西村孝義と面識があった。その関係で話を聞こうと思っているのです。これは外の事件で起きた事件の関係者で、調査の必要があると判断しました。それとも――何か不都合が?」
「まことに恥ずかしい話ですが国枝刑事、実は自衛隊員の自殺というのは、結構あるケースなんですよ」
一歩も譲らない佑一をなだめるように、宗方が薄笑いを浮かべながら口を開く。
「自衛隊の任務には命の危険も含めた、生死に直接かかわるが故のストレスが大きい。我々の訓練は、そのストレスに耐える精神を造るという意味もある。がしかし、中にはその訓練期間中にストレスに耐え兼ねたり、あるいは勤務自体の緊張に耐え切れずに自ら命を絶つ隊員が後を絶ちません。残念ですがこの十年で、年間に60~90人ほど自殺者が出ている現状なのですよ」
佑一はそう話す宗方を黙って見つめた。
「まあ、井口君も元気そうに振舞っていたが、実は抗うつ剤を飲んでいたフシがある。心の病を隠してたんでしょうな」
そう言って見せる宗方を見ていた佑一は、静かに口を開いた。
「…組織内部でのハラスメントやイジメと、戦地でのストレスは同じものではないでしょう? それを混同したままだから、哀れな自殺が繰り返されるんじゃないんですか? ――だがそれ以上に問題なのは、それが本当に自殺だったかどうかも判らないという点です」
佑一の言葉に、宗方の薄笑いが消えた。だが佑一は構わず続けた。
「過去にある基地で隊員が転落する事故が起きた。それを自殺と認定したのは警察だったが、自衛隊から警察には数時間も連絡がなく、知ったのは病院に入ってから。その間、警務隊が捜査していたとされているが、警務隊が到着以前に現場が片づけられていた、という話もある。変死したにも関わらず、詳細は不明。なのに自殺で一件は片づけられた。だが、そもそも警務隊が、本当に捜査をしたのか? こういう事件は、自衛隊内部にはまだまだある。そして警務隊が事件の被疑者を逮捕した例などは、ほとんど聞いた事がない」
佑一の言葉に、宗方の顔から笑いが消えた。宗方は携帯を取り出すと、何処かへ連絡した。しばらくすると、別の制服を着た隊員が現れる。
「貴方は?」
「陸上警務隊の加山一尉です」
現れた警務隊員は、そう名乗った。
「加山一尉、国枝さんは警務隊の取り調べを信用できない、と仰っている」
「…どういう事ですか?」
加山の顔に不機嫌な様相が現れ、敵対的な視線が佑一に向けられた。
「先ごろ亡くなった、井口良純隊員の調書を拝見したいのです」
「あれは自殺です」
「それは、こちらが判断する事です」
佑一の言葉に、憤りを抑えながら加山が口を開いた。
「貴方は我々警務隊が、捜査をしないと言いたいのか」
「捜査したのなら、現場や遺体の写真などの証拠品、資料があるでしょう。それを見せてくれとお願いしてるんです」
静かにそう言った佑一に、加山は挑戦的な目つきで佑一を見た。
「我々は鑑識などの大会もあり、その技術も警察に劣らず有している。見せろというなら、それもいいでしょう。だが貴方、どの立場でそれを通そうというのです?」
加山は挑戦的な目つきで佑一を睨んだ。
「前回、ここに来たとき、貴方の事は調べさせていただきました。だが、警視庁捜査一課に国枝という刑事はいない。そうでしょう、公安の国枝警部補」
今度は佑一が、顔色を変える番であった。
「我々警務隊は、法律が変わり機密漏えいを内部監視する任務も請け負うようになった。先ごろも、現役自衛官がOBに機密情報を洩らし、我々がそれを発見した事件が報道されたから知っているでしょう。我々も、公安同様のインテリジェンス機関なんです。貴方が基地に現れた後、貴方の素性を調査したのですよ」
「さ、どうするね。公安の国枝警部補」
宗方が、愉快そうに口にした。佑一は、正面から宗方を見つめる。
「宗方陸佐、貴方、井口隊員の事を隠そうとしたんじゃないんですか? 失念するなんて考えにくいでしょう。西村のいた厚木研究所と深く関わり、西村と懇意だった井口隊員の上官でもある貴方は当然、知っていたはずだ」
「特に…話す必要があると思わなかったんでね」
「それを判断するのは貴方ではなく、我々だ」
佑一は宗方陸佐を睨みながら、強く言い放った。
宗方陸佐も、その瞳に正面から睨み返す。しばしの沈黙の後、宗方陸佐は口を開いた。
「いいだろう、好きにしたらいい。――加山一尉、後は任せたよ」
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