書きの種(エッセイ日記)

佐藤遼空

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大山のぶ代さんのご冥福をお祈りする

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歳がバレてしまうが、生まれて初めて劇場で見た映画は『ドラえもん のび太の恐竜』だ。親に頼み込んで、連れて行ってもらったような記憶がある。その後、四作目までは劇場で見た。余談だが、『ドラえもん』の次に劇場で見たのは、『機動戦士ガンダム』の映画三部作だった。

『ドラえもん』の事はクラスの誰もが知っていた。僕はドラえもんの絵描き歌を真似して、ドラえもんの絵を描いていた。『ドラえもん』というのは、そういう作品だ。あの絵描き歌を歌っていたのはドラえもんで、つまり大山のぶ代さんだ。聴くと、一発で誰だか判る。そういう声だった。

『ドラえもん』のOPというと、「あんなこといいな、できたらいいな♪」を大体イメージすると思うけど、大山さんが歌ってる「あったまテッカテーカ、さえてピッカピーカ、そうれがどーした、ぼくドラえもん♪」も名曲だ。ふと、この歌の事を思い出すと、なんだか「あんなこといいな」と並行して聴いていた気がする。どういう事なんだろう?

僕の記憶では、一週間に二回、『ドラえもん』が見れた時期があったような気がするのだ。さては作ってる制作会社が違うとか、そういう感じの事情だったんだろうか……そう思って、ウィキで調べてみると。どうやら再放送をしていたらしい。金曜日が本放映で、日曜日が再放送だったようだ。

一週間に二回、『ドラえもん』を見ていた、という僕の記憶は間違いじゃなかった! それが判ってちょっと嬉しい。しかし、一週間に二回も放映して、しかもそれを見るというほど、『ドラえもん』というのは人気のコンテンツだった。

で、こっからは調べても判らないのだが、片一方が「あんなこといいな」で、もう一方が「あったまテッカテーカ」だったような気がするのだ。僕は四字熟語マニアの子どもだったので、実は「あったま~」の方が好きだった。

しかし成長するにつれ、その後『ドラえもん』から離れていく。が、最近になってから『大長編ドラえもん』の面白さに気付き、藤子・F・不二雄先生が監修したところまでの全作(つまり18作目『ねじ巻き都市冒険記』まで)を見た。改めて、『ドラえもん』は本当に素晴らしい作品だ。そのドラえもんに命を吹き込んでくれた……大山のぶ代さんの、ご冥福をお祈りします。
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