書きの種(エッセイ日記)

佐藤遼空

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危険な組織

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『鬼滅の刃』で、鬼殺隊というのがありますな。隊長格は『柱』とか、神を数える単位で呼ばれている結構不遜な団体でありますが。なんか、鬼殺隊というのは庶民のために鬼を退治してまわってる、いい人たちみたいに思われてるフシがあるんだけど、ちょっと冷静になって考えてほしい事がある。

どういう組織であれ、20人いた子供が5人を残して死ぬ試験を行う組織って……。明らかにヤバい、異常な組織でしょ。ぶっちゃけ、ヤクザより生存率低い。いや、軍隊より生存率低い。こんなおかしな組織ないわ。

なのにこの組織の運営者は「お館様」とか呼ばれて崇められてる。いや、おかしくない? 明らかなる児童殺害のほう助者ですけど。そう、この鬼殺隊、タチが悪いのは集めてるのが子供だって事だ。はっきり言うと、やってる事は年端もいかない子供たちを特攻させて殺した旧日本軍と変わらん体質ですわ。

そもそもなんだけど、20人試験受けて5人しか生き残れないってどういう事? 15人は呼吸の稽古してなかったの? その後の鬼殺隊やられ役の面々を見ると、どうも呼吸を使えてる感じがしない。じゃあ、呼吸も使えないのに、鬼がいる試験に子供を送り込んでるの? 死にに行くようなもんじゃん! 誰が送ってるわけ?

謎はまだあるよ。炭治郎たちと柱以外に、どうして呼吸を「それなりに」使える隊士がいないわけ? それとも、どっかで活躍してたのかなあ。いや、どうも主人公だけ突出して強い、というのが納得できないのだよ。だって、主人公は「特別ルート」を取ったわけではなく、むしろ隊士としては「普通ルート」を通ったわけで、それなのに炭治郎たちだけ凄く強いのはヘンでしょう?

いや、こんな事を言い出すときりがないし、じゃあ面白くないかと訊かれれば、面白く読みました、と答えるけど。だって、炭治郎好きだし。あんないい主人公いないわ、本当、最初に読んだ時からぐっと惹かれた。

なので、こっちは鬼殺隊ってのは明らかな悪の組織で、そのうち炭治郎がその組織の闇を暴くんだと思っていた。けど、なんかそういう流れじゃなくなった。最初はどうだったか判らないけど、明らかに『いい組織』みたいに描かれ出した。いや、『鬼滅』自体は好きなんだけど、鬼殺隊には入ってはいけない。
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