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風間社長の依頼
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「それで、広河とアンディはどうなったの?」
ケイトが好奇心を抑えつつも訊ねた。ジェイコブが苦笑する。
「どうなったのか…。広河はノーマルに女性を愛する男だからね。恋人も何人か知ってる。二人の間にどういうやりとりがあったのか詳しくは知らないが、少なくとも二人は恋人にはならなかった。そしてあの事件が起きた」
「アンディ・グレイのーー自殺ですね」
国枝の言葉に、ジェイコブが頷く。
「あれは精神を完全に電子情報に移行する、開発中の新型フロート・ピットの試作機だったんだ」
「それは…どういう意味なんですか? フルダイブ以上の機能って事ですか?」
僕の問いに、ジェイコブが答える。
「肉体を捨てる、というのが一番簡単な言い方か。現在のものは、電子情報を脳に送り込んで、仮想空間を脳内で経験させている。けど新型は、精神を一つの電子集合体として捉え、それをコンピューター世界に送り込む方式なんだ」
「そんな事が……可能なんですか?」
「いや、不可能だね」
ジェイコブは苦笑して見せた。
「けど、それが本来の、僕の最初からの夢なんだよ。異世界へ行く。異世界をただ経験するのではなく、精神が丸ごと異世界へ行けるのが、僕の目指す世界だ」
「アンディさんは、それが未完成であると知りながら、使った」
「使った、とすら言えないかもしれないね。見つけた時、彼は明らかに危険領域まで電量を上げていた。そうと知りながら行ったとしか思われず、自殺だったんだろうというのが最終的な結論だ。ぼくの機械があんな事に使われるとは……正直ショックだったよ」
「それ以降、その研究は進んだんですか?」
僕の問いに、ジェイコブは首を振った。
「いや…それ以降、その研究はやめたんだ。あんな事件の後だったしね。ただ一つ、不思議に思っている事がある」
「なんです?」
「レナルテの管理AIというのは、開発当初から存在した。それは仮の名称としてアンジェラという名も与えられている。しかし、それは人格も持たないし、それを象徴するようなアバターも持たなかったという事だ」
「じゃあ、今現れてるアンジェラは、何者?」
ケイトの声に、ジェイコブが慎重な面持ちで答えた。
「もしかしたらだが……あの時、アンディの精神の一部が、コンピューターに『焼き付け』られたのかもしれない」
「そんな事が…起こるのですか?」
「可能性がないわけではない。ただ、今のアンジェラがアンディの意志が影響してるかどうかは判らないがね」
「もしアンジェラがレナルテの管理AIだとしたら……そもそもサーバーを抑えれば、アンジェラを捕獲できるんじゃないんですか?」
「それができないんだよ」
ジェイコブは言った。
「レナルテの管理AIアンジェラは、特定のサーバーの中にいないシステムになっている。自分のプログラムを同時に幾つかのサーバーにコピーしていき、ある程度の期間が過ぎると元のプログラムを削除する。移動式と呼んでいるが、そういうシステムなんだ」
「どうしてそんな、面倒な形に?」
「管理AIがあるサーバーが特定されれば、そのサーバーを物理的に破壊したり、あるいはそのサーバーを持っている国が特権的な支配力をレナルテで持つかもしれない。アンディはそういう事を見越して、管理AIを移動式にしたんだ」
そこでケイトが口を挟んだ。
「元AMG社員のアリ・モフセンが、今回のバグ・ビースト事件に絡んでいると思うかしら?」
「それはないと思うがね」
ジェイコブは微かに皮肉っぽい笑みを浮かべた。
「自律した生命体であるバグ・ビーストを創るほどの技術は、彼にはなかったと思うよ。彼は優秀ではあったが、クリエィティブではなかった」
少し覗かせた彼のプライド。確かにジェイコブは、『ノワルド』という壮大なスケールの創造を行っている。
「管理AIのアンジェラは、アバターが伴う事で逆に捉える事ができるようになったという事ですか?」
「判らない。しかし広河は君に、アンジェラの捕獲を依頼したんだね? それはもしかしたら、アンジェラがアンディではない、という事を証明したいからかもしれない。広河は表には出さなかったが、罪の意識があるのだろうね」
ジェイコブは僕を見ながら、そう話した。
「そしてアンジェラは君に『私を探して』と言った…。アンジェラは君に何を託そうとしてるのだろう。もしアンジェラにアンディの精神の残滓でもあるのならばーー彼女が何を望んでいるのか、ぼくも知りたいね」
ジェイコブはそう言って、寂しそうに微笑んだ。
国枝は「情報を精査します」と言い、僕らをカザマ・テックまで送ると別れた。ケイトによると、あれ以降、バグ・ビーストは何処のエリアにも出なかったらしい。
「ーーちょっと納得できないわね」
「何がですか?」
ケイトが眉をひそめて呟いた言葉に、僕は訊ねた。
「天城広河の態度よ。創始者三人組にアンジェラの秘密が関係してるのなら、最初に話せばいいじゃない」
「ジェイコブさんの話した内容は、社外秘だったんじゃないですか? アンディさんの死因については、何処の情報にも伏せられてたようですし」
ケイトは少し黙り込なんだが、やがて口を開いた。
「アンジェラを追ってフォッグの動向を探るのが私の役目。けど何か…動いてる気がする」
「何がですか?」
「それが判れば苦労はしないわ」
ケイトは肩をすくめると、「今日はもういいわ」と言って去っていった。
独りになった僕に、風間社長が寄ってきた。
「おい、明、そっちの方は順調なのか?」
「ああ、まあ……」
なんと言えばいいのか。けど、僕の逡巡をよそに、社長は困り顔をすると、突然、僕の両肩をわしづかみにした。
「明!」
「は、はい?」
「レナルテに詳しいお前に、頼みたい事がある」
「…どうしたんですか?」
社長は僕の肩を今度は背中から押すと、近くの椅子に腰かけさせた。自分は僕の前に椅子を引寄せて座る。
「娘の美那がな、口をきいてくれん」
「思春期の娘の相談ですか? なんか僕より、適切な人がいそうな気がーー」
風間社長の娘、美那なら僕も見たことくらいある。元の奥さんの浮気が原因で離婚し、娘は社長が引き取った。それ以来、男手独りで娘を育てたーーというくらいの話は僕も知っている。
「美那はどうやら、デジタル煮る花とかいうのにハマってるらしいんだ」
「……まさか、デジタル・ニルヴァーナですか?」
「そう! それだ! やっぱり明に相談してよかった。それがな、美那が言うには『わたしはもう、別の世界へ行く』と言うんだ」
「別の世界って、何処ですか?」
「それは言わん。ただ、『転生の日がもうすぐ来る。そうしたら、わたしは別の世界へ行く』というんだ。わしは意味が判らなかったが、美那が何処かに行くのは嫌だと思い、『何処かに行くなんて言わないでくれ。一緒にいればいいじゃないか』と言ったんだ。そうしたら美那はしばらく黙っていたが、やがて『プラトニック学園にわたしはいる。三日以内にわたしを見つける事ができたら……お父さんと一緒にいてもいい』と言ったんだ」
「プラトニック学園?」
社長は頷いた。
「調べると、どうやらレナルテの中のゲームの一つらしいんだ。明、そこに行って、娘を探してくれないか。いや、忙しいのは判ってる。だから空いてる時間でいいんだ」
社長は真顔だ。社長には世話になった恩がある。
「判りました。時間がある時に、覗いてみます。で、今、美那さんて幾つでしたっけ?」
「20歳、大学生だ」
「美那さんに、恋人とかは?」
社長が首を傾げた。
「そういえば……そんなの見たことがないな。けど、わしに黙ってるだけかもしれんし。そうか、そういう事が原因かもしれんか」
「最近の美那さんの写真あります?」
僕が言うと、社長は携帯を取り出し画像を選んだ。空中に明るく笑う娘の笑顔が映る。いやあ、親父さんに似なくてよかったね。
「美那さんが好きだった趣味とか判りますか?」
「なんか昔はゲームにハマってたぞ。ナルトとかいう…」
「ノワルド・アドベチャー?」
「そう、それだ! さすが明だ、頼りになるなあ」
社長の安堵したような笑みをよそに、僕は一抹の不安を感じていた。デジタル・ニルヴァーナがカルト宗教と言うのなら、それから娘さんを取り戻すのは相当の困難が予想される。
ケイトが好奇心を抑えつつも訊ねた。ジェイコブが苦笑する。
「どうなったのか…。広河はノーマルに女性を愛する男だからね。恋人も何人か知ってる。二人の間にどういうやりとりがあったのか詳しくは知らないが、少なくとも二人は恋人にはならなかった。そしてあの事件が起きた」
「アンディ・グレイのーー自殺ですね」
国枝の言葉に、ジェイコブが頷く。
「あれは精神を完全に電子情報に移行する、開発中の新型フロート・ピットの試作機だったんだ」
「それは…どういう意味なんですか? フルダイブ以上の機能って事ですか?」
僕の問いに、ジェイコブが答える。
「肉体を捨てる、というのが一番簡単な言い方か。現在のものは、電子情報を脳に送り込んで、仮想空間を脳内で経験させている。けど新型は、精神を一つの電子集合体として捉え、それをコンピューター世界に送り込む方式なんだ」
「そんな事が……可能なんですか?」
「いや、不可能だね」
ジェイコブは苦笑して見せた。
「けど、それが本来の、僕の最初からの夢なんだよ。異世界へ行く。異世界をただ経験するのではなく、精神が丸ごと異世界へ行けるのが、僕の目指す世界だ」
「アンディさんは、それが未完成であると知りながら、使った」
「使った、とすら言えないかもしれないね。見つけた時、彼は明らかに危険領域まで電量を上げていた。そうと知りながら行ったとしか思われず、自殺だったんだろうというのが最終的な結論だ。ぼくの機械があんな事に使われるとは……正直ショックだったよ」
「それ以降、その研究は進んだんですか?」
僕の問いに、ジェイコブは首を振った。
「いや…それ以降、その研究はやめたんだ。あんな事件の後だったしね。ただ一つ、不思議に思っている事がある」
「なんです?」
「レナルテの管理AIというのは、開発当初から存在した。それは仮の名称としてアンジェラという名も与えられている。しかし、それは人格も持たないし、それを象徴するようなアバターも持たなかったという事だ」
「じゃあ、今現れてるアンジェラは、何者?」
ケイトの声に、ジェイコブが慎重な面持ちで答えた。
「もしかしたらだが……あの時、アンディの精神の一部が、コンピューターに『焼き付け』られたのかもしれない」
「そんな事が…起こるのですか?」
「可能性がないわけではない。ただ、今のアンジェラがアンディの意志が影響してるかどうかは判らないがね」
「もしアンジェラがレナルテの管理AIだとしたら……そもそもサーバーを抑えれば、アンジェラを捕獲できるんじゃないんですか?」
「それができないんだよ」
ジェイコブは言った。
「レナルテの管理AIアンジェラは、特定のサーバーの中にいないシステムになっている。自分のプログラムを同時に幾つかのサーバーにコピーしていき、ある程度の期間が過ぎると元のプログラムを削除する。移動式と呼んでいるが、そういうシステムなんだ」
「どうしてそんな、面倒な形に?」
「管理AIがあるサーバーが特定されれば、そのサーバーを物理的に破壊したり、あるいはそのサーバーを持っている国が特権的な支配力をレナルテで持つかもしれない。アンディはそういう事を見越して、管理AIを移動式にしたんだ」
そこでケイトが口を挟んだ。
「元AMG社員のアリ・モフセンが、今回のバグ・ビースト事件に絡んでいると思うかしら?」
「それはないと思うがね」
ジェイコブは微かに皮肉っぽい笑みを浮かべた。
「自律した生命体であるバグ・ビーストを創るほどの技術は、彼にはなかったと思うよ。彼は優秀ではあったが、クリエィティブではなかった」
少し覗かせた彼のプライド。確かにジェイコブは、『ノワルド』という壮大なスケールの創造を行っている。
「管理AIのアンジェラは、アバターが伴う事で逆に捉える事ができるようになったという事ですか?」
「判らない。しかし広河は君に、アンジェラの捕獲を依頼したんだね? それはもしかしたら、アンジェラがアンディではない、という事を証明したいからかもしれない。広河は表には出さなかったが、罪の意識があるのだろうね」
ジェイコブは僕を見ながら、そう話した。
「そしてアンジェラは君に『私を探して』と言った…。アンジェラは君に何を託そうとしてるのだろう。もしアンジェラにアンディの精神の残滓でもあるのならばーー彼女が何を望んでいるのか、ぼくも知りたいね」
ジェイコブはそう言って、寂しそうに微笑んだ。
国枝は「情報を精査します」と言い、僕らをカザマ・テックまで送ると別れた。ケイトによると、あれ以降、バグ・ビーストは何処のエリアにも出なかったらしい。
「ーーちょっと納得できないわね」
「何がですか?」
ケイトが眉をひそめて呟いた言葉に、僕は訊ねた。
「天城広河の態度よ。創始者三人組にアンジェラの秘密が関係してるのなら、最初に話せばいいじゃない」
「ジェイコブさんの話した内容は、社外秘だったんじゃないですか? アンディさんの死因については、何処の情報にも伏せられてたようですし」
ケイトは少し黙り込なんだが、やがて口を開いた。
「アンジェラを追ってフォッグの動向を探るのが私の役目。けど何か…動いてる気がする」
「何がですか?」
「それが判れば苦労はしないわ」
ケイトは肩をすくめると、「今日はもういいわ」と言って去っていった。
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「ああ、まあ……」
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「明!」
「は、はい?」
「レナルテに詳しいお前に、頼みたい事がある」
「…どうしたんですか?」
社長は僕の肩を今度は背中から押すと、近くの椅子に腰かけさせた。自分は僕の前に椅子を引寄せて座る。
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風間社長の娘、美那なら僕も見たことくらいある。元の奥さんの浮気が原因で離婚し、娘は社長が引き取った。それ以来、男手独りで娘を育てたーーというくらいの話は僕も知っている。
「美那はどうやら、デジタル煮る花とかいうのにハマってるらしいんだ」
「……まさか、デジタル・ニルヴァーナですか?」
「そう! それだ! やっぱり明に相談してよかった。それがな、美那が言うには『わたしはもう、別の世界へ行く』と言うんだ」
「別の世界って、何処ですか?」
「それは言わん。ただ、『転生の日がもうすぐ来る。そうしたら、わたしは別の世界へ行く』というんだ。わしは意味が判らなかったが、美那が何処かに行くのは嫌だと思い、『何処かに行くなんて言わないでくれ。一緒にいればいいじゃないか』と言ったんだ。そうしたら美那はしばらく黙っていたが、やがて『プラトニック学園にわたしはいる。三日以内にわたしを見つける事ができたら……お父さんと一緒にいてもいい』と言ったんだ」
「プラトニック学園?」
社長は頷いた。
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社長は真顔だ。社長には世話になった恩がある。
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社長が首を傾げた。
「そういえば……そんなの見たことがないな。けど、わしに黙ってるだけかもしれんし。そうか、そういう事が原因かもしれんか」
「最近の美那さんの写真あります?」
僕が言うと、社長は携帯を取り出し画像を選んだ。空中に明るく笑う娘の笑顔が映る。いやあ、親父さんに似なくてよかったね。
「美那さんが好きだった趣味とか判りますか?」
「なんか昔はゲームにハマってたぞ。ナルトとかいう…」
「ノワルド・アドベチャー?」
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