1 / 85
聖女様の自殺
しおりを挟む
聖女様が平民との恋に狂って、自殺してしまった。
「いや、嫌よ、聖女様……こんなのってない!!」
ベッドに横たわる聖女の顔は真っ白で血が通っていない。聖女の冷たい手を握って、聖女専属の侍女が泣き叫ぶ。
狂ったように泣き続ける侍女の肩を、聖女の婚約者である王子が優しく撫でた。
「どうして、こんなことに……」
悲痛に顔を歪ませる王子の傍らで、医師である老人が聖女の脈を取る。医師は首を横に振って、聖女の死を確認した。侍女の目に涙があふれる。
「聖女様は!イブは!ただ恋をしただけだったのに!どうして死ななきゃいけないの?!ねぇ……どうして」
取り乱し崩れ落ちた侍女を王子が抱き寄せて、悲しみを分かち合う。
ベッドで眠る聖女だけが、柔らかな微笑みをその白い顔に称えていた。
誰も傷つけない心優しい聖女と
誰も傷つけない心優しい平民が
恋をした。
これは、たったそれだけの話。
なのに、どうしてだろう。
悲劇だ。
「いや、嫌よ、聖女様……こんなのってない!!」
ベッドに横たわる聖女の顔は真っ白で血が通っていない。聖女の冷たい手を握って、聖女専属の侍女が泣き叫ぶ。
狂ったように泣き続ける侍女の肩を、聖女の婚約者である王子が優しく撫でた。
「どうして、こんなことに……」
悲痛に顔を歪ませる王子の傍らで、医師である老人が聖女の脈を取る。医師は首を横に振って、聖女の死を確認した。侍女の目に涙があふれる。
「聖女様は!イブは!ただ恋をしただけだったのに!どうして死ななきゃいけないの?!ねぇ……どうして」
取り乱し崩れ落ちた侍女を王子が抱き寄せて、悲しみを分かち合う。
ベッドで眠る聖女だけが、柔らかな微笑みをその白い顔に称えていた。
誰も傷つけない心優しい聖女と
誰も傷つけない心優しい平民が
恋をした。
これは、たったそれだけの話。
なのに、どうしてだろう。
悲劇だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
38
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる