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第2部 原作へ愛をこめて
第13話 閃光
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メアリーside
触手にお腹を貫かれて、そのまま落ちてくる(名前)ちゃんが見えた。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
穴の空いた(名前)ちゃんのお腹からは血が流れ出ていた。どちゃっ、と落ちてきた体から血が飛び散って私の顔にも飛んだ。
「(名前)ちゃん!!(名前)ちゃん!!死なないで!!」
皆も私の後ろから駆け寄って来てくれて(名前)ちゃんを囲む。新くんが手を握ってくれたのに、(名前)ちゃんはうんともすんとも言わなかった。
総「(名前)、しっかりしろ!」
京「目を覚ましてくれ!!」
ユ「(名前)っ!!」
新くんが震える手で(名前)ちゃんの手首に触れて、すぐに離れた。
新「、つめたい……」
……そんな、
「……! 目を覚ましてよ!(名前)ちゃんっ!!死なないって約束したでしょ!?……帰ったら一緒に、……一緒にプリクラ撮ってくれるって言ったのに……!」
涙が止まらない。ぽろぽろ零れた雫が(名前)ちゃんの傷の上に落ちても治ったりしなかった。(名前)ちゃんは目を閉じたままだった。
……嘘だよ、(名前)ちゃんが死んだなんて。
そう思いたかったけど、名前ちゃんは私が必死にすがり付いても、いつもみたいに鬱陶しいって言って引き剥がしたりしてくれなかった。
風「…………神崎さんがいない?」
(名前)ちゃんの足元で俯いていたはずの風見くんがふと気がついたように言った。
辺りを見回すと、さっきまで私たちと一緒にいたはずの神崎さんはいつの間にか姿を消していた。
刀裏side
『はぁ、……っ、はぁ……』
道中の木にもたれ掛かりながら森の奥……私に力をくれた、あの石碑に向かって進む。
私に力をくれた奴は、多分あの石碑を拠り所にして力を得ているんだと思う。……それを壊せば、きっとあいつの暴走も止まる。
……なんで私がこんなことしてるんだろう。自分でもわからなかった。
傷だらけの体を必死に動かしながら思う。……きっと、私も、あいつみたいになりたかったんだと思う。
(名前)……この物語の主人公みたいに。
私はただ、愛されたかっただけなんだ。
……そのために生まれて来たんだ。
『……あんたもそうなんでしょ?』
やっとたどり着いた冷たい石碑に手を置きながら語りかける。
直接言葉はなくっても、正解が、答えが……世界の意思がわかる気がした。
私は残り少ない魔力で作り出した武器を構えて、石碑に向かって振り下ろした。
……え、なにこのポエムは……
神崎の心が伝わってきて終盤特有のいきなりの台本書き展開に困惑する。
「(名前)くん、君は死んだんだ」
「なんで?(半ギレ)」
占ツクに限らず転生モノ特有のいきなりの死亡宣告にショックを受ける。でも今思い出してみたら黒幕に思いっきし花〇院みたいに腹部ぶち抜かれてたしそらそうよ。
「ちなみにこれが今の君の姿」
「えぇ……(ドン引き)」
神が虚空を指さすとそこに映像が現れる。もう体中血まみれや。倒れてる私にすがりついてメアリーが泣いてた。
「ちょ、待って占ツクに連載されてるギャグ小説でこんな鬱展開ええん?」
「君が始めた物語だよ?」
「こうしたのは私じゃないでしょおおおおお!!!!!?」
神特有の人間軽視思考ほんとひで。えーーちょっと 困る!帰りたいのは山々だけどこのままメアリーを置いていくことはできない。
「ねーちょっと神どうにかしてよ!感動のフィナーレが、これじゃ台無しだぁ(ONDISK)……」
その場にがくりと膝を着く。こんな死に方あるもんかよ~嫌だ~~~~~~(情緒不安定)
「(名前)ちゃん、(名前)ちゃん! 起きてよ!」
みんなが泣きながら私と(名前)ちゃんを見ていた。でも(名前)ちゃんは目を覚まさなかった。
……なんで、なんで……
「(名前)ちゃん……」
(名前)ちゃんの冷たい体温が私の指先に移る。寒いよ、(名前)ちゃん……
そのままずっと(名前)ちゃんのそばで座り込んでいたら、空に立ちこめていた暗雲が消えていった。みんなもびっくりしたように辺りを見回している。
「え……なに……?」
『(名前)……』
森の方からふらふらの神崎さんが出てくる。
神崎さんが煤けた手で震える私の手を取ると、淡い光が生まれて、神崎さんはそのまま私たちの手を(名前)ちゃんの傷口に押し当てた。
「なに、してるの……?……っきゃああああっ!!」
カッ、と(名前)ちゃんの体が光って、辺りが閃光に包まれた。
目が覚めるといつのまにか神はいなくなっていて、辺りは真っ白に染っていた。すっげえ白くなってる。はっきりわかんだね
そんなことを考えていたらその白がじんわりと消えてく。お前……消えるのか?と思っていたら涙目のメアリーと煤けた顔の神崎がいた。
「え、何?全然わかんない(笑)(ハチワレ)」
「!! (名前)ちゃんっ!」
「ドイタック!(鳴き声)」
メアリーにがっしと抱きつかれて、私は思わず声を上げた。普段はよわよわ雑魚ヒロインのくせにこんなときだけ強くなるのやめちくり~(窒息)
「あっそうだ(唐突)神崎お前なんかやったでしょ!あのよくわからん唐突なポエムパートなんなの?」
『は?ポエム?』
素朴な疑問をぶつけたら何言ってんだこいつみたいな目で見られた。なんで?(殺意)
「神崎さんは(名前)ちゃんのこと助けてくれたんだよ!」
「マ?」
えっそんな……そんなことある?メアリーのことを疑う訳では無いが神崎の方を見たら神崎は私から目を逸らした。
『……別にあんたのためじゃないから、勘違いしないでくれる?』
「ちょ待って令和の占ツク小説でこんな古典的なツンデレええん?」
まあとにかくなんやなんやで生き残れたのでよかった。(小並感)命を大切に、生きようね!
「(名前)……」
「あッさッサトーくん、みんな!」
さっきまで空気と化していた原作キャラクター達の方を向く。
「なんかいい感じだったから、俺たちお邪魔かなと思って黙ってたんだけど……良かった、お前が生きててくれて。ほんとに……」
メアリーはともかく神崎といい感じとか普通に嫌だがサトーくんの言うことを否定したくないので黙っておく。
……そっか、私には死んだら泣いてくれる推しがいるんだ。自分、涙いいすか?私はまた泣いた。
「……泣くなよ、(名前)」
「……サトーくん」
サトーくんが優しく涙を拭ってくれた。嬉しくて余計に泣けてきた。サトーくんがそんな私を見ておろおろしてたら、葉月がこっちに来て不機嫌そうな顔で私からサトーくんを引き剥がした。やっぱ好きなんすね~(感涙)
「……(名前)……」
「葉月……」
葉月は何か言いたげにもにょもにょした後口を開いた。
「……この世界を……ユイを、新を、よく守ってくれた。感謝する」
「やれやれ、相変わらず素直じゃありませんね、君は」
「……うるさいぞ」
風見が後ろから来て葉月の肩に手を置くと、葉月はムッとしたように風見の手をぺち、とはたいた。
触手にお腹を貫かれて、そのまま落ちてくる(名前)ちゃんが見えた。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
穴の空いた(名前)ちゃんのお腹からは血が流れ出ていた。どちゃっ、と落ちてきた体から血が飛び散って私の顔にも飛んだ。
「(名前)ちゃん!!(名前)ちゃん!!死なないで!!」
皆も私の後ろから駆け寄って来てくれて(名前)ちゃんを囲む。新くんが手を握ってくれたのに、(名前)ちゃんはうんともすんとも言わなかった。
総「(名前)、しっかりしろ!」
京「目を覚ましてくれ!!」
ユ「(名前)っ!!」
新くんが震える手で(名前)ちゃんの手首に触れて、すぐに離れた。
新「、つめたい……」
……そんな、
「……! 目を覚ましてよ!(名前)ちゃんっ!!死なないって約束したでしょ!?……帰ったら一緒に、……一緒にプリクラ撮ってくれるって言ったのに……!」
涙が止まらない。ぽろぽろ零れた雫が(名前)ちゃんの傷の上に落ちても治ったりしなかった。(名前)ちゃんは目を閉じたままだった。
……嘘だよ、(名前)ちゃんが死んだなんて。
そう思いたかったけど、名前ちゃんは私が必死にすがり付いても、いつもみたいに鬱陶しいって言って引き剥がしたりしてくれなかった。
風「…………神崎さんがいない?」
(名前)ちゃんの足元で俯いていたはずの風見くんがふと気がついたように言った。
辺りを見回すと、さっきまで私たちと一緒にいたはずの神崎さんはいつの間にか姿を消していた。
刀裏side
『はぁ、……っ、はぁ……』
道中の木にもたれ掛かりながら森の奥……私に力をくれた、あの石碑に向かって進む。
私に力をくれた奴は、多分あの石碑を拠り所にして力を得ているんだと思う。……それを壊せば、きっとあいつの暴走も止まる。
……なんで私がこんなことしてるんだろう。自分でもわからなかった。
傷だらけの体を必死に動かしながら思う。……きっと、私も、あいつみたいになりたかったんだと思う。
(名前)……この物語の主人公みたいに。
私はただ、愛されたかっただけなんだ。
……そのために生まれて来たんだ。
『……あんたもそうなんでしょ?』
やっとたどり着いた冷たい石碑に手を置きながら語りかける。
直接言葉はなくっても、正解が、答えが……世界の意思がわかる気がした。
私は残り少ない魔力で作り出した武器を構えて、石碑に向かって振り下ろした。
……え、なにこのポエムは……
神崎の心が伝わってきて終盤特有のいきなりの台本書き展開に困惑する。
「(名前)くん、君は死んだんだ」
「なんで?(半ギレ)」
占ツクに限らず転生モノ特有のいきなりの死亡宣告にショックを受ける。でも今思い出してみたら黒幕に思いっきし花〇院みたいに腹部ぶち抜かれてたしそらそうよ。
「ちなみにこれが今の君の姿」
「えぇ……(ドン引き)」
神が虚空を指さすとそこに映像が現れる。もう体中血まみれや。倒れてる私にすがりついてメアリーが泣いてた。
「ちょ、待って占ツクに連載されてるギャグ小説でこんな鬱展開ええん?」
「君が始めた物語だよ?」
「こうしたのは私じゃないでしょおおおおお!!!!!?」
神特有の人間軽視思考ほんとひで。えーーちょっと 困る!帰りたいのは山々だけどこのままメアリーを置いていくことはできない。
「ねーちょっと神どうにかしてよ!感動のフィナーレが、これじゃ台無しだぁ(ONDISK)……」
その場にがくりと膝を着く。こんな死に方あるもんかよ~嫌だ~~~~~~(情緒不安定)
「(名前)ちゃん、(名前)ちゃん! 起きてよ!」
みんなが泣きながら私と(名前)ちゃんを見ていた。でも(名前)ちゃんは目を覚まさなかった。
……なんで、なんで……
「(名前)ちゃん……」
(名前)ちゃんの冷たい体温が私の指先に移る。寒いよ、(名前)ちゃん……
そのままずっと(名前)ちゃんのそばで座り込んでいたら、空に立ちこめていた暗雲が消えていった。みんなもびっくりしたように辺りを見回している。
「え……なに……?」
『(名前)……』
森の方からふらふらの神崎さんが出てくる。
神崎さんが煤けた手で震える私の手を取ると、淡い光が生まれて、神崎さんはそのまま私たちの手を(名前)ちゃんの傷口に押し当てた。
「なに、してるの……?……っきゃああああっ!!」
カッ、と(名前)ちゃんの体が光って、辺りが閃光に包まれた。
目が覚めるといつのまにか神はいなくなっていて、辺りは真っ白に染っていた。すっげえ白くなってる。はっきりわかんだね
そんなことを考えていたらその白がじんわりと消えてく。お前……消えるのか?と思っていたら涙目のメアリーと煤けた顔の神崎がいた。
「え、何?全然わかんない(笑)(ハチワレ)」
「!! (名前)ちゃんっ!」
「ドイタック!(鳴き声)」
メアリーにがっしと抱きつかれて、私は思わず声を上げた。普段はよわよわ雑魚ヒロインのくせにこんなときだけ強くなるのやめちくり~(窒息)
「あっそうだ(唐突)神崎お前なんかやったでしょ!あのよくわからん唐突なポエムパートなんなの?」
『は?ポエム?』
素朴な疑問をぶつけたら何言ってんだこいつみたいな目で見られた。なんで?(殺意)
「神崎さんは(名前)ちゃんのこと助けてくれたんだよ!」
「マ?」
えっそんな……そんなことある?メアリーのことを疑う訳では無いが神崎の方を見たら神崎は私から目を逸らした。
『……別にあんたのためじゃないから、勘違いしないでくれる?』
「ちょ待って令和の占ツク小説でこんな古典的なツンデレええん?」
まあとにかくなんやなんやで生き残れたのでよかった。(小並感)命を大切に、生きようね!
「(名前)……」
「あッさッサトーくん、みんな!」
さっきまで空気と化していた原作キャラクター達の方を向く。
「なんかいい感じだったから、俺たちお邪魔かなと思って黙ってたんだけど……良かった、お前が生きててくれて。ほんとに……」
メアリーはともかく神崎といい感じとか普通に嫌だがサトーくんの言うことを否定したくないので黙っておく。
……そっか、私には死んだら泣いてくれる推しがいるんだ。自分、涙いいすか?私はまた泣いた。
「……泣くなよ、(名前)」
「……サトーくん」
サトーくんが優しく涙を拭ってくれた。嬉しくて余計に泣けてきた。サトーくんがそんな私を見ておろおろしてたら、葉月がこっちに来て不機嫌そうな顔で私からサトーくんを引き剥がした。やっぱ好きなんすね~(感涙)
「……(名前)……」
「葉月……」
葉月は何か言いたげにもにょもにょした後口を開いた。
「……この世界を……ユイを、新を、よく守ってくれた。感謝する」
「やれやれ、相変わらず素直じゃありませんね、君は」
「……うるさいぞ」
風見が後ろから来て葉月の肩に手を置くと、葉月はムッとしたように風見の手をぺち、とはたいた。
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