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第2部 原作へ愛をこめて
第9話 記憶
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ゴゴゴゴゴゴ……
「うわあ! なんだ なんだ!?」
地響きみたいなのが聞こえてきて、空が暗い色の雲に覆われていく。次の瞬間凄まじい音と共に、森の奥の方で青紫色の光柱が立ち上がった。
「きゃぁっ!」
「うわを!!」
地面が揺れてメアリーがふらつくので支えてあげる。びっくりしたー!!!しまじろうのわおなんだが!?!?(激寒)つかメアリー如月シンメイなんとかの後継者のくせにこんなのでふらついてんの?そんなんじゃ甘いよ
「えっ何これは……(困惑)」
とにかく危なそうだからもうちょい離れたとこに行こうと思って校舎の方を向いたら、その瞬間校舎にクソデカ雷が落ちて、一拍遅れて耳をつんざくような音が聞こえた。
コンクリートの校舎に、ビシリと大きく半分ヒビが入った。うせやろ? 校舎こわれる。
生徒たちが慌てて外に避難してくる。何人か負傷してるし、校舎はその間にもぼろぼろと崩れて行ってこの上なく危ない。
「これはちょっと……看過できへんし……」
避難手伝わなきゃ(使命感) 私はメアリーの手を引いて校舎の方へ走っていった。
逃げ惑う生徒たちを安全な方向へ誘導していく。途中でメアリーと別れるなどしたけど、あいつもう夢主じゃないし多分1人でも何とかなるでしょ。私は現在それなりにメアリーのことを信用していた。
生徒はほとんどが避難完了したけど、心配なのでまだしばらく留まってたら、校舎のクソデカ時計塔がこっちに崩れてきた。落ちたな(絶望)
ライダー助けて!あかんこのままじゃ私が死ぬぅ……と思ってたら、いきなり誰かに手を引っ張られて危機一髪生き残れた。
「逃げるぞ(名前)!」
「え!?京サマ!?なんで!?」
振り向いたら京サマがいてた。うわわわ手握られてる照れる無理こんなんしぬ。
というか丘People!?こっちの世界ではワルコ呼ばわりされてるはずなのに、どうして名前で呼ばれてるの?なんで助けてくれるの?
疑問で頭が埋め尽くされるけど聞く暇も無いまま、私は京サマに手を引かれて走っていった。
そのまま簡易的な避難所みたいな場所に連れてこられた。怪我をした人が何人か床に寝ている。
「大丈夫ですか、(名前)さん」
「う、うん……大丈夫」
見張りに向かった京サマの代わりに風見がやってきて私を心配してくれる。なんでみんな優しくなってるの?なんで?
「(名前)ちゃん!よかったー会えて!」
「メアリー……」
風見に続いてメアリーも私に駆け寄ってきて抱きついてきた。生きとったんかワレ…… いや別に死んでると思ってたわけでは無いけど。
風見に案内されて、私とメアリーは避難所の奥の方に通された。個室みたいなのがあって、そこのベッドに何故か、ユイが苦しそうに横たわっていた。
そばに座った葉月が辛そうな顔でユイを見つめている。ユイの体には目立った外傷があるわけでもない。どちらかというと熱とか出たときみたいな苦しみ方だ。
「ユイちゃん!?なんで!?」
メアリーが慌てて目を見開く。
「……ユイは空間中の魔力濃度に影響を受けやすい体質なんだ。今回森の奥から高濃度の魔力がいきなり大量に出現した……それが原因だろう」
葉月がそう説明してくれた。確かに原作映画でも、ユイが魔力濃度云々の問題で体調を崩すシーンがあった。
「……大丈夫なの?」
「例えるなら高山病のようなものだ。治らないわけではないが……これ以上魔力濃度が高まれば、不味いことになる」
ベッドの上で苦しそうにしているユイを見ていて、私もつらくなる。はやく治って欲しい。
……多分これ神崎のせいだよな。やっぱり舐めプしてないでとっとと〆るべきだったんだろうか。
「(名前)」
……あ、サトーくんの声だ。親の声より聞いた推しの声に私は振り向く。
「……ちょっと来てくれないか?話したいんだ」
「わかった。……メアリー、行ってくる」
私がそう言うと、メアリーはこくりと頷いた。
個室を出て、避難所内でも人の少ない場所へと移動する。サトーくんはずっと緊張したような顔をしてた。
「……これ、神崎の仕業なんだよな」
「多分……多分そう。……なんで呼称が変わってるの??なんで??」
「それはボクが説明するよ」
「神……」
どうしても気になってしょうがないのでしきりに首を傾げていたら、どこからか神が現れた。生きとったんかワレ……
「空気中の魔力濃度が異常に高まったショックで彼らに原作の記憶が乗り移ったんだよ」
「そんなことあるの?」
「あるんだよ」
そんなことあるらしい。とにかく今は神崎をどうにかしなきゃ、ユイも苦しそうだし早く助けたい。
「神崎のことは……まだ好きだって言ったら嘘になるけど、このまま放っとくなんてできない」
サトーくんがちゃんとまっすぐで優しくて安心する。やっぱり原作しか勝たん……ってコト!?(ちいかわになるな)
「大変だぁ、サトー!」
慌てて避難所に駆け込んでくる京サマと風見。
「京一郎!?風見!?何かあったのか!?」
「森の木がどんどん倒れていくんです、みてください、魔力値もさっきまでとは比べられないほど大きい……!」
風見は腕時計みたいな水晶をサトーくんに見せる。魔力値999999999999の表示があった。なんだこれはたまげたなあ……数字の頭がわるいのは変わらないみたいだった。
「まさか神崎……」
「私、表の様子を見てくるよ」
「じゃあ俺も行く!」
「サトーくんは葉月と一緒にユイの様子を見てて、その方が安心できると思うから」
「……わかった、でも見送りだけさせてくれ」
そう言って頷くサトーくんも連れて、4人で避難所に張られた特殊な結界の外に出る。
少し離れた場所に、黒い炎のようなものを身にまとった神崎がいた。やたらと厨二臭いルックスだが様になってはいる。
「サトー、行ってくる」
「ユイさんのこと、頼みます」
「わかってる。気をつけろよ」
そういうなり、サトーくんはユイのことが心配なのか、走って奥に引っ込んで行った。……と思ってたら、何故か入れ違いで姫華と愛花の悪女2人組が出てきた。なんで出てくる必要なんかあるんですか
「3人ともぉ、なにしてるのぉ~??」
「あっ、とぅりちゃんだぁ~♡」
2人は何が起きてるか理解してない様子でこっちに歩いてくる。アッやばい結界から出るなばか
「ばか引っ込んでろ!!危ないッ……」
私が危ないでしょと怒ろうとした瞬間、悪女2人組が立っている場所を、神崎が打ち出した極太の光の柱が駆け抜けた。
「うわあ! なんだ なんだ!?」
地響きみたいなのが聞こえてきて、空が暗い色の雲に覆われていく。次の瞬間凄まじい音と共に、森の奥の方で青紫色の光柱が立ち上がった。
「きゃぁっ!」
「うわを!!」
地面が揺れてメアリーがふらつくので支えてあげる。びっくりしたー!!!しまじろうのわおなんだが!?!?(激寒)つかメアリー如月シンメイなんとかの後継者のくせにこんなのでふらついてんの?そんなんじゃ甘いよ
「えっ何これは……(困惑)」
とにかく危なそうだからもうちょい離れたとこに行こうと思って校舎の方を向いたら、その瞬間校舎にクソデカ雷が落ちて、一拍遅れて耳をつんざくような音が聞こえた。
コンクリートの校舎に、ビシリと大きく半分ヒビが入った。うせやろ? 校舎こわれる。
生徒たちが慌てて外に避難してくる。何人か負傷してるし、校舎はその間にもぼろぼろと崩れて行ってこの上なく危ない。
「これはちょっと……看過できへんし……」
避難手伝わなきゃ(使命感) 私はメアリーの手を引いて校舎の方へ走っていった。
逃げ惑う生徒たちを安全な方向へ誘導していく。途中でメアリーと別れるなどしたけど、あいつもう夢主じゃないし多分1人でも何とかなるでしょ。私は現在それなりにメアリーのことを信用していた。
生徒はほとんどが避難完了したけど、心配なのでまだしばらく留まってたら、校舎のクソデカ時計塔がこっちに崩れてきた。落ちたな(絶望)
ライダー助けて!あかんこのままじゃ私が死ぬぅ……と思ってたら、いきなり誰かに手を引っ張られて危機一髪生き残れた。
「逃げるぞ(名前)!」
「え!?京サマ!?なんで!?」
振り向いたら京サマがいてた。うわわわ手握られてる照れる無理こんなんしぬ。
というか丘People!?こっちの世界ではワルコ呼ばわりされてるはずなのに、どうして名前で呼ばれてるの?なんで助けてくれるの?
疑問で頭が埋め尽くされるけど聞く暇も無いまま、私は京サマに手を引かれて走っていった。
そのまま簡易的な避難所みたいな場所に連れてこられた。怪我をした人が何人か床に寝ている。
「大丈夫ですか、(名前)さん」
「う、うん……大丈夫」
見張りに向かった京サマの代わりに風見がやってきて私を心配してくれる。なんでみんな優しくなってるの?なんで?
「(名前)ちゃん!よかったー会えて!」
「メアリー……」
風見に続いてメアリーも私に駆け寄ってきて抱きついてきた。生きとったんかワレ…… いや別に死んでると思ってたわけでは無いけど。
風見に案内されて、私とメアリーは避難所の奥の方に通された。個室みたいなのがあって、そこのベッドに何故か、ユイが苦しそうに横たわっていた。
そばに座った葉月が辛そうな顔でユイを見つめている。ユイの体には目立った外傷があるわけでもない。どちらかというと熱とか出たときみたいな苦しみ方だ。
「ユイちゃん!?なんで!?」
メアリーが慌てて目を見開く。
「……ユイは空間中の魔力濃度に影響を受けやすい体質なんだ。今回森の奥から高濃度の魔力がいきなり大量に出現した……それが原因だろう」
葉月がそう説明してくれた。確かに原作映画でも、ユイが魔力濃度云々の問題で体調を崩すシーンがあった。
「……大丈夫なの?」
「例えるなら高山病のようなものだ。治らないわけではないが……これ以上魔力濃度が高まれば、不味いことになる」
ベッドの上で苦しそうにしているユイを見ていて、私もつらくなる。はやく治って欲しい。
……多分これ神崎のせいだよな。やっぱり舐めプしてないでとっとと〆るべきだったんだろうか。
「(名前)」
……あ、サトーくんの声だ。親の声より聞いた推しの声に私は振り向く。
「……ちょっと来てくれないか?話したいんだ」
「わかった。……メアリー、行ってくる」
私がそう言うと、メアリーはこくりと頷いた。
個室を出て、避難所内でも人の少ない場所へと移動する。サトーくんはずっと緊張したような顔をしてた。
「……これ、神崎の仕業なんだよな」
「多分……多分そう。……なんで呼称が変わってるの??なんで??」
「それはボクが説明するよ」
「神……」
どうしても気になってしょうがないのでしきりに首を傾げていたら、どこからか神が現れた。生きとったんかワレ……
「空気中の魔力濃度が異常に高まったショックで彼らに原作の記憶が乗り移ったんだよ」
「そんなことあるの?」
「あるんだよ」
そんなことあるらしい。とにかく今は神崎をどうにかしなきゃ、ユイも苦しそうだし早く助けたい。
「神崎のことは……まだ好きだって言ったら嘘になるけど、このまま放っとくなんてできない」
サトーくんがちゃんとまっすぐで優しくて安心する。やっぱり原作しか勝たん……ってコト!?(ちいかわになるな)
「大変だぁ、サトー!」
慌てて避難所に駆け込んでくる京サマと風見。
「京一郎!?風見!?何かあったのか!?」
「森の木がどんどん倒れていくんです、みてください、魔力値もさっきまでとは比べられないほど大きい……!」
風見は腕時計みたいな水晶をサトーくんに見せる。魔力値999999999999の表示があった。なんだこれはたまげたなあ……数字の頭がわるいのは変わらないみたいだった。
「まさか神崎……」
「私、表の様子を見てくるよ」
「じゃあ俺も行く!」
「サトーくんは葉月と一緒にユイの様子を見てて、その方が安心できると思うから」
「……わかった、でも見送りだけさせてくれ」
そう言って頷くサトーくんも連れて、4人で避難所に張られた特殊な結界の外に出る。
少し離れた場所に、黒い炎のようなものを身にまとった神崎がいた。やたらと厨二臭いルックスだが様になってはいる。
「サトー、行ってくる」
「ユイさんのこと、頼みます」
「わかってる。気をつけろよ」
そういうなり、サトーくんはユイのことが心配なのか、走って奥に引っ込んで行った。……と思ってたら、何故か入れ違いで姫華と愛花の悪女2人組が出てきた。なんで出てくる必要なんかあるんですか
「3人ともぉ、なにしてるのぉ~??」
「あっ、とぅりちゃんだぁ~♡」
2人は何が起きてるか理解してない様子でこっちに歩いてくる。アッやばい結界から出るなばか
「ばか引っ込んでろ!!危ないッ……」
私が危ないでしょと怒ろうとした瞬間、悪女2人組が立っている場所を、神崎が打ち出した極太の光の柱が駆け抜けた。
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