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番外編 女子風呂
その②
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アリスが着替えを取りに戻っている間、
クリスト姉妹が、
少女らの面倒を見ていた。
クオンがルンの背中を流してやり、
リオンがミラの面倒を観ている。
リーメイ、ローズ、テッサは
各々で洗い終え、湯船に浸かっている。
年齢で言えば、
ミラとテッサが面倒を
見られる側の立場なのだろうが、
見た目でミラとルンが対象になった。
何よりテッサは一番年上に見えた。
「奴隷だったつー割には、
傷痕とか無いよね~」
「そ、そうですね」
(これも、
シオン兄様の結界のお陰だけど……、
言わない方がいいよね?)
「それな?
シオン兄チャンのお陰でやで?」
「シオン……さん?
陛下の義弟さんになられた方ですよね?」
「そうそ……」
『ザプッ』
ミラは洗われている途中だったのだが、
テッサが上からお湯をかけ流し、
「ふもが……」
ミラの軽い口を手で塞ぎ、
強引に湯船に連れていき……、
沈めた。
『ぷがっぷっぷっごぽごぽぽぽ……』
「ぷはぁ……ゴホゴホ……何すんねん!
溺れるかと思うたわ」
「お前が余計な事を喋ろうとするからだ。
今度、シオン兄様とクロエ姉様の事を
話そうとしたら殴るからな?」
「何でなん?
ウチは別にシオン兄チャンが
張った結界」
『ゴン!』
「いった~。さっきから、何なん?」
殴られた頭部を緑色の光が覆った。
「あれ?
もう痛なくなった。
流石シオン兄チャンやな~」
ニッカリ笑うミラと
「しまった」と額を押さえるテッサ。
「い、今の光は何ですか?
シオン様が関係されているんですか?」
「それは……国王様にお願いします。
拙者らの口からは言えません」
クオンとルンが洗い終え、
湯船に入ってきた。
「秘密にされると
余計聞きたくなるじゃんか」
「そうは言っても内容が内容ですし」
「オレも言えないな」
テッサは少し考えた後、
「では、消されても宜しければ、
お話しますが」
「やだな~そんな、
マジ顔しちゃって~」
テッサは真面目顔のまま、
表情を変えなかった。
「え? まさか、マジ?」
『コクン』と頷くテッサ。
束の間の沈黙。
『ガララララ……』
戸に背を向けていたクオンは
『ビクッ』となる。
「どうかされましたか?」
「なんだ、アリスか……、驚かさないでよ」
「何の話をされていたのですか?」
「今日召喚されたっていう、
シオン様の事を聞こうと
してたんだけどね~。
この……テッサが、
国王に聞けって教えてくれないんだよ」
「なら、陛下にお聞きなさい」
「しどい」
「あら、テッサは教えてくれるって
言ったじゃない。
消されてもいいのならって」
「それなら、聞かない方が良さそうですね」
「いやいや、大袈裟でしょ」
「そんなに、聞きたいのなら
クオンだけこっそり教わりなさい。
私は巻き添えで死にたくありません」
「なんだよ、ノリ悪いな」
「私もノリで死にたくは無いかな」
「リオン姉まで……、
解ったもう聞かねぇよ」
その後は話題を変え
ガールズトークになるが、
そこで、テッサが12才だと
解り皆に驚かれる事になる。
テッサはまだ、奴隷期間が一月と短く、
自身の年齢を覚えていたが、
他の者は、覚えていなかった。
主に洞窟にいた少女らに
自身の年齢を確認するすべが無かった。
そして、テッサの豊満な身体を
羨ましそうに見つめる
ルン、ローズ、クリスト姉妹がいた。
風呂あがり再び脱衣場にて、
「所で貴女達の衣類は洗い場に
持っていって構いませんか?」
「いえ、ワタシ達のは自分で洗います。
シオン兄様から頂いた服ですし、
洗い物は、その……慣れてますので」
「失礼しました。
それで、貴女達の寝床はどちらに?」
「兵士宿舎の方ですわ」
「うぇ、マジかよ。
アソコは野郎共しか居ないから、
オッサン臭いぜ?」
「夜の相手させられないだけマシマシ」
リーメイは笑いながら話すが内容が暗い。
侍女´sが再び密談を開始する。
ー「あの年でカワイソウだよ~」
意外に涙脆いクオン。
ー「アリス、
侍女室空いてるわよね?」
ー「えぇ、
10室くらい空きがあります」
「貴女達、今日は侍女室で寝なさい。
狭いですが、個室でカギも掛けられます。
兵士宿舎よりかは幾分よい部屋ですよ」
「そうだよ、そうしなよ。
怖かったらアタシの部屋においで、
一緒に寝たげる」
「私の部屋に来ても構いませんよ。
歓迎します」
「いいのですか?」
「いいよいいよ」
「では、お言葉に甘えさせて貰おう。
拙者はミラと寝る。
コイツの口の軽さは異常だからな。
聞いてもいないのに話しそうだ」
「えー? 何でやねん!
ウチも姉チャンと寝たいわ」
「それでしたら私の部屋に来なさい」
アリスが迎え入れた。
「でも、コイツ口軽いから」
「大丈夫ですよ。
私はクオンと違い、
言いふらしたりしません」
「いやいや、アタシも聞きたかっただけで
言いふらしたりなんか……」
「するわね」
「リオン姉……もう少し妹を信じ……」
「られないわね」
「ルンちゃ~ん。
リオン姉がイジメる~」
年下のルンに抱きつくクオン。
「お~ヨシヨシ。
それじゃ、一緒に寝ましょうか?」
頭を撫で慰めるルン。
「ぐすん、ぐすん……、ありがと~」
『おいおい……立場が逆だろ』
数人が内心ツッコミしていた。
結局の部屋分けは、
アリス、ミラ、テッサで一部屋
クオン、ルンで一部屋
リオン、ローズ、リーメイで一部屋
になった。
クリスト姉妹が、
少女らの面倒を見ていた。
クオンがルンの背中を流してやり、
リオンがミラの面倒を観ている。
リーメイ、ローズ、テッサは
各々で洗い終え、湯船に浸かっている。
年齢で言えば、
ミラとテッサが面倒を
見られる側の立場なのだろうが、
見た目でミラとルンが対象になった。
何よりテッサは一番年上に見えた。
「奴隷だったつー割には、
傷痕とか無いよね~」
「そ、そうですね」
(これも、
シオン兄様の結界のお陰だけど……、
言わない方がいいよね?)
「それな?
シオン兄チャンのお陰でやで?」
「シオン……さん?
陛下の義弟さんになられた方ですよね?」
「そうそ……」
『ザプッ』
ミラは洗われている途中だったのだが、
テッサが上からお湯をかけ流し、
「ふもが……」
ミラの軽い口を手で塞ぎ、
強引に湯船に連れていき……、
沈めた。
『ぷがっぷっぷっごぽごぽぽぽ……』
「ぷはぁ……ゴホゴホ……何すんねん!
溺れるかと思うたわ」
「お前が余計な事を喋ろうとするからだ。
今度、シオン兄様とクロエ姉様の事を
話そうとしたら殴るからな?」
「何でなん?
ウチは別にシオン兄チャンが
張った結界」
『ゴン!』
「いった~。さっきから、何なん?」
殴られた頭部を緑色の光が覆った。
「あれ?
もう痛なくなった。
流石シオン兄チャンやな~」
ニッカリ笑うミラと
「しまった」と額を押さえるテッサ。
「い、今の光は何ですか?
シオン様が関係されているんですか?」
「それは……国王様にお願いします。
拙者らの口からは言えません」
クオンとルンが洗い終え、
湯船に入ってきた。
「秘密にされると
余計聞きたくなるじゃんか」
「そうは言っても内容が内容ですし」
「オレも言えないな」
テッサは少し考えた後、
「では、消されても宜しければ、
お話しますが」
「やだな~そんな、
マジ顔しちゃって~」
テッサは真面目顔のまま、
表情を変えなかった。
「え? まさか、マジ?」
『コクン』と頷くテッサ。
束の間の沈黙。
『ガララララ……』
戸に背を向けていたクオンは
『ビクッ』となる。
「どうかされましたか?」
「なんだ、アリスか……、驚かさないでよ」
「何の話をされていたのですか?」
「今日召喚されたっていう、
シオン様の事を聞こうと
してたんだけどね~。
この……テッサが、
国王に聞けって教えてくれないんだよ」
「なら、陛下にお聞きなさい」
「しどい」
「あら、テッサは教えてくれるって
言ったじゃない。
消されてもいいのならって」
「それなら、聞かない方が良さそうですね」
「いやいや、大袈裟でしょ」
「そんなに、聞きたいのなら
クオンだけこっそり教わりなさい。
私は巻き添えで死にたくありません」
「なんだよ、ノリ悪いな」
「私もノリで死にたくは無いかな」
「リオン姉まで……、
解ったもう聞かねぇよ」
その後は話題を変え
ガールズトークになるが、
そこで、テッサが12才だと
解り皆に驚かれる事になる。
テッサはまだ、奴隷期間が一月と短く、
自身の年齢を覚えていたが、
他の者は、覚えていなかった。
主に洞窟にいた少女らに
自身の年齢を確認するすべが無かった。
そして、テッサの豊満な身体を
羨ましそうに見つめる
ルン、ローズ、クリスト姉妹がいた。
風呂あがり再び脱衣場にて、
「所で貴女達の衣類は洗い場に
持っていって構いませんか?」
「いえ、ワタシ達のは自分で洗います。
シオン兄様から頂いた服ですし、
洗い物は、その……慣れてますので」
「失礼しました。
それで、貴女達の寝床はどちらに?」
「兵士宿舎の方ですわ」
「うぇ、マジかよ。
アソコは野郎共しか居ないから、
オッサン臭いぜ?」
「夜の相手させられないだけマシマシ」
リーメイは笑いながら話すが内容が暗い。
侍女´sが再び密談を開始する。
ー「あの年でカワイソウだよ~」
意外に涙脆いクオン。
ー「アリス、
侍女室空いてるわよね?」
ー「えぇ、
10室くらい空きがあります」
「貴女達、今日は侍女室で寝なさい。
狭いですが、個室でカギも掛けられます。
兵士宿舎よりかは幾分よい部屋ですよ」
「そうだよ、そうしなよ。
怖かったらアタシの部屋においで、
一緒に寝たげる」
「私の部屋に来ても構いませんよ。
歓迎します」
「いいのですか?」
「いいよいいよ」
「では、お言葉に甘えさせて貰おう。
拙者はミラと寝る。
コイツの口の軽さは異常だからな。
聞いてもいないのに話しそうだ」
「えー? 何でやねん!
ウチも姉チャンと寝たいわ」
「それでしたら私の部屋に来なさい」
アリスが迎え入れた。
「でも、コイツ口軽いから」
「大丈夫ですよ。
私はクオンと違い、
言いふらしたりしません」
「いやいや、アタシも聞きたかっただけで
言いふらしたりなんか……」
「するわね」
「リオン姉……もう少し妹を信じ……」
「られないわね」
「ルンちゃ~ん。
リオン姉がイジメる~」
年下のルンに抱きつくクオン。
「お~ヨシヨシ。
それじゃ、一緒に寝ましょうか?」
頭を撫で慰めるルン。
「ぐすん、ぐすん……、ありがと~」
『おいおい……立場が逆だろ』
数人が内心ツッコミしていた。
結局の部屋分けは、
アリス、ミラ、テッサで一部屋
クオン、ルンで一部屋
リオン、ローズ、リーメイで一部屋
になった。
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