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#17 昼休憩とドリンクバー

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 コピー、入力、ファイリング。コピー、入力、ファイリング。いつも通りカラスマが押し付けられた仕事をこなしていると、ガタ、ガタと周りの者が席を立つ音が聞こえてくる。どうやら昼休憩の時間に入ったようだ。

「一緒に飯、どう?」
「いいね」
「えっ、チャシチ先輩とご飯行くの!?私も行きたい!」
「モモカも来るか?」
「行きます行きます!」

後ろから聞こえてくる、チャシチとその取り巻きたちの会話。カラスマは、ああやって同期に誘われたことはない。そしてきっと、これからも。

「カラスマ、飯行く?」

彼を誘ってくれるのは、クロマルだけだ。

 クロマルもカラスマも、食事に対するこだわりは薄い部類だ。それもあるのか、2人はいつもここらで一番安いファミレスに行く。味に関しての評価が極めていいような場所でないが、2人にとってはそんなことを問題ではない。腹が膨れて少しの世間話ができれば、それでいいのだ。

「ミラノバーガー2つ、あとドリンクバーもセットで」

平日はもちろん休日出勤が朝早くから強要された日もここの店に通っているため、アルバイトのザシキワラシとも顔なじみになってきている。

「お、いつも通りっすね。そういうと思ってドリンクバーのコップ持ってきてました!ごゆっくりどうぞー」

アルバイトの青年はそう言ってプラスチック製のコップを2つテーブルの上に起き、じゃ、と言い残して去っていく。

「サービスいいよなぁ」

クロマルは感心したように呟き、さっさく飲み物を取りに行った。

「なあ、お前ら毎日ドリンクバーも頼んでんのか?」

クロマルがいなくなったのを見計らい、マフラはカラスマに問う。

「先輩はジュース好きだからね」

カラスマの返答はシンプルだった。
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