7 / 20
#7 退勤とドクロ車両
しおりを挟む
株式会社ラクーンから出たカラスマはそのまま駅に向かう。
「なんか、その…疲れたな」
キツめに身に着けていたマフラーをすこし緩めると、今まで空気を読んで黙っていたであろうマフラが話しだした。
「お前、毎日あんな感じなのか?」
「まあね」
「黒い方はいいとして、あの茶色い狸…えっと…」
「チャシチ」
「それそれ。あいつ酷えな」
「どの種族にも一定数いるんだよねぇ。自分の種族が一番だって主張して、差別的な発言が止まらないやつがさ。」
「気持ちわりぃ世の中だな」
「まったくだよ」
2人はそんな話をしながら駅のホームに向かう。日曜の昼間は流石に平日の朝晩と比べると混んでいないが、それでもかなりの数の妖たちが電車を待っている。
『まもなくぅー、3番線にぃー、列車がぁー、まいりゃーす』
暫く電車を待っていると、そんな気の抜けたアナウンスが流れる。そしてその直後、轟音と共に電車が現れる。我々の世界の蒸気機関車をもとに色々付け足したような歪なデザイン。各車両ごとに『キツネ』『タヌキ』…と種族名が書かれているのが特徴的だ。また、飾りなのか実用的なものなのか不明なメーターがありとあらゆる面に貼り付けられ、その針は激しく回転している。カラスマの世界ではよくある普通の電車だ。
「ドクロ車両、ドクロ車両…」
キツネ、タヌキ、ザシキワラシ、ツチノコ、ダイダラ……ドクロ!
「あった!」
カラスマは見つけた車両に乗り込んだ。
「なんか、その…疲れたな」
キツめに身に着けていたマフラーをすこし緩めると、今まで空気を読んで黙っていたであろうマフラが話しだした。
「お前、毎日あんな感じなのか?」
「まあね」
「黒い方はいいとして、あの茶色い狸…えっと…」
「チャシチ」
「それそれ。あいつ酷えな」
「どの種族にも一定数いるんだよねぇ。自分の種族が一番だって主張して、差別的な発言が止まらないやつがさ。」
「気持ちわりぃ世の中だな」
「まったくだよ」
2人はそんな話をしながら駅のホームに向かう。日曜の昼間は流石に平日の朝晩と比べると混んでいないが、それでもかなりの数の妖たちが電車を待っている。
『まもなくぅー、3番線にぃー、列車がぁー、まいりゃーす』
暫く電車を待っていると、そんな気の抜けたアナウンスが流れる。そしてその直後、轟音と共に電車が現れる。我々の世界の蒸気機関車をもとに色々付け足したような歪なデザイン。各車両ごとに『キツネ』『タヌキ』…と種族名が書かれているのが特徴的だ。また、飾りなのか実用的なものなのか不明なメーターがありとあらゆる面に貼り付けられ、その針は激しく回転している。カラスマの世界ではよくある普通の電車だ。
「ドクロ車両、ドクロ車両…」
キツネ、タヌキ、ザシキワラシ、ツチノコ、ダイダラ……ドクロ!
「あった!」
カラスマは見つけた車両に乗り込んだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる