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屋敷の上階にこそ危険フラグが一杯

屋上の一歩手前に倉庫部屋があった

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 俺はユージンよりも足が速いが、ユージンに目的地に辿り着く寸前に簡単に捕獲されてしまった。
 目的地の一歩手前の階が、盗品らしき大きな箱がずらりと並んだ倉庫のような様相を示していたならば、フルチンな俺がここでパンツを探そうと足を止めてしまうのは仕方が無い事だろう。

 そして、思った。
 こんな所で足を止めてしまったばっかりに、と。

 俺は再びユージンに拘束魔法のカペラを受けて床に転がされ、俺をそんな目に遭わせた俺に恋しているらしき王子は、嬉々として盗品箱を盗人みたいにして漁っているのだ。

 これは違う、これは駄目だ、これならば!
 そんな感じでがんがんと箱の中のモノを引き出しては放り捨てているのである。

「な、なにを探しているの!」

「え?クリームか潤滑油か、ぬるぬる触手のぬるぬる。初めてでしょう、君は。ここはちゃんと解してからじゃないと君の身体が大変だからね。」

 腕は後ろ手に縛られ、両足は足首で縛られている、という毛虫状態の俺は、毛虫のようにして体を捩じって起き上がろうともがいた。

 駄目だ。
 こいつは人間じゃない。
 俺の親父以上の変態で魔物だ。

 いや、親父を愛するレグルスはその変態行為を受けいれているのだから?親父は変態じゃない?
 俺は使ってはいけないと封印していた技を解放するか迷った。
 技と言ってもテレパシー能力でしか無いが、そして、それを使えば魔王もレグルスも大喜びなのであろうが、自分が彼等に聞きたい事が頭に浮かんだそこで、俺はその能力はしばし封印しておこうと心に決めた。

「パパ。俺を愛しているって奴が、俺に突っ込むためのクリームを探しているんだ?これって愛なの?」

 そうだよって答えられたら終わりじゃない。
 ついでにこんなセリフだって帰ってくる!

「愛する人が出来たなら戻っておいで?みんなで一緒に楽しく暮らそう!」

「言えねぇ。言っちまったら俺が終了するところだったよ。」

 ユージンと魔王城に連れ戻されたりなんかしたら、ユージンは嬉々として毎日俺に突っ込む性交者になるだろう。
 うわあ、成功人生な勝ち組だあ、なんて言って。

「何が終了するのかな?ここから始まるんだよ。」

「きゃあ!」

 拘束されている俺は、ユージンに簡単にうつ伏せにされ、それどころか、俺の尻に何かドロッとした液体がかけられている!

「な、なにをしているのかな?」

「疲れている君の身体のマッサージだよ。力を抜いて。」

「じゃあ!戒めを外せよ!こんな拘束されてちゃ、俺は緊張しっぱなしだよ!」

 俺の背中に重たいものが被さった。
 俺の左耳にはユージンの吐息だ。
 いや、後から俺の耳たぶが舌で舐め取られた。

「はあ!。」

「助けてくれ。俺は魔法を使い過ぎた。体の中が熱くたぎって死にそうだ。」

「何を馬鹿な!」

 言い返したところで、自分に覆いかぶさるユージンの体温の熱さにビクついた。
 本当に熱い。
 嘘じゃなく、彼は熱を帯びていた。
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