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階段をとにかく上へと上がろうよ!
君の初めてはどうだったの?
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頭の中は真っ白に濁ってしまい、俺は情けなくも波に翻弄される小枝ぐらいの自我しか残っていなかった。
ユージンは俺の性器に上へ下へと単純な摩擦を与えているだけなのだが、その刺激を与える指に引き起こされる感覚は、自分の下半身が自分のもので無いと俺が思いこむぐらいに追い詰めていた。
嫌だと言いながら少しでも性器を隠せるように締めていた両腿は、今やだらしなく開ききり、ああ、俺は今自分で腰を持ち上げなかったか?
「ああ!」
ユージンは乳首が好きなのか、俺の左の乳首は彼につねられ嬲られてとされたからか、かなり腫れぼったくなっている。
おかしいのが、右の乳首が自分も同じようにされたいと叫んでいるのか、触られてもいないくせに熱くなってざわざわと感じているのだ。
「おかしい。ああ、おかしいよ。」
自分の身体じゃないみたいだ。
「良いんだよ。さあ、イってくれ。大丈夫だ、安心して。こんなのは体の反応だ。反応する君が悪いんじゃない。君は安心して身を委ねればいいんだよ。」
――想いを受けるばっかりで自分からした事は無い。
――どれもウザくて俺はいらなかった。
俺はハッとしていた。
はっとして、体中の熱が完全に冷えてしまった。
「ユ、ユージン。お前の初体験はいつだった?」
俺の下半身を攻めていたユージンは、俺の言葉にピタリと動きを止めた。
彼は俺の下半身から顔を上げると、そのまま俺に覆いかぶさってきた。
今や彼の顔は俺の顔の上にある。
性欲でけぶった表情でなく、人がいない時にだけ見かける、面白みがないという風な皮肉そうで無感情な表情。
「どうしてそんなことが聞きたいの?」
どう、俺は答えたらいいのだろう?
えと、レグルスは何て言っていたっけ?
あ、初めては痛い、だ。
「あ、あのさ。痛かった?痛いもの、なの?」
ユージンはぶはっと吹き出して、俺の胸に顔を埋めた。
「痛くなんか無かったよ。俺はいつだってする方だ。お願いしますって腰を突きだされる方だ。したくなくても刺激されれば若いから勃つ。それだけだよ。」
王子様のユージンはいつも笑っていなければいけない。
国民の願いを叶えてあげなければいけない?
俺は国民ではないから、彼は彼自身の本当はしたかった我儘が出来る?
俺の胸に顔を埋めたままのユージンが幼気に見えた。
「腕を解いて。階段の段に当たって腕が痛い。それに、今のお前の頭を撫でてみたい。お前は綺麗な髪をしているよな。」
俺の腕はふわっと自由になり、俺は自分の言葉通りにユージンの頭に両手の指先を入れた。
「うわ。ちょっとベタベタしている。そっか、昨日は風呂に入っていなかったか。ああ、俺の頭もベタベタだな。」
ユージンが俺の胸から顔を上げると、俺の額をぺちりと叩いた。
「この、お子様。」
「そう、お子様なの。今は恋人よりも親友が欲しい、ね。」
ユージンは立ち上がると俺に手を差し出した。
「じゃあ上まで行こうか。君をイかせられなかったから、MPが足りない俺はシリウスが撃てない。わらわらいるゴブリンオークをちまちま片付けなきゃだよ。」
俺はこのユージンがうれしいと彼の手を掴んだ。
「望むところだ。」
俺は左手で自分の目元を覆った。
ユージンは俺の右手を掴む右手に力を込めて、右腕で俺をグンという風に階段の天井へと放り投げた。
「リゲル。」
ユージンのリゲルという魔法により、階段という狭く細い空間は真っ白な光だけの世界となったことだろう。
また、その世界を体験したゴブリンオーク達は、全員が全員、瞳を完全に消失してしまったことだろう。
宙にいた俺は左手を目元から外し、ユージンがリゲルを唱えた後の戦場にと、いつものようにして躍りかかっていた。
※オリオン座リゲル:明るすぎて正確な視差の測定が困難とされてきた青色超巨星ということで、目玉蒸発攻撃なホワイトアウトです。
ユージンは俺の性器に上へ下へと単純な摩擦を与えているだけなのだが、その刺激を与える指に引き起こされる感覚は、自分の下半身が自分のもので無いと俺が思いこむぐらいに追い詰めていた。
嫌だと言いながら少しでも性器を隠せるように締めていた両腿は、今やだらしなく開ききり、ああ、俺は今自分で腰を持ち上げなかったか?
「ああ!」
ユージンは乳首が好きなのか、俺の左の乳首は彼につねられ嬲られてとされたからか、かなり腫れぼったくなっている。
おかしいのが、右の乳首が自分も同じようにされたいと叫んでいるのか、触られてもいないくせに熱くなってざわざわと感じているのだ。
「おかしい。ああ、おかしいよ。」
自分の身体じゃないみたいだ。
「良いんだよ。さあ、イってくれ。大丈夫だ、安心して。こんなのは体の反応だ。反応する君が悪いんじゃない。君は安心して身を委ねればいいんだよ。」
――想いを受けるばっかりで自分からした事は無い。
――どれもウザくて俺はいらなかった。
俺はハッとしていた。
はっとして、体中の熱が完全に冷えてしまった。
「ユ、ユージン。お前の初体験はいつだった?」
俺の下半身を攻めていたユージンは、俺の言葉にピタリと動きを止めた。
彼は俺の下半身から顔を上げると、そのまま俺に覆いかぶさってきた。
今や彼の顔は俺の顔の上にある。
性欲でけぶった表情でなく、人がいない時にだけ見かける、面白みがないという風な皮肉そうで無感情な表情。
「どうしてそんなことが聞きたいの?」
どう、俺は答えたらいいのだろう?
えと、レグルスは何て言っていたっけ?
あ、初めては痛い、だ。
「あ、あのさ。痛かった?痛いもの、なの?」
ユージンはぶはっと吹き出して、俺の胸に顔を埋めた。
「痛くなんか無かったよ。俺はいつだってする方だ。お願いしますって腰を突きだされる方だ。したくなくても刺激されれば若いから勃つ。それだけだよ。」
王子様のユージンはいつも笑っていなければいけない。
国民の願いを叶えてあげなければいけない?
俺は国民ではないから、彼は彼自身の本当はしたかった我儘が出来る?
俺の胸に顔を埋めたままのユージンが幼気に見えた。
「腕を解いて。階段の段に当たって腕が痛い。それに、今のお前の頭を撫でてみたい。お前は綺麗な髪をしているよな。」
俺の腕はふわっと自由になり、俺は自分の言葉通りにユージンの頭に両手の指先を入れた。
「うわ。ちょっとベタベタしている。そっか、昨日は風呂に入っていなかったか。ああ、俺の頭もベタベタだな。」
ユージンが俺の胸から顔を上げると、俺の額をぺちりと叩いた。
「この、お子様。」
「そう、お子様なの。今は恋人よりも親友が欲しい、ね。」
ユージンは立ち上がると俺に手を差し出した。
「じゃあ上まで行こうか。君をイかせられなかったから、MPが足りない俺はシリウスが撃てない。わらわらいるゴブリンオークをちまちま片付けなきゃだよ。」
俺はこのユージンがうれしいと彼の手を掴んだ。
「望むところだ。」
俺は左手で自分の目元を覆った。
ユージンは俺の右手を掴む右手に力を込めて、右腕で俺をグンという風に階段の天井へと放り投げた。
「リゲル。」
ユージンのリゲルという魔法により、階段という狭く細い空間は真っ白な光だけの世界となったことだろう。
また、その世界を体験したゴブリンオーク達は、全員が全員、瞳を完全に消失してしまったことだろう。
宙にいた俺は左手を目元から外し、ユージンがリゲルを唱えた後の戦場にと、いつものようにして躍りかかっていた。
※オリオン座リゲル:明るすぎて正確な視差の測定が困難とされてきた青色超巨星ということで、目玉蒸発攻撃なホワイトアウトです。
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