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第一章 出会い頭の吹雪
やんちゃ娘、再来
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「ルディア! 今日も勝負だ!」
ルディアとリルの朝食中、今日も今日とて元気良いソフィの訪問の時間がやってくる。
「ソフィ、また来たの? 悪いけど、今日はパスよ。
流石に昨日ので疲れたし。そもそも、畑仕事で忙しいのよ。急な吹雪のせいで、作物の管理をしなくちゃいけないの」
「そんな事を言ったって敵さんが、はいそうですかって引いてくれはしないぞ」
「じゃあ何? アンタが代わりに畑仕事をやってくれるの?」
「私の日給は高いぜ?」
ああ言えばこういう。そんなソフィに呆れて、ルディアは眉間を押さえてしまう。
どう言えば彼女を止めることができるのだろうか。
「大体さー、お前が悪いんだぞ」
「は? 何がよ」
「ツクモなんていう強力で珍しい物を隠し持ってた事が、だよ!
なんで今まで黙ってたんだよ! 長い付き合いだろ!」
若干キレ気味であるが、彼女はどうやらルディアがツクモを持っている事を知らなかったらしい。しかも、彼女らは幼馴染だという事がはっきりと……
「長いって、アンタがこの村に来たのは一年ぐらい前でしょ」
……それはソフィの勝手な言い掛かりだった。
「実質、十年ぐらいの付き合いだろ」
「どこが?」
彼女のとんちんかんな発言に、ルディアはもう頭を悩ませるしかない。
しかし、その事はどうでもいいと、食事を食べ終わったリルは席を立ち、黙ってその場を離れようとする。皿洗い当番という面倒くさいことから逃げる為だが、
「こら、どこ行くの」
即座に捕まえられてしまう。
「……先に外出て待ってようと思ってな」
「嘘つかないの。皿洗い、サボろうとしてたでしょ」
「ギ、ギクッ!」
完全にバレていた。それこそ心を見透かされているように。
……しかし、擬音を口に出すのはいかがな物だろうか。
「そうだ! お前だよお前!」
その様子を見てソフィはなにかを思いついたかのように声を上げる。だが、ルディアの目はそれに対して冷ややかな目をする。
「……アンタって話が飛躍するわよね」
だが、ソフィはルディアを無視して、話を進める。
「リル、お前が相手になれ!」
「はあ?」
突然の宣戦布告に、気の抜けた声しか出してしまうリル。どうしてだ、と言いたかったが、その前につらつらと彼女は説明を続けてくれた。
「昨日のを見て確信できた。お前は優れた洞察力と瞬発力の持ち主だってな。
魔物の隙を突くような避け方、昨日のボスが反応できないほどの距離を詰めるスピード。さらには素手にも関わらず、敵をボッコボコにしていった。
だからさ、お前なら結構良い勝負ができるはずだ」
たしかに、その理論ならば、彼は彼女と五分五分の勝負ができるかもしれない。しかし、あくまでも戦う意思があるかどうかは別問題。
「嫌だ。めんどくさい」
そして、彼にはその戦う意思がなかった。
「は? なんでだよ」
「なんでも何も……はあ、めんどくさ」
さらには、説明までもを放棄してしまう。彼の怠惰はどこまで行くのか。
その様子を見て、ルディアはリルの『めんどくさい』と言う発言に少し眉をひそめる。
「めんどくさくても攻撃してくれば、戦わざるを得ないよな?」
「……え?」
しかし、ソフィからしてみれば、もう関係ないようで、今からでも始めると言わんばかりの殺気を出してくる。
リルは、もう逃げ出したかった。ここから走り去り、ソフィが追ってこなくなるまで。だが、彼の体力で果たして逃げきれるのだろうか……
「分かったわ、ソフィ。私が戦う。だから、彼に手を出さないで」
しかし、そこで助け舟が出される。
「おう、そうこなくっちゃな」
ルディアが代わると言った瞬間、ソフィは完全にリルを意識から外す。もう、用は無くなったかのように。
「別にアタシとしてはこいつでも良かったんだけど」
「そんな事、微塵も思ってないくせに。リルに迫ったのは、私に戦うって言わせるためでしょ」
「バレてたか。ま、でもリルと戦うのは、微塵ぐらいには思ってたけどな」
いつのまにか高度な駆け引きが行われていた。
そんな事も気づかなかったリルは若干の恐怖を感じたが、それでも戦わずに済んだという事から、安堵のため息をつく。
「リル、皿洗いよろしくね」
「えぇー……」
しかし、皿洗いの当番からは逃られない!
リルは嫌そうな顔をするがしかし、断る事なく『分かった』という言葉と『ちぇっ』という軽い舌打ちを残し、食事し終わった皿を全て回収し、キッチンのシンクへと持っていく。
「ところでさ」
模擬ではあるが、戦う前だというのに興味が湧いたのか、ふとソフィは質問をする。
「お前のツクモ、なーんにも喋らなかったよな。あれはどういう事だ?」
「は? ツクモって喋るのか?」
その質問に反応したのは、ルディアではなく、リルだった。
彼はルディアからツクモの説明を聞いてはいたが、それは冒頭のモノローグで語った事だけだ。ツクモが人語を口にするなど、初耳であった。
「少なくとも、私は喋っているのを見た事あるぜ」
どうやら、彼女はただの知識ではなく、実際に体感した事らしい。ツクモはレア物であるので、共通の特徴を断言しにくいが、他の物がそうであるならば、彼女のツクモがそうでないとも限らないだろう。
「……私のは特殊でね、ある人曰く未完成らしいの」
しかし、彼女のツクモはそうではなかった。
「未完成……なのか?」
リルから見ればとてもそうには見えない。
あの窮地から勝利を奪い取るほどの力が、なぜ未完成だと言えるのか。
「そうよ。多分、私の想いがあの短剣に乗り切っていない。だから、ツクモガミは何も喋らず、無表情になっているの」
「ふーん、ていう事は倒すなら今って事だな! よし、表に出るんだ!」
未熟である内に倒してしまおう。そう考えているのか、話を終えて戦ってしまおうとする。
「分かったわ。けど、武器ぐらいは取らせてよね」
「じゃあ、早く取りに行ってこい!」
こうしてまた、日課である彼女達の戦いが始まろうとしていく。
ただし、男子であるリルはその横で皿洗いやら畑仕事やらと、あまり関わろうとはしなかった。
ちなみに、今日もルディアが勝利したとか。
ルディアとリルの朝食中、今日も今日とて元気良いソフィの訪問の時間がやってくる。
「ソフィ、また来たの? 悪いけど、今日はパスよ。
流石に昨日ので疲れたし。そもそも、畑仕事で忙しいのよ。急な吹雪のせいで、作物の管理をしなくちゃいけないの」
「そんな事を言ったって敵さんが、はいそうですかって引いてくれはしないぞ」
「じゃあ何? アンタが代わりに畑仕事をやってくれるの?」
「私の日給は高いぜ?」
ああ言えばこういう。そんなソフィに呆れて、ルディアは眉間を押さえてしまう。
どう言えば彼女を止めることができるのだろうか。
「大体さー、お前が悪いんだぞ」
「は? 何がよ」
「ツクモなんていう強力で珍しい物を隠し持ってた事が、だよ!
なんで今まで黙ってたんだよ! 長い付き合いだろ!」
若干キレ気味であるが、彼女はどうやらルディアがツクモを持っている事を知らなかったらしい。しかも、彼女らは幼馴染だという事がはっきりと……
「長いって、アンタがこの村に来たのは一年ぐらい前でしょ」
……それはソフィの勝手な言い掛かりだった。
「実質、十年ぐらいの付き合いだろ」
「どこが?」
彼女のとんちんかんな発言に、ルディアはもう頭を悩ませるしかない。
しかし、その事はどうでもいいと、食事を食べ終わったリルは席を立ち、黙ってその場を離れようとする。皿洗い当番という面倒くさいことから逃げる為だが、
「こら、どこ行くの」
即座に捕まえられてしまう。
「……先に外出て待ってようと思ってな」
「嘘つかないの。皿洗い、サボろうとしてたでしょ」
「ギ、ギクッ!」
完全にバレていた。それこそ心を見透かされているように。
……しかし、擬音を口に出すのはいかがな物だろうか。
「そうだ! お前だよお前!」
その様子を見てソフィはなにかを思いついたかのように声を上げる。だが、ルディアの目はそれに対して冷ややかな目をする。
「……アンタって話が飛躍するわよね」
だが、ソフィはルディアを無視して、話を進める。
「リル、お前が相手になれ!」
「はあ?」
突然の宣戦布告に、気の抜けた声しか出してしまうリル。どうしてだ、と言いたかったが、その前につらつらと彼女は説明を続けてくれた。
「昨日のを見て確信できた。お前は優れた洞察力と瞬発力の持ち主だってな。
魔物の隙を突くような避け方、昨日のボスが反応できないほどの距離を詰めるスピード。さらには素手にも関わらず、敵をボッコボコにしていった。
だからさ、お前なら結構良い勝負ができるはずだ」
たしかに、その理論ならば、彼は彼女と五分五分の勝負ができるかもしれない。しかし、あくまでも戦う意思があるかどうかは別問題。
「嫌だ。めんどくさい」
そして、彼にはその戦う意思がなかった。
「は? なんでだよ」
「なんでも何も……はあ、めんどくさ」
さらには、説明までもを放棄してしまう。彼の怠惰はどこまで行くのか。
その様子を見て、ルディアはリルの『めんどくさい』と言う発言に少し眉をひそめる。
「めんどくさくても攻撃してくれば、戦わざるを得ないよな?」
「……え?」
しかし、ソフィからしてみれば、もう関係ないようで、今からでも始めると言わんばかりの殺気を出してくる。
リルは、もう逃げ出したかった。ここから走り去り、ソフィが追ってこなくなるまで。だが、彼の体力で果たして逃げきれるのだろうか……
「分かったわ、ソフィ。私が戦う。だから、彼に手を出さないで」
しかし、そこで助け舟が出される。
「おう、そうこなくっちゃな」
ルディアが代わると言った瞬間、ソフィは完全にリルを意識から外す。もう、用は無くなったかのように。
「別にアタシとしてはこいつでも良かったんだけど」
「そんな事、微塵も思ってないくせに。リルに迫ったのは、私に戦うって言わせるためでしょ」
「バレてたか。ま、でもリルと戦うのは、微塵ぐらいには思ってたけどな」
いつのまにか高度な駆け引きが行われていた。
そんな事も気づかなかったリルは若干の恐怖を感じたが、それでも戦わずに済んだという事から、安堵のため息をつく。
「リル、皿洗いよろしくね」
「えぇー……」
しかし、皿洗いの当番からは逃られない!
リルは嫌そうな顔をするがしかし、断る事なく『分かった』という言葉と『ちぇっ』という軽い舌打ちを残し、食事し終わった皿を全て回収し、キッチンのシンクへと持っていく。
「ところでさ」
模擬ではあるが、戦う前だというのに興味が湧いたのか、ふとソフィは質問をする。
「お前のツクモ、なーんにも喋らなかったよな。あれはどういう事だ?」
「は? ツクモって喋るのか?」
その質問に反応したのは、ルディアではなく、リルだった。
彼はルディアからツクモの説明を聞いてはいたが、それは冒頭のモノローグで語った事だけだ。ツクモが人語を口にするなど、初耳であった。
「少なくとも、私は喋っているのを見た事あるぜ」
どうやら、彼女はただの知識ではなく、実際に体感した事らしい。ツクモはレア物であるので、共通の特徴を断言しにくいが、他の物がそうであるならば、彼女のツクモがそうでないとも限らないだろう。
「……私のは特殊でね、ある人曰く未完成らしいの」
しかし、彼女のツクモはそうではなかった。
「未完成……なのか?」
リルから見ればとてもそうには見えない。
あの窮地から勝利を奪い取るほどの力が、なぜ未完成だと言えるのか。
「そうよ。多分、私の想いがあの短剣に乗り切っていない。だから、ツクモガミは何も喋らず、無表情になっているの」
「ふーん、ていう事は倒すなら今って事だな! よし、表に出るんだ!」
未熟である内に倒してしまおう。そう考えているのか、話を終えて戦ってしまおうとする。
「分かったわ。けど、武器ぐらいは取らせてよね」
「じゃあ、早く取りに行ってこい!」
こうしてまた、日課である彼女達の戦いが始まろうとしていく。
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