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妖魔山編
1600.ひとまずの結論
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「このままでは建物自体が熱で完全に溶ける!! 『魔神』よ、構わぬから本気で『結界を張れ!」
「――」(ま、任せてちょうだい!)
その燃え広がる炎が部屋に居るソフィ以外の全員を対象に襲おうと向かっていくが、その瞬間に『力の魔神』の張る『天上界』規模の『結界』が、ヌーの放った『揺煌三河口』とは似つかぬ、その『アレルバレル』の『理』に変えられたソフィの『揺煌三河口』を抑え込もうと円状に広がった後に、そのまま覆い隠して圧縮させるかの如く押し縮めようとする。
――が、しかしその瞬間に『魔力吸収の地』は、更にソフィの『四翼』形態の『魔力』に呼応するように、再び紫色の光が強まっていく。
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『魔力吸収の地』は紫色に発光を繰り返しながら、まるで『力の魔神』の『結界』を強引に内側から押し上げてパンクさせようとするかの如く、炎を次々と生み出していく。
次の瞬間、コンマ数秒で再生され続けている『天上界』規模の『魔神』の『結界』が追いつかず、遂には『力の魔神』の『結界』の再生力を上回ってしまうのだった。
最早、この『揺煌三河口』は完全に『神域』程度の『魔法』ではなくなってしまう。
『力の魔神』という『魔力吸収の地』を阻害する邪魔者を消滅させてしまおうと『魔力吸収の地』は、全力で足掻き続ける。
「まさか……、お主の『結界』でも抑えられぬのか?」
「――」(全ての『魔力』を返還したわけではないけれど、それでもこの『魔法』を抑えられない程に、貴方に『魔力』を返還しすぎてしまったようね……。ごめんなさいソフィ、これはもう本来の私の『魔力』ではどうにもできないわ)
『力の魔神』の妨害を更に阻害しようとしたことで『魔力吸収の地』は、ソフィ達の世界である『アレルバレル』の『理』に置換した事により、ソフィの『魔力』に呼応して、最初のヌーの放った『揺煌三河口』とは似ても似つかぬ全く違う代物へと変貌を遂げさせてしまったようである。
そしてそれはソフィの『固有魔法』と呼べる代物となり、その絶大なる効力を世界に示そうとし始めてしまうのであった。
「ああ、もう駄目だな。これでは検証など出来ぬか、仕方あるまい……」
大魔王ソフィはそう静かに告げると、彼の『魔力吸収の地』の検証を諦めて、そのまま魔瞳の『金色の目』を用いて、あっさりと『魔力吸収の地』を消し去ってしまうのであった。
ヌーの生み出した『魔法』とは全く違う容貌へと変化を遂げた『揺煌三河口』は、ソフィが『魔力吸収の地』を消したことで、あっさりとこちらも消え去って部屋の中は何事もなかったかのように再び静寂に包まれるのであった。
「何から突っ込めばいいのか分からねぇが、俺の『揺煌三河口』とてめぇの『死の結界』が生み出した『魔法』は全く別の代物だった。だが、何処となく俺の『揺煌三河口』と似ていやがったのは、やっぱりてめぇの『死の結界』が進化した結果って事なのか?」
ヌーはもうソフィが何をしようと驚かないつもりだった。それに今回もある程度は『結界』の進化を予測立てていたのだが、その予想を大きく上回ってしまい、結局何が起きたのか見当がつかずに結局は、ソフィに訊ねる事となった。
「うむ……。どうやら新たに進化を遂げたであろう我の『魔力吸収の地』は、相手の『魔力』を奪い効力を消失させるだけではなく、その術者の『魔』を司るあらゆる技法を即座に『アレルバレル』の世界の『理』に置き換えて『魔法』として独自に放つようになったようだ」
「ああ、それはまぁ、そうなんだけどよ……」
ヌーも当初の予測ではソフィの言った内容そのままが『魔力吸収の地』の進化の全貌だろうと考えていた。
しかしソフィが『四翼』の形態となった瞬間の『魔力吸収の地』は、そこから明確にもう一つ段階が変わるかのような進化を遂げていた。
それはソフィの『魔力』が増えた事による影響なのか、それとも『魔神』が『魔力吸収の地』が生み出した『揺煌三河口』の『魔法』を妨害しようとした事が影響しての進化なのか、それが分からないヌーであった。
そしてソフィもまた、自分の『魔法』の事ながら、ヌーの現状の理解度と同程度と呼べるものであり、彼自身はもう一つ踏み込んだ検証を行いたいと考えたところではあったが、それは『魔神』の今の『魔力』状態の『結界』では十分ではないと判断し、検証を一時的に断念せざるを得なくなったのである。
「まぁ、分かったことは『捉術』というこの世界特有の『魔』の『技法』だけではなく、我の知らぬ別世界の『理』を用いた『魔法』であっても『魔力吸収の地』は、我の世界の『理』へと自動的に変換を行い『発動羅列』を刻みながら『発動』を可能とするという事だな」
ソフィは当初の目的であった検証の全てを行えたわけではないが、ひとまず別世界の『理』同士を併せる事で新たな進化を遂げた『魔力吸収の地』は、知らない世界の『理』から生み出された『魔法』でさえ、問題なく扱う事が出来て、そのまま相手に同規模の攻撃を反射をするかの如く、まさに自身の配下のような行いが出来るようになったのだという事は理解したのだった。
(最後の『魔力吸収の地』が齎したあの連続で放った『魔法』は、完全にヌーの使用した別世界の『魔法』とは違う代物になっておった。あやつもその事に疑問を持っているのだろうが、これを解明するには少しばかり時間と場所を要しそうだ)
ソフィが『リラリオ』という別世界に跳ばされた事で『ユファ』から『レパート』の世界の『理』を学び、その別世界の『理』というモノを理解した彼によって、新たに二つの世界の『理』を混ざらせて『魔法』を発動させるという離れ業を行う事を可能としてみせた。
しかしその結果、大魔王ソフィですら容易には検証が行えない程の新たな『力』を彼は手にしてしまったようである。
もし、彼がこの新たな『力』を完全に掌握する日が来たならば、まさに『魔力吸収の地』は自他共に『死の結界』と呼ぶに相応しい『力』を得る事になるだろう。
――それは既存の『結界』という本来の『守りの要』という形式にとらわれない、新たな『攻撃』の手段としてソフィの助けとなるのかもしれない。
「――」(ま、任せてちょうだい!)
その燃え広がる炎が部屋に居るソフィ以外の全員を対象に襲おうと向かっていくが、その瞬間に『力の魔神』の張る『天上界』規模の『結界』が、ヌーの放った『揺煌三河口』とは似つかぬ、その『アレルバレル』の『理』に変えられたソフィの『揺煌三河口』を抑え込もうと円状に広がった後に、そのまま覆い隠して圧縮させるかの如く押し縮めようとする。
――が、しかしその瞬間に『魔力吸収の地』は、更にソフィの『四翼』形態の『魔力』に呼応するように、再び紫色の光が強まっていく。
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『――』(『揺煌三河口』)
『魔力吸収の地』は紫色に発光を繰り返しながら、まるで『力の魔神』の『結界』を強引に内側から押し上げてパンクさせようとするかの如く、炎を次々と生み出していく。
次の瞬間、コンマ数秒で再生され続けている『天上界』規模の『魔神』の『結界』が追いつかず、遂には『力の魔神』の『結界』の再生力を上回ってしまうのだった。
最早、この『揺煌三河口』は完全に『神域』程度の『魔法』ではなくなってしまう。
『力の魔神』という『魔力吸収の地』を阻害する邪魔者を消滅させてしまおうと『魔力吸収の地』は、全力で足掻き続ける。
「まさか……、お主の『結界』でも抑えられぬのか?」
「――」(全ての『魔力』を返還したわけではないけれど、それでもこの『魔法』を抑えられない程に、貴方に『魔力』を返還しすぎてしまったようね……。ごめんなさいソフィ、これはもう本来の私の『魔力』ではどうにもできないわ)
『力の魔神』の妨害を更に阻害しようとしたことで『魔力吸収の地』は、ソフィ達の世界である『アレルバレル』の『理』に置換した事により、ソフィの『魔力』に呼応して、最初のヌーの放った『揺煌三河口』とは似ても似つかぬ全く違う代物へと変貌を遂げさせてしまったようである。
そしてそれはソフィの『固有魔法』と呼べる代物となり、その絶大なる効力を世界に示そうとし始めてしまうのであった。
「ああ、もう駄目だな。これでは検証など出来ぬか、仕方あるまい……」
大魔王ソフィはそう静かに告げると、彼の『魔力吸収の地』の検証を諦めて、そのまま魔瞳の『金色の目』を用いて、あっさりと『魔力吸収の地』を消し去ってしまうのであった。
ヌーの生み出した『魔法』とは全く違う容貌へと変化を遂げた『揺煌三河口』は、ソフィが『魔力吸収の地』を消したことで、あっさりとこちらも消え去って部屋の中は何事もなかったかのように再び静寂に包まれるのであった。
「何から突っ込めばいいのか分からねぇが、俺の『揺煌三河口』とてめぇの『死の結界』が生み出した『魔法』は全く別の代物だった。だが、何処となく俺の『揺煌三河口』と似ていやがったのは、やっぱりてめぇの『死の結界』が進化した結果って事なのか?」
ヌーはもうソフィが何をしようと驚かないつもりだった。それに今回もある程度は『結界』の進化を予測立てていたのだが、その予想を大きく上回ってしまい、結局何が起きたのか見当がつかずに結局は、ソフィに訊ねる事となった。
「うむ……。どうやら新たに進化を遂げたであろう我の『魔力吸収の地』は、相手の『魔力』を奪い効力を消失させるだけではなく、その術者の『魔』を司るあらゆる技法を即座に『アレルバレル』の世界の『理』に置き換えて『魔法』として独自に放つようになったようだ」
「ああ、それはまぁ、そうなんだけどよ……」
ヌーも当初の予測ではソフィの言った内容そのままが『魔力吸収の地』の進化の全貌だろうと考えていた。
しかしソフィが『四翼』の形態となった瞬間の『魔力吸収の地』は、そこから明確にもう一つ段階が変わるかのような進化を遂げていた。
それはソフィの『魔力』が増えた事による影響なのか、それとも『魔神』が『魔力吸収の地』が生み出した『揺煌三河口』の『魔法』を妨害しようとした事が影響しての進化なのか、それが分からないヌーであった。
そしてソフィもまた、自分の『魔法』の事ながら、ヌーの現状の理解度と同程度と呼べるものであり、彼自身はもう一つ踏み込んだ検証を行いたいと考えたところではあったが、それは『魔神』の今の『魔力』状態の『結界』では十分ではないと判断し、検証を一時的に断念せざるを得なくなったのである。
「まぁ、分かったことは『捉術』というこの世界特有の『魔』の『技法』だけではなく、我の知らぬ別世界の『理』を用いた『魔法』であっても『魔力吸収の地』は、我の世界の『理』へと自動的に変換を行い『発動羅列』を刻みながら『発動』を可能とするという事だな」
ソフィは当初の目的であった検証の全てを行えたわけではないが、ひとまず別世界の『理』同士を併せる事で新たな進化を遂げた『魔力吸収の地』は、知らない世界の『理』から生み出された『魔法』でさえ、問題なく扱う事が出来て、そのまま相手に同規模の攻撃を反射をするかの如く、まさに自身の配下のような行いが出来るようになったのだという事は理解したのだった。
(最後の『魔力吸収の地』が齎したあの連続で放った『魔法』は、完全にヌーの使用した別世界の『魔法』とは違う代物になっておった。あやつもその事に疑問を持っているのだろうが、これを解明するには少しばかり時間と場所を要しそうだ)
ソフィが『リラリオ』という別世界に跳ばされた事で『ユファ』から『レパート』の世界の『理』を学び、その別世界の『理』というモノを理解した彼によって、新たに二つの世界の『理』を混ざらせて『魔法』を発動させるという離れ業を行う事を可能としてみせた。
しかしその結果、大魔王ソフィですら容易には検証が行えない程の新たな『力』を彼は手にしてしまったようである。
もし、彼がこの新たな『力』を完全に掌握する日が来たならば、まさに『魔力吸収の地』は自他共に『死の結界』と呼ぶに相応しい『力』を得る事になるだろう。
――それは既存の『結界』という本来の『守りの要』という形式にとらわれない、新たな『攻撃』の手段としてソフィの助けとなるのかもしれない。
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