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イダラマの同志編
1440.牢での再会
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ミスズは『牢』の見張りに後の事を任せた後に部屋を出たが、そこで足を止めて再び振り返るのだった。
(まさか『シゲン』総長に『反射』の『力』まで使わせるとは思いもよりませんでした。イツキ殿も妖魔ランクで表すのならば、間違いなく組長格の者達と同じくランク『8』はある事でしょう。それを今まで表に一切現さずに潜んでいたとは……。この世界はまだまだ我々にも預かり知らない事が多くあるようです。もっと気を引き締めなければなりませんね)
ミスズはそう固く決心をすると、前を向いてシゲン達の居る部屋へと歩を進めるのであった。
……
……
……
イツキが『退魔組』の者達が入れられていた『牢』の中に再び入れられた頃、ヒュウガ一派が入れられている『牢』に新たに『妖魔召士』の二名が追加で入れられていた。
その二人とは『ヒイラギ』と『クキ』に伝言を頼んだ『テツヤ』とそしてその『テツヤ』と行動を共にしていた『タケル』であった。
元々彼らは『牢』ではなく、妖魔退魔師組織が管理する建物の一部屋で『軟禁』という形で妖魔退魔師衆の見張りの中ではあるが、ある程度の行動の自由を許されていた。
何故なら彼らは『ヒュウガ』の居場所を突き止める為に必要な『駒』だったからである――。
しかしその『ヒュウガ』とその一派達が捕縛された現状では、もう彼らを自由にさせておく理由もなくなり、結局は『妖魔退魔師』の全隊士を束ねる総長の立場に居る『シゲン』を襲撃した犯人及び、この『サカダイ』の妖魔退魔師組織に対する間諜疑いのある『犯罪者』として『牢』に入れられる事になった。
更には彼らもまた『ヒュウガ一派』として関係性が認められる事になれば、更に余罪が増える事となる。そうなればもう当面は『外』に出ることは出来なくなるだろう。
そもそも『ヒュウガ』は『予備群』の屯所がある『旅籠町』の屯所襲撃事件の問題だけではなく、この妖魔退魔師組織とは別件で『妖魔召士』組織の暫定の長であった『ゲンロク』とその里に居る『妖魔召士』組織の人間達をも襲撃している者達であり、もはや『ヒュウガ一派』はこの世界で自由に動ける場所は限られてしまっている。
まさにお先真っ暗といわざるを得ないような状況なのであった。
「また新たにこの『牢』に入れられたようですが、一緒の『牢』に入れられてきたという事は貴方がたも『妖魔召士』という事でしょうか?」
目隠しや手足の拘束をされているヒュウガは、新たに入ってきた者達に対してそう問いかける。
「お、おお! その声はヒュウガ様ですね!? 私はここ『サカダイ』に潜伏しているようにと申しつけられていた『テツヤ』です!」
「再び会えてうれしい限り! 私は『タケル』でございます!」
心の底から嬉しそうに話す二人の名を聴いたヒュウガは、その聞き覚えのある声に過去を思い返して思い出そうとする。
「テツヤにタケル……? ああ、貴方達は確かに『リュウジ』と共にここで間諜を行うようにと命じていましたね。それでは『リュウジ』もここに入れられているという事でしょうか?」
「いえ、ここに捕らえられたのは私と『タケル』殿だけでして。奴らが言うにはリュウジ殿はもう……」
「何と……。確かあなた方に『サカダイ』を調べるように指示を出したのは、まだ『キネツグ』達にソフィとかいう男を追わせる前の筈でしたかね」
「え? ええ、そうです。ヒュウガ様が表立ってあの『ゲンロク』と争われたというのも『サカダイ』で情報を集めている時に知ったくらいですからね。我々がこの町に入り込んだ時はまだ『退魔組』の虚偽情報を『ゲンロク』に流して言いくるめておられた時だったかと」
「ああ、そうでしたか。では私にしても貴方がたにしても互いに情報の乖離は大きそうですね。どうせここに入れられた以上は当面は外に出させて頂けないでしょう。時間はたっぷりとあると思いますので、私や同志の皆さんが居るこの場で最初からあなた方の掴んだ情報を教えて頂けませんか?」
互いに顔が見えない為に、ヒュウガがニコリと笑っている姿は誰も見えないが、こんな状態であるのに拘らず、ヒュウガは笑みを浮かべて『テツヤ』と『タケル』にそう告げるのであった。
そしてヒュウガの話を聴いた二人の妖魔召士は『ヒュウガ』にこの『サカダイ』であった事を包み隠さずに全てを口にするのであった――。
……
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(まさか『シゲン』総長に『反射』の『力』まで使わせるとは思いもよりませんでした。イツキ殿も妖魔ランクで表すのならば、間違いなく組長格の者達と同じくランク『8』はある事でしょう。それを今まで表に一切現さずに潜んでいたとは……。この世界はまだまだ我々にも預かり知らない事が多くあるようです。もっと気を引き締めなければなりませんね)
ミスズはそう固く決心をすると、前を向いてシゲン達の居る部屋へと歩を進めるのであった。
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イツキが『退魔組』の者達が入れられていた『牢』の中に再び入れられた頃、ヒュウガ一派が入れられている『牢』に新たに『妖魔召士』の二名が追加で入れられていた。
その二人とは『ヒイラギ』と『クキ』に伝言を頼んだ『テツヤ』とそしてその『テツヤ』と行動を共にしていた『タケル』であった。
元々彼らは『牢』ではなく、妖魔退魔師組織が管理する建物の一部屋で『軟禁』という形で妖魔退魔師衆の見張りの中ではあるが、ある程度の行動の自由を許されていた。
何故なら彼らは『ヒュウガ』の居場所を突き止める為に必要な『駒』だったからである――。
しかしその『ヒュウガ』とその一派達が捕縛された現状では、もう彼らを自由にさせておく理由もなくなり、結局は『妖魔退魔師』の全隊士を束ねる総長の立場に居る『シゲン』を襲撃した犯人及び、この『サカダイ』の妖魔退魔師組織に対する間諜疑いのある『犯罪者』として『牢』に入れられる事になった。
更には彼らもまた『ヒュウガ一派』として関係性が認められる事になれば、更に余罪が増える事となる。そうなればもう当面は『外』に出ることは出来なくなるだろう。
そもそも『ヒュウガ』は『予備群』の屯所がある『旅籠町』の屯所襲撃事件の問題だけではなく、この妖魔退魔師組織とは別件で『妖魔召士』組織の暫定の長であった『ゲンロク』とその里に居る『妖魔召士』組織の人間達をも襲撃している者達であり、もはや『ヒュウガ一派』はこの世界で自由に動ける場所は限られてしまっている。
まさにお先真っ暗といわざるを得ないような状況なのであった。
「また新たにこの『牢』に入れられたようですが、一緒の『牢』に入れられてきたという事は貴方がたも『妖魔召士』という事でしょうか?」
目隠しや手足の拘束をされているヒュウガは、新たに入ってきた者達に対してそう問いかける。
「お、おお! その声はヒュウガ様ですね!? 私はここ『サカダイ』に潜伏しているようにと申しつけられていた『テツヤ』です!」
「再び会えてうれしい限り! 私は『タケル』でございます!」
心の底から嬉しそうに話す二人の名を聴いたヒュウガは、その聞き覚えのある声に過去を思い返して思い出そうとする。
「テツヤにタケル……? ああ、貴方達は確かに『リュウジ』と共にここで間諜を行うようにと命じていましたね。それでは『リュウジ』もここに入れられているという事でしょうか?」
「いえ、ここに捕らえられたのは私と『タケル』殿だけでして。奴らが言うにはリュウジ殿はもう……」
「何と……。確かあなた方に『サカダイ』を調べるように指示を出したのは、まだ『キネツグ』達にソフィとかいう男を追わせる前の筈でしたかね」
「え? ええ、そうです。ヒュウガ様が表立ってあの『ゲンロク』と争われたというのも『サカダイ』で情報を集めている時に知ったくらいですからね。我々がこの町に入り込んだ時はまだ『退魔組』の虚偽情報を『ゲンロク』に流して言いくるめておられた時だったかと」
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互いに顔が見えない為に、ヒュウガがニコリと笑っている姿は誰も見えないが、こんな状態であるのに拘らず、ヒュウガは笑みを浮かべて『テツヤ』と『タケル』にそう告げるのであった。
そしてヒュウガの話を聴いた二人の妖魔召士は『ヒュウガ』にこの『サカダイ』であった事を包み隠さずに全てを口にするのであった――。
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