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サカダイ編
1417.総長シゲンのソフィの強さに対する興味
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「お主が『金色の体現者』だという事を確かめる為にここへ呼んだのは確かだが、それを踏まえてそんなお主と戦ったという『ソフィ』殿の事を詳しく聞きたかったのだ」
つまり妖魔退魔師総長であるシゲンは、今後『妖魔山』という恐ろしい妖魔達が蔓延っている場所へ同行する事になった『ソフィ』という男の力量を今一度確かめたかったのだろう。
その為にこの場に直接手を合わせた『イツキ』を呼んだようであった。
すでにこの『サカダイ』で副総長のミスズとソフィが手を合わせたというが、実際に殺し合いを果たしたというわけではなく、あくまで手合わせの試合に近いものであった。
確かにある程度の力量を測るためであれば、それで十分に強さを理解出来るだろうが、これから向かう『妖魔山』という場所は、そんな中途半端な情報だけで共に行動をするには危険すぎる場所なのである。
あの妖魔ランク『8』に到達している可能性のあった『王連』や『黄雀』でさえ『妖魔山』では『禁止区域』の存在ではなく、単なる山の中腹付近で普通に生活をしている妖魔達なのである。
では、これから向かう『禁止区域』内では、一体どのような妖魔達が居るのか。過去の妖魔召士や妖魔退魔師達が『禁止区域』と定めた場所に居る『禁止区域』内の妖魔達の強さが、ある程度想像がつくというモノだろう。
そんな場所へ向かうというのに、仲間として行動を共にしなければならない者達の強さを理解できていなければ、何かあった時に取れる選択肢が狭まってしまうのである。
『妖魔退魔師』の総長『シゲン』は、そこで『金色の体現者』であり、その同行を共にする筈の『ソフィ』殿と直接戦ったイツキが捕縛されたと聞いて、これ幸いとばかりにこの場所へ呼んで、彼を試金石に『ソフィ』という男の強さを知ろうとしたのであった。
「なんだアンタもあの『ソフィ』殿の強さを知る者だったのかよ……。というかそもそもアンタとソフィ殿はどういう関係何だよ。奴は妖魔退魔師ってわけじゃないんだろ?」
「ソフィ殿やヌー殿達はうちの組織の客人だった者達だ。色々あったが今度『妖魔山』の調査を共にする仲間となったが故に、その本当の力量を確かめたいというのが本音なのだ。ソフィ殿と戦ったお主から直接ソフィ殿の印象を含めた戦闘の感想を教えてもらいたい」
「成程。そういう事だったのか」
何か自分の中で得心したようでイツキは頷いた。
「まず最初に言っておくが、俺はアンタが得たい情報を持っていないぞ。情けない話だが、俺はソフィ殿に対して何も出来ずに、あっさりやられたからな」
イツキの言葉にシゲンはガッカリするどころか、逆にこれまでよりも目を輝かせ始めた。どうやら『イツキ』の口にした言葉に深く関心を持ったようだった。
「何だよその童心に満ちた目は? 言っただろう? 俺はソフィ殿の『技』の一つも出させずにあっという間に……。そう、あっという間にやられちまって、何も知らないんだよ……」
自分がやられた事を自分の口で説明した事で、彼自身にもソフィと戦った時の実感が改めて湧いてきてしまったのだろう。
溜息を吐きたくなるイツキであった。
「いや、とても有益な情報を得させてもらった。一つ確認をしておきたいのだが、お主がソフィ殿と戦った時は先程の『瑠璃』と『金色』のオーラを併用させていたのだろう?」
「あ? ああ、それは間違いない。ソフィ殿が圧倒的に強くなる前の状態から、俺は『青色』の『力』と『金色』の『力』は使っていたからな」
「最初から歯が立たなかったのではなく、途中からソフィ殿の強さが増したのか? 思い出させるのも酷ではあるが、こちらも『妖魔山』の調査がかかっている。出来れば戦闘の最初から起きた出来事を全て説明してもらいたい。どうやらお主の情報はこれまでの全ての情報よりも有益だと判断した。しっかりとその話を聞かせてもらえたならば、お主を私の権限を以て解放して自由の身にしてやってもいいぞ? それどころか今後お主がある程度『自由』になれるように取り計らってやってもいい。お主は『旅籠町』を悩ませていた『煌鴟梟』の件では、全くとい言っていいほど無関係のようであるしな。さて、どうする?」
――イツキはそのシゲンの言葉を聴いて、目を丸くして驚いた。
(なっ……!? ほ、本気で言っていやがるのか? 今回の旅籠町で生じていた『煌鴟梟』の一件には、直接関係がなかったとはいっても俺は『煌鴟梟』を創設して運営していた者だぞ!? そ、それに『ヒュウガ』殿の件では間違いなく俺は『退魔組』の頭領補佐として関与していた。そ、その俺を自由の身にするだって? それも『妖魔退魔師』組織の総長自らが、今後の俺の自由について取り計らってくれるっていうのかよ! し、信じられねぇ話だが、コイツの目に嘘の色は浮かんでいねぇ。誤魔化そうとしていたり、騙そうとしている連中がする目じゃねぇ……。それだけ『ソフィ』殿の情報が重要だって事か!)
どうやら『ソフィ』と直に手を合わせてこの場に立っている自分は、相当に稀有で有益な情報を持つ存在なのだと自覚したイツキであった。
つまり妖魔退魔師総長であるシゲンは、今後『妖魔山』という恐ろしい妖魔達が蔓延っている場所へ同行する事になった『ソフィ』という男の力量を今一度確かめたかったのだろう。
その為にこの場に直接手を合わせた『イツキ』を呼んだようであった。
すでにこの『サカダイ』で副総長のミスズとソフィが手を合わせたというが、実際に殺し合いを果たしたというわけではなく、あくまで手合わせの試合に近いものであった。
確かにある程度の力量を測るためであれば、それで十分に強さを理解出来るだろうが、これから向かう『妖魔山』という場所は、そんな中途半端な情報だけで共に行動をするには危険すぎる場所なのである。
あの妖魔ランク『8』に到達している可能性のあった『王連』や『黄雀』でさえ『妖魔山』では『禁止区域』の存在ではなく、単なる山の中腹付近で普通に生活をしている妖魔達なのである。
では、これから向かう『禁止区域』内では、一体どのような妖魔達が居るのか。過去の妖魔召士や妖魔退魔師達が『禁止区域』と定めた場所に居る『禁止区域』内の妖魔達の強さが、ある程度想像がつくというモノだろう。
そんな場所へ向かうというのに、仲間として行動を共にしなければならない者達の強さを理解できていなければ、何かあった時に取れる選択肢が狭まってしまうのである。
『妖魔退魔師』の総長『シゲン』は、そこで『金色の体現者』であり、その同行を共にする筈の『ソフィ』殿と直接戦ったイツキが捕縛されたと聞いて、これ幸いとばかりにこの場所へ呼んで、彼を試金石に『ソフィ』という男の強さを知ろうとしたのであった。
「なんだアンタもあの『ソフィ』殿の強さを知る者だったのかよ……。というかそもそもアンタとソフィ殿はどういう関係何だよ。奴は妖魔退魔師ってわけじゃないんだろ?」
「ソフィ殿やヌー殿達はうちの組織の客人だった者達だ。色々あったが今度『妖魔山』の調査を共にする仲間となったが故に、その本当の力量を確かめたいというのが本音なのだ。ソフィ殿と戦ったお主から直接ソフィ殿の印象を含めた戦闘の感想を教えてもらいたい」
「成程。そういう事だったのか」
何か自分の中で得心したようでイツキは頷いた。
「まず最初に言っておくが、俺はアンタが得たい情報を持っていないぞ。情けない話だが、俺はソフィ殿に対して何も出来ずに、あっさりやられたからな」
イツキの言葉にシゲンはガッカリするどころか、逆にこれまでよりも目を輝かせ始めた。どうやら『イツキ』の口にした言葉に深く関心を持ったようだった。
「何だよその童心に満ちた目は? 言っただろう? 俺はソフィ殿の『技』の一つも出させずにあっという間に……。そう、あっという間にやられちまって、何も知らないんだよ……」
自分がやられた事を自分の口で説明した事で、彼自身にもソフィと戦った時の実感が改めて湧いてきてしまったのだろう。
溜息を吐きたくなるイツキであった。
「いや、とても有益な情報を得させてもらった。一つ確認をしておきたいのだが、お主がソフィ殿と戦った時は先程の『瑠璃』と『金色』のオーラを併用させていたのだろう?」
「あ? ああ、それは間違いない。ソフィ殿が圧倒的に強くなる前の状態から、俺は『青色』の『力』と『金色』の『力』は使っていたからな」
「最初から歯が立たなかったのではなく、途中からソフィ殿の強さが増したのか? 思い出させるのも酷ではあるが、こちらも『妖魔山』の調査がかかっている。出来れば戦闘の最初から起きた出来事を全て説明してもらいたい。どうやらお主の情報はこれまでの全ての情報よりも有益だと判断した。しっかりとその話を聞かせてもらえたならば、お主を私の権限を以て解放して自由の身にしてやってもいいぞ? それどころか今後お主がある程度『自由』になれるように取り計らってやってもいい。お主は『旅籠町』を悩ませていた『煌鴟梟』の件では、全くとい言っていいほど無関係のようであるしな。さて、どうする?」
――イツキはそのシゲンの言葉を聴いて、目を丸くして驚いた。
(なっ……!? ほ、本気で言っていやがるのか? 今回の旅籠町で生じていた『煌鴟梟』の一件には、直接関係がなかったとはいっても俺は『煌鴟梟』を創設して運営していた者だぞ!? そ、それに『ヒュウガ』殿の件では間違いなく俺は『退魔組』の頭領補佐として関与していた。そ、その俺を自由の身にするだって? それも『妖魔退魔師』組織の総長自らが、今後の俺の自由について取り計らってくれるっていうのかよ! し、信じられねぇ話だが、コイツの目に嘘の色は浮かんでいねぇ。誤魔化そうとしていたり、騙そうとしている連中がする目じゃねぇ……。それだけ『ソフィ』殿の情報が重要だって事か!)
どうやら『ソフィ』と直に手を合わせてこの場に立っている自分は、相当に稀有で有益な情報を持つ存在なのだと自覚したイツキであった。
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