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サカダイ編
1368.当然の結論
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スオウ達の居る場所からそう遠くない場所で再び『ジンゼン』が『王連』を使役すると、後ろに居た『退魔組』の『特別退魔士』達は一様に緊張の面持ちを浮かべ始めるのだった。
どうやら『王連』程の高ランクの妖魔は彼ら『退魔組』に属する退魔士達では、中々お目に掛かれない程の妖魔であり、そんな『王連』が目の前で姿を見せたのだから多少の緊張は仕方がない事だったのかもしれない。
使役された『王連』は自分を見て何やら感動している白い狩衣を着ている『特別退魔士』を一瞥すると、直ぐに視線を『ジンゼン』に移して口を開くのだった。
「カッカッカ! どうやら短い別れだったようだな主よ。こんな短期間で儂を使役しても平気なのか?」
どうやら『王連』は『ジンゼン』の魔力の限界をある程度把握をしているようで、どうやら分かっていながら嫌味を口にするのだった。
「馬鹿を言うなよ『王連』。ヒュウガ様の命令でもなければ、こんなに連続でお前みたいな消耗の激しい『妖魔』を使役してたまるか」
「ああ……。どうやら主よ、また『妖魔退魔師』絡みで儂を呼んだのだな?」
溜息を吐きながらそう告げる『王連』は、どうやらジンゼンとの会話の間にもこの近くまで来ている『スオウ』達『妖魔退魔師』の『魔力』を感知したのだろう。
流石に『王連』は『妖魔山』に生息する高ランクの妖魔なだけあって、ジンゼン達のような『妖魔召士』と同じように相手の『魔力』からある程度の居場所を突き止められるのであった。
「その通りだ『王連』。今度もまた『組長格』の妖魔退魔師の相手をしてもらう事になるが、今度の相手は三人だけだからな。私や背後に居る者達もお主と協力して奴らと戦おう」
ジンゼンが喋っている最中までは、しっかりと『王連』は視線をジンゼンに向けていたが、背後に居る連中も共に戦わせると口にした辺りから視線を『感知している相手』に向け直して何やら迷い始めるのだった。
「ここに向かって近づいてきている『妖魔退魔師』の連中だが、お主の言う『組長格』の妖魔退魔師以外の者達も相当に強い。下手に背後の連中が手が出せば、総崩れになる可能性がある。儂としてはお主を含めてここは戦闘に参加せずにここで待機をしておいてもらい、儂だけで戦闘に赴いた方がよいのだがな」
それは暗に『王連』にとっては『ジンゼン』を含めても『妖魔退魔師』相手では足手まといにしかならないと告げているようなモノであった。
「やはりお主の目から見ても私では『スオウ』殿達『組長格』の相手はきついか?」
「お主であればその『スオウ』とやらの『組長格』以外の連中とは、ある程度は戦えるとは思うが、背後の連中を庇いながら戦うのであれば、他二人の相手も確実に勝てるとは言い難いだろうな。そもそも今のお主の『魔力』では儂を『使役』し続けるのが精一杯で、大掛かりの攻撃は出来ぬであろう? よくて動きを数秒程止められるくらいの『術』を使用出来るのが関の山だと思うが、それを踏まえた上で戦闘に参加するのか?」
「確かに悔しいがお前の言う通りだ。しかし先程も言ったがこちらも『ヒュウガ』様の命令なのだ。ここでお主だけを戦わせて万が一にもお主が負けるような事があれば、結局は我々は終わりだ。それならば少しでもお前に協力して戦って死ぬ方がマシだろう」
「はぁ……。やれやれだな」
溜息を吐きながら諦観するように言葉を出した王連だが、その王連の見せた表情はこれまでにジンゼンが見た事のない『王連』の本当に困った表情だった。
「こうなる事は早い段階から予想が出来ただろうに、何故『妖魔退魔師』達と戦争をする事を選んだのだ全く……」
(まさにその通りだ……。旅籠町の予備群の屯所を襲撃すれば遅かれ早かれ『妖魔退魔師』と全面戦争になる事は容易に理解が出来た筈だ。ヒュウガ様の本当の狙いが分からぬ私では、この王連の今の言葉こそが正しく思えてしまう)
――王連の言葉を聴いた『ジンゼン』だが、心の中では彼も『王連』の言葉に同意せざるを得なかった。
どうやら『王連』程の高ランクの妖魔は彼ら『退魔組』に属する退魔士達では、中々お目に掛かれない程の妖魔であり、そんな『王連』が目の前で姿を見せたのだから多少の緊張は仕方がない事だったのかもしれない。
使役された『王連』は自分を見て何やら感動している白い狩衣を着ている『特別退魔士』を一瞥すると、直ぐに視線を『ジンゼン』に移して口を開くのだった。
「カッカッカ! どうやら短い別れだったようだな主よ。こんな短期間で儂を使役しても平気なのか?」
どうやら『王連』は『ジンゼン』の魔力の限界をある程度把握をしているようで、どうやら分かっていながら嫌味を口にするのだった。
「馬鹿を言うなよ『王連』。ヒュウガ様の命令でもなければ、こんなに連続でお前みたいな消耗の激しい『妖魔』を使役してたまるか」
「ああ……。どうやら主よ、また『妖魔退魔師』絡みで儂を呼んだのだな?」
溜息を吐きながらそう告げる『王連』は、どうやらジンゼンとの会話の間にもこの近くまで来ている『スオウ』達『妖魔退魔師』の『魔力』を感知したのだろう。
流石に『王連』は『妖魔山』に生息する高ランクの妖魔なだけあって、ジンゼン達のような『妖魔召士』と同じように相手の『魔力』からある程度の居場所を突き止められるのであった。
「その通りだ『王連』。今度もまた『組長格』の妖魔退魔師の相手をしてもらう事になるが、今度の相手は三人だけだからな。私や背後に居る者達もお主と協力して奴らと戦おう」
ジンゼンが喋っている最中までは、しっかりと『王連』は視線をジンゼンに向けていたが、背後に居る連中も共に戦わせると口にした辺りから視線を『感知している相手』に向け直して何やら迷い始めるのだった。
「ここに向かって近づいてきている『妖魔退魔師』の連中だが、お主の言う『組長格』の妖魔退魔師以外の者達も相当に強い。下手に背後の連中が手が出せば、総崩れになる可能性がある。儂としてはお主を含めてここは戦闘に参加せずにここで待機をしておいてもらい、儂だけで戦闘に赴いた方がよいのだがな」
それは暗に『王連』にとっては『ジンゼン』を含めても『妖魔退魔師』相手では足手まといにしかならないと告げているようなモノであった。
「やはりお主の目から見ても私では『スオウ』殿達『組長格』の相手はきついか?」
「お主であればその『スオウ』とやらの『組長格』以外の連中とは、ある程度は戦えるとは思うが、背後の連中を庇いながら戦うのであれば、他二人の相手も確実に勝てるとは言い難いだろうな。そもそも今のお主の『魔力』では儂を『使役』し続けるのが精一杯で、大掛かりの攻撃は出来ぬであろう? よくて動きを数秒程止められるくらいの『術』を使用出来るのが関の山だと思うが、それを踏まえた上で戦闘に参加するのか?」
「確かに悔しいがお前の言う通りだ。しかし先程も言ったがこちらも『ヒュウガ』様の命令なのだ。ここでお主だけを戦わせて万が一にもお主が負けるような事があれば、結局は我々は終わりだ。それならば少しでもお前に協力して戦って死ぬ方がマシだろう」
「はぁ……。やれやれだな」
溜息を吐きながら諦観するように言葉を出した王連だが、その王連の見せた表情はこれまでにジンゼンが見た事のない『王連』の本当に困った表情だった。
「こうなる事は早い段階から予想が出来ただろうに、何故『妖魔退魔師』達と戦争をする事を選んだのだ全く……」
(まさにその通りだ……。旅籠町の予備群の屯所を襲撃すれば遅かれ早かれ『妖魔退魔師』と全面戦争になる事は容易に理解が出来た筈だ。ヒュウガ様の本当の狙いが分からぬ私では、この王連の今の言葉こそが正しく思えてしまう)
――王連の言葉を聴いた『ジンゼン』だが、心の中では彼も『王連』の言葉に同意せざるを得なかった。
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