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サカダイ編
1322.ソフィの直感とイツキに対する期待感
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「有意義になるかどうかはお主次第だが、そこまでの強さを身につけておるお主ならば、今の我の強さはある程度理解が出来るだろう? お主が他者から教わりその領域に達したのか、それとも独自の研鑽でその姿にまで至ったのか。戦えば少しは互いのことが理解が出来るだろう」
ソフィは『イツキ』の『オーラ』を纏った姿を見て、直ぐに戦ってみたいと思わされた。
この世界では強者と思えた者は数多く居たが、ソフィが直感でその気になったのは『ナギリ』に続いて『イツキ』が二人目であった。
当然『ナギリ』より『ミスズ』の方が強いという事を理解しているソフィなのだが、何故か『ミスズ』より『ナギリ』と戦いたいと思わされた。
そして今回目の前に居る『イツキ』を見たソフィは、その『ナギリ』と戦いたいという気持ちを大きく上回ったのであった――。
「……」
「どうだろう。我と戦ってみないか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ『ソフィ』殿。そのような勝手なことを言ってもらっては困るぞ! そいつは私達『妖魔退魔師』が追っていた『退魔組』の者達だ。それに私の組の隊士達が直接手を出されて意識を失わされたんだ。私としても黙ってられない!」
ソフィとイツキの会話を割り込む形で背後に居たヒノエが口を挟んでくるのだった。
「しかしヒノエ殿。この者達がお主の部下に手を出したことについては、自分の身を守るためには仕方がなかったと思うが? 我はこやつがお主ら『妖魔退魔師』と自分から戦おうとは思ってはおらぬように感じられる。あの『ヒュウガ』とやらの一派とは関係が薄いと思うぞ」
「は、はぁ……? な、何を根拠にアンタはそんな事を言っているんだ?」
「こやつの目を見ていれば分かることだ。他の者達はどうかは知らぬが、こやつは『ヒュウガ』とやらがどうなろうとも、心底どうでもいいと思っている目だ」
「あ、あんたが何を言っているのか本当に分からねぇ……!」
ヒノエはここにきて『ソフィ』を理解出来ない存在と認めるのだった。
「くっ……! くくっ! 何だコイツ面白れぇ! おいユウゲ、コイツのことは知っているのか?」
ヒノエとの会話を聴いていたイツキは、どうやらソフィを相当に気に入った様子であった。
「い、いや、私は存じ上げませんが、どうやら『妖魔退魔師』や『予備群』という様子でもないように思えます」
ユウゲがソフィのことを何も知らないのは当然であるために、包み隠さず本音をイツキに告げるのであった。
しかしそこでこれまで黙っていた『ミヤジ』がイツキに口を開いた。
「イツキ様、こいつは『煌鴟梟』のアジトに乗り込んで来た『予備群』達と一緒に居た奴ですよ! 俺はトウジ様やサノスケと一緒にこいつが実際に乗り込んでくるところを見ました! こいつらの所為で俺達は捕縛されたんですよ!」
「ほう? それは本当のことか?」
トウジという『煌鴟梟』の二代目のボスが、ソフィ達のせいで捕縛されたと聞かされたイツキは、笑っていた表情を戻すと射貫くような視線に変えてソフィを睨みつけながら尋ねてくる。
――どうやら彼もまたソフィと同じように、大切な仲間に手を出されると怒る性質なのだろう。
「結果的にそうなったのは本当のことだな。しかし元はと言えば『煌鴟梟』という組織の者達が、我の仲間を拉致しようと手を出してことから始まった事だ。悪い事を行おうとして捕まったのだから、当然の報いなのではないかな?」
実際にはソフィではなく彼の言う通りに同行者である『ヌー』が大事にしている死神の『テア』に手を掛けようとしたことが全ての始まりであり、ソフィ自身は何も手を出してはいないが、イツキをその気にさせようと煽るように言葉巧みに話を少しずつ徐々にではあるが、戦う方向へと筋道を立て始めていくのであった。
「ははっ……! そうかそうか、よし分かった。お前を『トウジ』や『ミヤジ』に代わって俺がボコボコにしてやるよ」
イツキがそう言った瞬間に、ソフィの口角が吊り上がって期待に満ちた目を浮かべ始めるのであった。
ソフィは『イツキ』の『オーラ』を纏った姿を見て、直ぐに戦ってみたいと思わされた。
この世界では強者と思えた者は数多く居たが、ソフィが直感でその気になったのは『ナギリ』に続いて『イツキ』が二人目であった。
当然『ナギリ』より『ミスズ』の方が強いという事を理解しているソフィなのだが、何故か『ミスズ』より『ナギリ』と戦いたいと思わされた。
そして今回目の前に居る『イツキ』を見たソフィは、その『ナギリ』と戦いたいという気持ちを大きく上回ったのであった――。
「……」
「どうだろう。我と戦ってみないか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ『ソフィ』殿。そのような勝手なことを言ってもらっては困るぞ! そいつは私達『妖魔退魔師』が追っていた『退魔組』の者達だ。それに私の組の隊士達が直接手を出されて意識を失わされたんだ。私としても黙ってられない!」
ソフィとイツキの会話を割り込む形で背後に居たヒノエが口を挟んでくるのだった。
「しかしヒノエ殿。この者達がお主の部下に手を出したことについては、自分の身を守るためには仕方がなかったと思うが? 我はこやつがお主ら『妖魔退魔師』と自分から戦おうとは思ってはおらぬように感じられる。あの『ヒュウガ』とやらの一派とは関係が薄いと思うぞ」
「は、はぁ……? な、何を根拠にアンタはそんな事を言っているんだ?」
「こやつの目を見ていれば分かることだ。他の者達はどうかは知らぬが、こやつは『ヒュウガ』とやらがどうなろうとも、心底どうでもいいと思っている目だ」
「あ、あんたが何を言っているのか本当に分からねぇ……!」
ヒノエはここにきて『ソフィ』を理解出来ない存在と認めるのだった。
「くっ……! くくっ! 何だコイツ面白れぇ! おいユウゲ、コイツのことは知っているのか?」
ヒノエとの会話を聴いていたイツキは、どうやらソフィを相当に気に入った様子であった。
「い、いや、私は存じ上げませんが、どうやら『妖魔退魔師』や『予備群』という様子でもないように思えます」
ユウゲがソフィのことを何も知らないのは当然であるために、包み隠さず本音をイツキに告げるのであった。
しかしそこでこれまで黙っていた『ミヤジ』がイツキに口を開いた。
「イツキ様、こいつは『煌鴟梟』のアジトに乗り込んで来た『予備群』達と一緒に居た奴ですよ! 俺はトウジ様やサノスケと一緒にこいつが実際に乗り込んでくるところを見ました! こいつらの所為で俺達は捕縛されたんですよ!」
「ほう? それは本当のことか?」
トウジという『煌鴟梟』の二代目のボスが、ソフィ達のせいで捕縛されたと聞かされたイツキは、笑っていた表情を戻すと射貫くような視線に変えてソフィを睨みつけながら尋ねてくる。
――どうやら彼もまたソフィと同じように、大切な仲間に手を出されると怒る性質なのだろう。
「結果的にそうなったのは本当のことだな。しかし元はと言えば『煌鴟梟』という組織の者達が、我の仲間を拉致しようと手を出してことから始まった事だ。悪い事を行おうとして捕まったのだから、当然の報いなのではないかな?」
実際にはソフィではなく彼の言う通りに同行者である『ヌー』が大事にしている死神の『テア』に手を掛けようとしたことが全ての始まりであり、ソフィ自身は何も手を出してはいないが、イツキをその気にさせようと煽るように言葉巧みに話を少しずつ徐々にではあるが、戦う方向へと筋道を立て始めていくのであった。
「ははっ……! そうかそうか、よし分かった。お前を『トウジ』や『ミヤジ』に代わって俺がボコボコにしてやるよ」
イツキがそう言った瞬間に、ソフィの口角が吊り上がって期待に満ちた目を浮かべ始めるのであった。
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