1,299 / 1,985
サカダイ編
1282.何も持たない彼女が、何でも持っている理由
しおりを挟む
ヒサトは先程空の上で行ったキョウカ組長の想像を絶する一連の流れに、身の毛がよだつ思いを感じていた。
(キョウカ組長は初見となる天狗の竜巻の攻撃を受けていたというのに、全く慌てる素振りもなく冷静に相手の距離と更なる攻撃に備えての予測行動を取っていた。そして間合いをきっちりと測りながら、天狗の持つあの面妖な団扇から放たれる一撃に合わせて、相手の風の勢いと支点となっている自らの態勢から行える攻撃の予測と、どれだけの威力を持たせる事が出来るかの判断。残念ながら相手の攻撃に合わせて放たれた組長の衝撃波は狙って躱されたかまでは存ぜぬが、あの王連とかいう天狗には当てることは叶わなかった。それでもあの王連に『空の上の優位』というモノが、キョウカ組長には関係がないという事を思わせられたであろう……)
あそこで『後の先』としての技法である、キョウカ組長の衝撃波が当たっていれば、それこそ一番良かったのであろうがしかし、当たらなくともそれに匹敵する程の収穫になったのは間違いないだろう。
あの王連という天狗はヒサトと戦っている時に、自らの口で『人間は空の上では自由には動けない』と敵である妖魔退魔師に対して告げる程に強調して伝えていた。
それはつまり裏を返せば『空の上』というアドバンテージを妖魔退魔師という人間と戦う上で、如何に大事に思っているか。その大きさが天狗の王連から見て取れる。
そしてそうである以上はもうキョウカ組長に対して、人間にとっては非常に不利な筈の『空の上』という優位性は失ってしまい、これからはランク通りの妖魔と、その妖魔を討伐する妖魔退魔師というこれまでの構図がそっくりそのままとなる戦闘と移行していくことになるであろう。
つまりは単なる妖魔ランク『7』の天狗と、かつては副総長ミスズに匹敵すると言われていた剣豪『キョウカ』との真っ向からのぶつかり合いの構図となるのである。
そしてあれ程の空の上での攻防があった後だというのに、全く疲れている素振りを見せずにキョウカはゆっくりと歩き始めたかと思うと、先程空から態勢を保つ為に投げた自分の愛刀を拾うのだった。
妖魔退魔師組織に三人しか居ない最高幹部だが、この『三組組長』のキョウカは『一組組長』のヒノエのような瞬間的な爆発力から出せる攻撃力や『二組組長』のスオウのような天性的ともいえる才能があったわけでも、回避能力や危機察知能力に長けているわけでもない。
――謂わば、特別優れたモノを持たない一般人であった。
ただ、生まれてから妖魔退魔師組織に入隊するまでの期間。自分で作り定めてきた研鑽を自直に厳守し続けて刀を握り振り続けてきた結果、彼女は妖魔退魔師の中でも強いと評される程になった『努力の人間』であった。
もちろんそれは才能があったから出来たことだと、彼女のことをよく知りもしない人間であれば揶揄する者も居るかもしれないが、彼女に才能があるとしたら、それは『他人の観察』を飽きもせずに愚直に何時間でも行い続けられることであろうか。
当然キョウカは他の者達が行っているような、そんな剣の修行も人より多くやっていると言えるだけの修行も行ってはきているが、それ以上に彼女がやってきた事は、自分より優れている者に強い者、そして自分より弱い者や、自分と同じくらいの強さの者といったあらゆる人間達を分け隔てなく『人間観察』を行ってきていたのであった。
強い者が行っている研鑽のやり方に方法。身に付く効率の良さを吸収し盗む。そして自分と同じくらいの強さの相手からは、まさにその時の自分とカッチリと比較してみて、同じくらいの強さである相手とどこか一つでも違いがないかを見極める。
更に自分より弱い人間に対しては、どういった修行をして、何故自分と違う動きを行っているのか、そして自分の行う研鑽に比べて効率の悪いその研鑽方法で得られる成果と、自分の得て来た効率からの成果との差を『経験』と照らし合わせながら『理解』を最後まで行う。
――キョウカにとって他者の価値というものを考えた場合、戦闘の上で強い者も弱い者も違いはない。
それら全てが等しく紛う事無く、自分を磨き上げてくれる『至上の素材』なのである。
何も持っていない者が、何でも持っている相手に勝てる筈がない――。
――かつて、この考え方と全く同じ『思索』を行う大魔王が居た。
それは大魔王『フルーフ』という『レパート』の世界の支配者である。
彼は拾い子である『レア』と出会った時に、この考えを一つの教えとしてレアに授けた。
その時にはレアにはまだ難しいことを伝えてもその半分も理解が及ばないであろうということを考慮して、捨てられたことで他人を簡単には信用出来ない様子であったレアに対して、直ぐに彼女が理解が及ぶように『野心』と『野望』を持てと伝えた。
結果としてレアはフルーフの教えで救われて今日に至っている――。
全てが上手く行く保証などは当然の如くあるわけではないが、何も持っていないと自分を蔑む暇があるのならば、何か一つでも自分を納得させられるモノを探す事が大事なのである。
別に大したモノや立派な目標を掲げろと言っているわけではない。誰もが簡単に抱けるような、単純なもので構わないのである。元々何も持っていないのであるならば、そんな小さなものであってもないよりはマシである。
そしてそんなないよりはマシなものが一つ出来ただけで、自分の『興味』という潜在的に生まれ持った『感情』が、その今抱いたたった一つの代物に向けられることになるのである。
こんな素晴らしい事があるだろうか? ただこれまで持ったことのないモノへ『興味』を向けるだけで、これまで考えたことのないモノに対して思考をすることが出来るのである。
――キョウカという女性には最初は本当に何もなかった。
しかし人を観察することを始めてから少しずつ少しずつ強くなっていた。他人の観察で得た知識を完全に自分のモノにしたと判断するまでは、ひたすら同じ研鑽を反復し続けて完全に出来るようになったならば、また違う何かを観察して更に出来るようになるまで延々と繰り返す。
何時間、何十時間、何日、何か月、何年。ひたすら同じことを延々と繰り返してきた彼女は、気が付けば妖魔退魔師の組織に身を置く事となり、やがて彼女は妖魔退魔師の最高幹部という今の地位についている。
先程、天狗の『王連』が放った初めてみる技で空へ巻き上げられたキョウカだが、空の上に浮かされて本来ならば、突然の身動きの出来ない空の上で四苦八苦して焦る素振りをみせる局面であっても、彼女は微動だにせずにその現実を受け入れて、結果的に事なきを得て地上へ戻ってこれた。
しかし何故彼女が、空の上で普通通りの心持ちで戦えたのか。
――単純明快。その答えは彼女が『空の上』で戦うことに慣れているからである。
彼女は人間観察を趣味としているが、当然その趣味は当時の同じ妖魔退魔師の幹部であった『ミスズ』に対しても幾度となく行っていた。
多くの妖魔退魔師が苦手とする『鳥類』の妖魔と戦うこともミスズは平気で行う為に、自分には持っていないスキルを少しでも盗んで得たいと考えたキョウカは、何度も彼女の任務に同行を願い出て、何度も彼女が『翼』を持つ鳥類系の妖魔と戦うところを観察し続けてきた。
今回のように王連が羽団扇を使って『風』を出すように、翼を持つ妖魔が自身の翼を羽搏かせて『風』を巻き起こして空へ巻き上げる高ランクの妖魔も居れば、鋭利な爪を用いて想像を絶する速度で空から一方的に攻撃を仕掛けてくるような妖魔など、あらゆる攻撃性をもった『鳥類』の妖魔との戦い方を知識として、キョウカはミスズから盗んできたのである。
そして当然に知識として得ただけで済ますわけもなく、今度は自分の任務上でも『鳥類』の妖魔と戦う時には、自分の持ち得る『技』で余裕で勝てる相手であっても、わざと相手の攻撃に合わせて戦いながら、ミスズと全く同じ動きが出来るようになるまで何度も何度も、同じ相手や違う相手に対しても行い続けて完全に会得するまでキョウカは研鑽を続けてきた。
単に興味を持った『モノ』を興味があった『モノ』にするのではなく、完全にその『モノ』に対して『興味』がなくなるまで、ひたすらに付き合うのが『キョウカ』である。
キョウカがミスズの任務に全く同行しなくなる頃には、もう『鳥類』の如何なる敵が出てきたとしても完全に、ミスズと同じ対策や同じ戦術を頭で理解が出来て、身体で対処を行えると判断する事が出来ていた。
つまりそんな『鳥類』と同じような攻撃手法で、人間であるキョウカを普段通りに戦えない状況下にしようとする『天狗』に初見となる攻撃で空の上へと巻き上げられたところで、キョウカにはその完璧な対処法というモノが頭の中に入っていて、更には空の上で戦うこと自体にも慣れ過ぎていて地上と戦う時と全く心持ちは変わらなかったのであった。
そして刀を拾ったキョウカは、空からゆっくりと下りて来る天狗に視線を送る。どうやら『王連』は空の上で戦う事に何のメリットもないと感じたのか、地上へ降りて戦おうとするのであった。
……
……
……
(キョウカ組長は初見となる天狗の竜巻の攻撃を受けていたというのに、全く慌てる素振りもなく冷静に相手の距離と更なる攻撃に備えての予測行動を取っていた。そして間合いをきっちりと測りながら、天狗の持つあの面妖な団扇から放たれる一撃に合わせて、相手の風の勢いと支点となっている自らの態勢から行える攻撃の予測と、どれだけの威力を持たせる事が出来るかの判断。残念ながら相手の攻撃に合わせて放たれた組長の衝撃波は狙って躱されたかまでは存ぜぬが、あの王連とかいう天狗には当てることは叶わなかった。それでもあの王連に『空の上の優位』というモノが、キョウカ組長には関係がないという事を思わせられたであろう……)
あそこで『後の先』としての技法である、キョウカ組長の衝撃波が当たっていれば、それこそ一番良かったのであろうがしかし、当たらなくともそれに匹敵する程の収穫になったのは間違いないだろう。
あの王連という天狗はヒサトと戦っている時に、自らの口で『人間は空の上では自由には動けない』と敵である妖魔退魔師に対して告げる程に強調して伝えていた。
それはつまり裏を返せば『空の上』というアドバンテージを妖魔退魔師という人間と戦う上で、如何に大事に思っているか。その大きさが天狗の王連から見て取れる。
そしてそうである以上はもうキョウカ組長に対して、人間にとっては非常に不利な筈の『空の上』という優位性は失ってしまい、これからはランク通りの妖魔と、その妖魔を討伐する妖魔退魔師というこれまでの構図がそっくりそのままとなる戦闘と移行していくことになるであろう。
つまりは単なる妖魔ランク『7』の天狗と、かつては副総長ミスズに匹敵すると言われていた剣豪『キョウカ』との真っ向からのぶつかり合いの構図となるのである。
そしてあれ程の空の上での攻防があった後だというのに、全く疲れている素振りを見せずにキョウカはゆっくりと歩き始めたかと思うと、先程空から態勢を保つ為に投げた自分の愛刀を拾うのだった。
妖魔退魔師組織に三人しか居ない最高幹部だが、この『三組組長』のキョウカは『一組組長』のヒノエのような瞬間的な爆発力から出せる攻撃力や『二組組長』のスオウのような天性的ともいえる才能があったわけでも、回避能力や危機察知能力に長けているわけでもない。
――謂わば、特別優れたモノを持たない一般人であった。
ただ、生まれてから妖魔退魔師組織に入隊するまでの期間。自分で作り定めてきた研鑽を自直に厳守し続けて刀を握り振り続けてきた結果、彼女は妖魔退魔師の中でも強いと評される程になった『努力の人間』であった。
もちろんそれは才能があったから出来たことだと、彼女のことをよく知りもしない人間であれば揶揄する者も居るかもしれないが、彼女に才能があるとしたら、それは『他人の観察』を飽きもせずに愚直に何時間でも行い続けられることであろうか。
当然キョウカは他の者達が行っているような、そんな剣の修行も人より多くやっていると言えるだけの修行も行ってはきているが、それ以上に彼女がやってきた事は、自分より優れている者に強い者、そして自分より弱い者や、自分と同じくらいの強さの者といったあらゆる人間達を分け隔てなく『人間観察』を行ってきていたのであった。
強い者が行っている研鑽のやり方に方法。身に付く効率の良さを吸収し盗む。そして自分と同じくらいの強さの相手からは、まさにその時の自分とカッチリと比較してみて、同じくらいの強さである相手とどこか一つでも違いがないかを見極める。
更に自分より弱い人間に対しては、どういった修行をして、何故自分と違う動きを行っているのか、そして自分の行う研鑽に比べて効率の悪いその研鑽方法で得られる成果と、自分の得て来た効率からの成果との差を『経験』と照らし合わせながら『理解』を最後まで行う。
――キョウカにとって他者の価値というものを考えた場合、戦闘の上で強い者も弱い者も違いはない。
それら全てが等しく紛う事無く、自分を磨き上げてくれる『至上の素材』なのである。
何も持っていない者が、何でも持っている相手に勝てる筈がない――。
――かつて、この考え方と全く同じ『思索』を行う大魔王が居た。
それは大魔王『フルーフ』という『レパート』の世界の支配者である。
彼は拾い子である『レア』と出会った時に、この考えを一つの教えとしてレアに授けた。
その時にはレアにはまだ難しいことを伝えてもその半分も理解が及ばないであろうということを考慮して、捨てられたことで他人を簡単には信用出来ない様子であったレアに対して、直ぐに彼女が理解が及ぶように『野心』と『野望』を持てと伝えた。
結果としてレアはフルーフの教えで救われて今日に至っている――。
全てが上手く行く保証などは当然の如くあるわけではないが、何も持っていないと自分を蔑む暇があるのならば、何か一つでも自分を納得させられるモノを探す事が大事なのである。
別に大したモノや立派な目標を掲げろと言っているわけではない。誰もが簡単に抱けるような、単純なもので構わないのである。元々何も持っていないのであるならば、そんな小さなものであってもないよりはマシである。
そしてそんなないよりはマシなものが一つ出来ただけで、自分の『興味』という潜在的に生まれ持った『感情』が、その今抱いたたった一つの代物に向けられることになるのである。
こんな素晴らしい事があるだろうか? ただこれまで持ったことのないモノへ『興味』を向けるだけで、これまで考えたことのないモノに対して思考をすることが出来るのである。
――キョウカという女性には最初は本当に何もなかった。
しかし人を観察することを始めてから少しずつ少しずつ強くなっていた。他人の観察で得た知識を完全に自分のモノにしたと判断するまでは、ひたすら同じ研鑽を反復し続けて完全に出来るようになったならば、また違う何かを観察して更に出来るようになるまで延々と繰り返す。
何時間、何十時間、何日、何か月、何年。ひたすら同じことを延々と繰り返してきた彼女は、気が付けば妖魔退魔師の組織に身を置く事となり、やがて彼女は妖魔退魔師の最高幹部という今の地位についている。
先程、天狗の『王連』が放った初めてみる技で空へ巻き上げられたキョウカだが、空の上に浮かされて本来ならば、突然の身動きの出来ない空の上で四苦八苦して焦る素振りをみせる局面であっても、彼女は微動だにせずにその現実を受け入れて、結果的に事なきを得て地上へ戻ってこれた。
しかし何故彼女が、空の上で普通通りの心持ちで戦えたのか。
――単純明快。その答えは彼女が『空の上』で戦うことに慣れているからである。
彼女は人間観察を趣味としているが、当然その趣味は当時の同じ妖魔退魔師の幹部であった『ミスズ』に対しても幾度となく行っていた。
多くの妖魔退魔師が苦手とする『鳥類』の妖魔と戦うこともミスズは平気で行う為に、自分には持っていないスキルを少しでも盗んで得たいと考えたキョウカは、何度も彼女の任務に同行を願い出て、何度も彼女が『翼』を持つ鳥類系の妖魔と戦うところを観察し続けてきた。
今回のように王連が羽団扇を使って『風』を出すように、翼を持つ妖魔が自身の翼を羽搏かせて『風』を巻き起こして空へ巻き上げる高ランクの妖魔も居れば、鋭利な爪を用いて想像を絶する速度で空から一方的に攻撃を仕掛けてくるような妖魔など、あらゆる攻撃性をもった『鳥類』の妖魔との戦い方を知識として、キョウカはミスズから盗んできたのである。
そして当然に知識として得ただけで済ますわけもなく、今度は自分の任務上でも『鳥類』の妖魔と戦う時には、自分の持ち得る『技』で余裕で勝てる相手であっても、わざと相手の攻撃に合わせて戦いながら、ミスズと全く同じ動きが出来るようになるまで何度も何度も、同じ相手や違う相手に対しても行い続けて完全に会得するまでキョウカは研鑽を続けてきた。
単に興味を持った『モノ』を興味があった『モノ』にするのではなく、完全にその『モノ』に対して『興味』がなくなるまで、ひたすらに付き合うのが『キョウカ』である。
キョウカがミスズの任務に全く同行しなくなる頃には、もう『鳥類』の如何なる敵が出てきたとしても完全に、ミスズと同じ対策や同じ戦術を頭で理解が出来て、身体で対処を行えると判断する事が出来ていた。
つまりそんな『鳥類』と同じような攻撃手法で、人間であるキョウカを普段通りに戦えない状況下にしようとする『天狗』に初見となる攻撃で空の上へと巻き上げられたところで、キョウカにはその完璧な対処法というモノが頭の中に入っていて、更には空の上で戦うこと自体にも慣れ過ぎていて地上と戦う時と全く心持ちは変わらなかったのであった。
そして刀を拾ったキョウカは、空からゆっくりと下りて来る天狗に視線を送る。どうやら『王連』は空の上で戦う事に何のメリットもないと感じたのか、地上へ降りて戦おうとするのであった。
……
……
……
0
お気に入りに追加
440
あなたにおすすめの小説

異世界に飛ばされたら守護霊として八百万の神々も何故か付いてきた。
いけお
ファンタジー
仕事からの帰宅途中に突如足元に出来た穴に落ちて目が覚めるとそこは異世界でした。
元の世界に戻れないと言うので諦めて細々と身の丈に合った生活をして過ごそうと思っていたのに心配性な方々が守護霊として付いてきた所為で静かな暮らしになりそうもありません。
登場してくる神の性格などでツッコミや苦情等出るかと思いますが、こんな神様達が居たっていいじゃないかと大目に見てください。
追記 小説家になろう ツギクル でも投稿しております。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる