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サカダイ編

1127.ソフィVSナギリ2

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 ナギリは驚いた目で無傷のソフィを見ていた。何故なら先程の連動の攻撃は最初の一太刀とは違い、彼が持ち得る秘技を含めた渾身の必殺技だったのであったからである。

 彼がこれまで高ランクの妖魔の討伐を果たしてこれたのは、この『秘技』の存在があったからであり、鬼人のような硬い皮膚を持つ妖魔に対しても、このの存在のおかげで討伐を成し遂げられてきた。

 その秘技の『幻朧げんろう』に『光撃烈火こうげきれっか』も強力なものであったが、最後に放った『百火ひゃっか』に関してはナギリの奥の手のようなものであり、ソフィに百火を放った直後にナギリは、やりすぎたと後悔をしたくらいであった。

 だが、ナギリの秘技の数々をその身に受けた筈のソフィは、何事も無かったのように傷が全て完治し、で笑いながらナギリに続きをやろうと視線を向けてきている。これを見てナギリに驚くなという方が難しいだろう。

「まだやれるだろう? 今度は我の方から行かせてもらう」

 茫然とソフィを見て固まっていたナギリに向けてソフィがそう口にすると、次の瞬間、ソフィの三色のオーラが彼の感情にまさに引きずられたかの如く、その輝きに変化が訪れ始めていく。

 あの時ヌーが『三色併用』を体現した時と同様に、ソフィの『青』はより鮮明さを増して『紅』は鮮血に染まったかの如く、更に包まれたオーラの中央から『金』の色は眩く煌々と光り輝いていく。

 『三色併用』を体現しているものにしか今起きている変化の意味は伝わらないだろうが、これまでソフィが使ってきた『三色併用』と、今ソフィが使っている『三色併用』では、戦力値や魔力値での数字上での値の変化は無いが、オーラの色が示す効力の差は先程まで使っていたオーラとは比較にもならない。

 明確にオーラの本質。その効力を理解し纏わせた事によって、ソフィの防御力や攻撃力といった、それらのステータスは大幅な変化を遂げている。

「くっ……!」

 ソフィの行っている事の大半を理解出来ていないが、ナギリはこれまでの経験上、今の相対するソフィの攻撃をまともに受ければ、間違いなく取り返しのつかない怪我を負うと判断し、彼のこれまでの経験から、ソフィをに再度上方修正する。ナギリ自身のランクは『5.5』である為、つまりナギリはソフィを完全にこの時を以て、と認めたのであった。

「うおおおっっ!!」

 そして格上だと認めたナギリはソフィに対して本気で勝負に挑みに行く。
 『瑠璃』の濃い青に再び包まれた刀を握るナギリの眼光は鋭く、こちらに向かって来る大魔王に対して、真っ向から突っ込もうと足を踏み出した。

 ――しかし、その時であった。

「何をしているのですかっ!!」

 訓練場の扉が開かれたかと思うと同時、叫び声が訓練場に響き渡る。

「あっ……」

「誰だ?」

 突然訓練場に入ってきた存在にセルバスとスオウは同時に振り向いた。セルバスは初めてみる相手に眉を寄せて、スオウの方は入って来た人物、その女性の顔を見て顔を青くさせるのであった。

 しかし外野はその女性に反応を見せているが、想像の想定を超えたナギリに対して持った高揚感に包まれるソフィと、そのソフィと相対して死が目の前に迫っていると本気で考えているナギリは、そちらに意識を割かなかった。

「さぁ……っ! 耐えて見せるがよい」

 キィイインという音と共に更にソフィの目が金色へと変わっていき、三色に包まれたソフィを覆っていたオーラが『創成具現』された右手の刀に集約されて、更に上からオーラが包み込まれて輝きを増す。

 『代替身体だいたいしんたい』の『レキ』の身体を粉々にし、チアキの式である妖魔『英鬼えいき』を屠ったオーラの一撃がナギリに向けて放たれようとする――。

 ――その瞬間であった。

 ……
 ……
 ……
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