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サカダイ編
1057.総長の指名
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組長同士で争い始めたのを必死に止めようとミスズが二人の間に割って入ろうとするが、そこで総長のシゲンの口が開いた。
「ケイノトへはキョウカ組長。お前の組が向かえ」
「承知しました。総長」
ぎゃあぎゃあと喚いていた『一組』の組長と『二組』の組長の二人は突然のシゲンの言葉に、慌てて手を止めたかと思うと、二人の視線はシゲンに向けられるのであった。
「キョウカ。重要な役割なんだから頑張りなさいよ」
「ふっ、誰に言っているのかしら、この副総長殿は」
副総長のミスズと三組の組長『キョウカ』はそう言って互いに笑い合うのだった。
ヒノエとスオウはシゲンとキョウカの顔を交互に見た後、再び取っ組み合いを行っていた相手の顔を見る。
「離せよ、クソババア!!」
「何だと! このクソチビ!!」
互いに胸倉やら髪の毛を掴んでいた二人は、罵り合いながらも手を離すのであった。
「こほんっ、それでは改めまして会議を再開しますが、キョウカ組の中から一名は、我々本隊に合流して頂き『妖魔召士』の会合に参加をした後、会合の結果の内容をキョウカ組長に届けて頂きます。キョウカ組はケイノトの町周辺で待機をしてもらい、その情報を待ってもらった後、届けた内容通りに行動をお願いします」
「分かりました」
ミスズ副総長の言葉にキョウカ組長が頷く。
「それと先程サカダイの守りは『妖魔退魔師』衆と『予備群』に任せようと思っていましたが、スオウ組組長。貴方とスオウ組の者達もこの町に残りサカダイの守りにつきなさい」
「え?」
驚いた様子でスオウは副総長のミスズを見るが、どうやら冗談ではなく本決まりの様子であった。
突然の決定に茫然としていたスオウの肩にぽんと手を置いたヒノエは、しっかり町を守れよと告げて、にやりと笑みを見せてくるのであった。
「まぁ、副総長の言葉には従いますよっと」
むくれた様子を見せながらもスオウは、渋々とミスズの言葉に従うのであった。
ミスズはそんなスオウを一瞥して柔らかい笑みを見せたが、直ぐに表情を元に戻した後、眼鏡をくいっとあげながら口を開いた。
「総長、それではお願いします」
会議の進行を務めていたミスズは、伝えておくことを言い終えた後、最後に総長シゲンに会議を締めてもらう為に声を掛けた。
「ああ、ご苦労だったなミスズ。ではこれから全員には決められた指示通りに動いてもらう。それと向こうが会合でこちらの条件を呑まなければ、その場で『予備群』に手を出した『妖魔召士』達を処理する。その後は向こうの出方次第だが、手を出して来るようであれば、全員こちらも身を守る為の行動を取ってもらって構わない。その際に遠慮はするな。以上だ」
総長シゲンが言い終えると、その場に居た者達が一斉に頭を下げた。先程まで言い争っていたヒノエやスオウでさえも、ぴたりと息を合わせたかのように頭を下げるのであった。
これより『妖魔退魔師』は『妖魔召士』との会合の為に各々が準備を行い、行動を開始するのであった。
…………
「会議中にいらない事を言わなければよかったよ『妖魔召士』達と戦争が始まるかもしれないっていうのに、まさかこの僕が留守番を命じられるなんて、本当最悪だよ」
急遽、このサカダイの守りにつけとミスズに言われて本部に残る事が決まった『二組』の組長スオウは、自分の組員達や副組長の前で愚痴を吐いていた。
スオウ組副組長である『サシャ』は、そんな組長の愚痴を聞きながら必死に機嫌を取ろうと相槌を打っていたが、そこへスオウ達が使っている会議室のドアをノックする音が聞こえて来た。
「誰? 入っていいよ」
スオウが机に頬杖をつきながらドアの方に声を掛けると、副総長のミスズが入って来るのであった。
「!?」
慌ててその場に居たスオウ組の者達は、椅子から立ち上がって副総長のミスズに頭を下げた。
「挨拶は結構です。スオウ組長に重要な話があるから悪いけど、他の者達はこの場から出て行ってもらえるかしら」
スオウ組の組員達は自分の組長であるスオウに視線を向けると、スオウは片目を閉じながら出て行ってとばかりに頷きを見せると、組の者達も頷きを見せた後に副総長に挨拶をして部屋を出て行くのであった。
ミスズがスオウの近くまで歩いてくるが、副組長である『サシャ』だけは部屋を出て行こうとせずに、そのままスオウの横に立ち続けていた。
「サシャ、貴方も出ていてくれるかしら? スオウ組長に重要な話があるのよ」
「分かりました……」
副総長にそう言われては流石に断るわけにもいかず、サシャはスオウとミスズに対して一礼をした後、部屋を出て行った。
「とりあえず座って頂戴」
そう言ってスオウを椅子に座らせた後、ミスズもスオウと話をする為に会議室の向かいの席に座るのであった。
「もしかして、あのクソババ……、こほんっ。ヒノエ組長と言い争いをしたから、そのお説教ですか?」
スオウがそう言うとミスズは首を横に振った。
「いいえ、ちょっと貴方に頼んでおきたい事があるのよ」
どうやらサカダイの町に残るスオウ達に『妖魔退魔師』の意向とは違う、個人的なミスズの用件を伝えにきた様子であった。
「ケイノトへはキョウカ組長。お前の組が向かえ」
「承知しました。総長」
ぎゃあぎゃあと喚いていた『一組』の組長と『二組』の組長の二人は突然のシゲンの言葉に、慌てて手を止めたかと思うと、二人の視線はシゲンに向けられるのであった。
「キョウカ。重要な役割なんだから頑張りなさいよ」
「ふっ、誰に言っているのかしら、この副総長殿は」
副総長のミスズと三組の組長『キョウカ』はそう言って互いに笑い合うのだった。
ヒノエとスオウはシゲンとキョウカの顔を交互に見た後、再び取っ組み合いを行っていた相手の顔を見る。
「離せよ、クソババア!!」
「何だと! このクソチビ!!」
互いに胸倉やら髪の毛を掴んでいた二人は、罵り合いながらも手を離すのであった。
「こほんっ、それでは改めまして会議を再開しますが、キョウカ組の中から一名は、我々本隊に合流して頂き『妖魔召士』の会合に参加をした後、会合の結果の内容をキョウカ組長に届けて頂きます。キョウカ組はケイノトの町周辺で待機をしてもらい、その情報を待ってもらった後、届けた内容通りに行動をお願いします」
「分かりました」
ミスズ副総長の言葉にキョウカ組長が頷く。
「それと先程サカダイの守りは『妖魔退魔師』衆と『予備群』に任せようと思っていましたが、スオウ組組長。貴方とスオウ組の者達もこの町に残りサカダイの守りにつきなさい」
「え?」
驚いた様子でスオウは副総長のミスズを見るが、どうやら冗談ではなく本決まりの様子であった。
突然の決定に茫然としていたスオウの肩にぽんと手を置いたヒノエは、しっかり町を守れよと告げて、にやりと笑みを見せてくるのであった。
「まぁ、副総長の言葉には従いますよっと」
むくれた様子を見せながらもスオウは、渋々とミスズの言葉に従うのであった。
ミスズはそんなスオウを一瞥して柔らかい笑みを見せたが、直ぐに表情を元に戻した後、眼鏡をくいっとあげながら口を開いた。
「総長、それではお願いします」
会議の進行を務めていたミスズは、伝えておくことを言い終えた後、最後に総長シゲンに会議を締めてもらう為に声を掛けた。
「ああ、ご苦労だったなミスズ。ではこれから全員には決められた指示通りに動いてもらう。それと向こうが会合でこちらの条件を呑まなければ、その場で『予備群』に手を出した『妖魔召士』達を処理する。その後は向こうの出方次第だが、手を出して来るようであれば、全員こちらも身を守る為の行動を取ってもらって構わない。その際に遠慮はするな。以上だ」
総長シゲンが言い終えると、その場に居た者達が一斉に頭を下げた。先程まで言い争っていたヒノエやスオウでさえも、ぴたりと息を合わせたかのように頭を下げるのであった。
これより『妖魔退魔師』は『妖魔召士』との会合の為に各々が準備を行い、行動を開始するのであった。
…………
「会議中にいらない事を言わなければよかったよ『妖魔召士』達と戦争が始まるかもしれないっていうのに、まさかこの僕が留守番を命じられるなんて、本当最悪だよ」
急遽、このサカダイの守りにつけとミスズに言われて本部に残る事が決まった『二組』の組長スオウは、自分の組員達や副組長の前で愚痴を吐いていた。
スオウ組副組長である『サシャ』は、そんな組長の愚痴を聞きながら必死に機嫌を取ろうと相槌を打っていたが、そこへスオウ達が使っている会議室のドアをノックする音が聞こえて来た。
「誰? 入っていいよ」
スオウが机に頬杖をつきながらドアの方に声を掛けると、副総長のミスズが入って来るのであった。
「!?」
慌ててその場に居たスオウ組の者達は、椅子から立ち上がって副総長のミスズに頭を下げた。
「挨拶は結構です。スオウ組長に重要な話があるから悪いけど、他の者達はこの場から出て行ってもらえるかしら」
スオウ組の組員達は自分の組長であるスオウに視線を向けると、スオウは片目を閉じながら出て行ってとばかりに頷きを見せると、組の者達も頷きを見せた後に副総長に挨拶をして部屋を出て行くのであった。
ミスズがスオウの近くまで歩いてくるが、副組長である『サシャ』だけは部屋を出て行こうとせずに、そのままスオウの横に立ち続けていた。
「サシャ、貴方も出ていてくれるかしら? スオウ組長に重要な話があるのよ」
「分かりました……」
副総長にそう言われては流石に断るわけにもいかず、サシャはスオウとミスズに対して一礼をした後、部屋を出て行った。
「とりあえず座って頂戴」
そう言ってスオウを椅子に座らせた後、ミスズもスオウと話をする為に会議室の向かいの席に座るのであった。
「もしかして、あのクソババ……、こほんっ。ヒノエ組長と言い争いをしたから、そのお説教ですか?」
スオウがそう言うとミスズは首を横に振った。
「いいえ、ちょっと貴方に頼んでおきたい事があるのよ」
どうやらサカダイの町に残るスオウ達に『妖魔退魔師』の意向とは違う、個人的なミスズの用件を伝えにきた様子であった。
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