1,031 / 1,985
旅籠編
1016.最強の存在が見せる喜びの顔
しおりを挟む
ソフィの周囲を鮮やかな三色のオーラが包み込む。
先程のヌーの三色併用を観察していたおかげで『青』が防御力上昇。そして『紅』が攻撃力の上昇だと判断はついている。
これまではソフィの力が強すぎた為に、どの色のオーラがソフィ自身の強さなのか、オーラの影響なのかが、明確には分からなかったのだが、ヌーがスキンヘッドの男を仕留めた時にソフィ自身がオーラの色による上昇の分別がつく事が出来るようになった。
今のソフィは、第二形態の『大魔王化』状態、そこから三色併用を用いて迫りくる『英鬼』に対峙している。
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 大魔王化 魔力値:183億
状態:『通常』 戦力値:190億 地位:アレルバレルの王】。
↓
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 大魔王化 魔力値:3660億
状態:『三色併用』 戦力値:3800億 地位:アレルバレルの王】。
「グォアアアッ!!」
ソフィは繰り出して来る鬼人『英鬼』の右拳を避ける事も防御する事もせず、そのまま左頬に受けて見せる。
ソフィはそのまま『英鬼』の攻撃にを受けた事によって『煌鴟梟』のアジト内の外壁にそのまま突っ込んでいく。
「そ、ソフィさん!!」
コウゾウに寄り添いながらシグレは、妖魔に殴られたソフィに心配する声を投げかけるのであった。
(素晴らしい! あの『動忍鬼』よりも速度がある。それに殴られるインパクトの瞬間、我は青の意識を高めて顔周辺を中心に防御力を高めた筈だ。しかしそれでもこれだけのダメージを我に与えられるのか!)
吹き飛ばされながらソフィは、自身がどれくらいのダメージを受けたかを確かめながら、にやりと笑みを浮かべると、あわや壁に衝突する寸前についっと、左手を壁に添えるようにおきながら力を込める。
その瞬間、ピタリと何事も無かったかのように、ソフィは壁を背に立って見せるのであった。更に興奮を始めているソフィが、邪悪な笑みを浮かべると同時『英鬼』に殴られた箇所の傷が一瞬で塞がっていき、完治するのであった。
「えっ!?」
壁に衝突すると思っていたシグレは、笑みを浮かべて壁の前で立っているソフィを見て、唖然としながら素っ頓狂な声をあげた。
「ふんっ『予備群』だか何だか知らねぇが、それだけの力を有しているならば、ソフィの力を見縊って叫ぶんじゃねぇ。奴があんな程度でやられるくらいなら誰も苦労はしねぇんだよ」
ヌーは腕を組みながら今のソフィの戦い方を観察しながらそう言った。どうやらヌーは自身が先程使ったオーラを纏っているソフィを見て勉強になりそうだと判断したようで、見逃すまいと集中し始めるのであった。
(ああ、ヌーの言う通りだ。あの魔物のような存在が、如何に強かろうとも『化け物』がやられるビジョンは、俺の目にも浮かばねぇな)
『煌聖の教団』であれば、いやアレルバレルの世界で魔族として生きてきた者達であれば、大魔王ソフィという存在がどれ程やばい魔族なのかを数千年規模で生きてきた全魔族達が嫌だと言う程に、理解させられているのであった。
「グォアアアッ!!」
正気を失っている『英鬼』は、追撃をする為に一気にソフィに詰め寄ってくる。
「クックック! このままではまだ少し足りぬようだな。そうだなぁ、では次はこれならどうだろうか?」
これまでの彼の生涯で、数度しか出した事の無い力の領域に少しずつ近づいていく。
それがソフィにはとても嬉しくて仕方が無いようで、まるで子供が親におもちゃを与えられたかの如く『英鬼』という強者が、自分に向かってくるたびに幸せそうに笑う。
ソフィの目が金色に輝き始めると、今度は先程よりも時間を掛けて魔王形態が変化されていく。
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 大魔王化 魔力値:3660億
状態:『三色併用』 戦力値:3800億 地位:アレルバレルの王】。
↓
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 真なる大魔王化 魔力値:5500億
状態:『三色併用』 戦力値:5700億 地位:アレルバレルの王】。
「今度は『青』を意識せぬ、存分に試すがよい!」
ソフィの周囲を纏う鮮やかな三色はソフィの高揚感に反応をするかの如く、更に輝きを増していきながらその中心でソフィはそう声をあげた。
「グォアアアッ!」
先程と同じように『英鬼』は、無防備なソフィに向けて渾身の力を込めて、右拳を振り切ってくる。
ぱぁんっ! という乾いた音が周囲に轟き、ソフィはまたもや『英鬼』に殴られるが、今度はその場から動かなかった。
「クックック、ああ、素晴らしい!! この状態の我にまだ痛みを与えてくれるのか。フハハハハッッッ! 素晴らしい、お主の力は想像以上だ!」
「ぐっ、グォアアア!!」
殴られて嬉しそうに笑うソフィを見て意識がない『英鬼』は、得たいの知れない恐怖心を本能で感じ取り、何とかして破壊してしまおうと、連続で攻撃を繰り出していく。
「クックックッ! ハーハッハッハッハ!!」
がんっがんっ! と、何度も何度もソフィは『英鬼』にめった打ちにされる。
だが、しかしソフィは顔を左右に振らされながらもずっと変わらずに笑い続けている。
「なっ……、何なのよアイツ!? ちょっと『英鬼』! アンタ手加減してんじゃないでしょうねぇ!? さ、さっさと殺せ、殺してしまえっ!」
『妖魔召士』の『チアキ』は、力だけならばすでに自分を越えている筈のランク『5.5』から『6』相当に分類される鬼人の妖魔である『英鬼』が、何度も本気で殴りつけているというのに意に介さず……、というよりもむしろ嬉しそうに笑い続けているソフィという存在に困惑と苛立ちが混ざり合ったような、そんな表情を浮かべながらチアキは自分の『式』にもっと攻撃をするようにと大声で命令を出すのであった。
……
……
……
先程のヌーの三色併用を観察していたおかげで『青』が防御力上昇。そして『紅』が攻撃力の上昇だと判断はついている。
これまではソフィの力が強すぎた為に、どの色のオーラがソフィ自身の強さなのか、オーラの影響なのかが、明確には分からなかったのだが、ヌーがスキンヘッドの男を仕留めた時にソフィ自身がオーラの色による上昇の分別がつく事が出来るようになった。
今のソフィは、第二形態の『大魔王化』状態、そこから三色併用を用いて迫りくる『英鬼』に対峙している。
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 大魔王化 魔力値:183億
状態:『通常』 戦力値:190億 地位:アレルバレルの王】。
↓
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 大魔王化 魔力値:3660億
状態:『三色併用』 戦力値:3800億 地位:アレルバレルの王】。
「グォアアアッ!!」
ソフィは繰り出して来る鬼人『英鬼』の右拳を避ける事も防御する事もせず、そのまま左頬に受けて見せる。
ソフィはそのまま『英鬼』の攻撃にを受けた事によって『煌鴟梟』のアジト内の外壁にそのまま突っ込んでいく。
「そ、ソフィさん!!」
コウゾウに寄り添いながらシグレは、妖魔に殴られたソフィに心配する声を投げかけるのであった。
(素晴らしい! あの『動忍鬼』よりも速度がある。それに殴られるインパクトの瞬間、我は青の意識を高めて顔周辺を中心に防御力を高めた筈だ。しかしそれでもこれだけのダメージを我に与えられるのか!)
吹き飛ばされながらソフィは、自身がどれくらいのダメージを受けたかを確かめながら、にやりと笑みを浮かべると、あわや壁に衝突する寸前についっと、左手を壁に添えるようにおきながら力を込める。
その瞬間、ピタリと何事も無かったかのように、ソフィは壁を背に立って見せるのであった。更に興奮を始めているソフィが、邪悪な笑みを浮かべると同時『英鬼』に殴られた箇所の傷が一瞬で塞がっていき、完治するのであった。
「えっ!?」
壁に衝突すると思っていたシグレは、笑みを浮かべて壁の前で立っているソフィを見て、唖然としながら素っ頓狂な声をあげた。
「ふんっ『予備群』だか何だか知らねぇが、それだけの力を有しているならば、ソフィの力を見縊って叫ぶんじゃねぇ。奴があんな程度でやられるくらいなら誰も苦労はしねぇんだよ」
ヌーは腕を組みながら今のソフィの戦い方を観察しながらそう言った。どうやらヌーは自身が先程使ったオーラを纏っているソフィを見て勉強になりそうだと判断したようで、見逃すまいと集中し始めるのであった。
(ああ、ヌーの言う通りだ。あの魔物のような存在が、如何に強かろうとも『化け物』がやられるビジョンは、俺の目にも浮かばねぇな)
『煌聖の教団』であれば、いやアレルバレルの世界で魔族として生きてきた者達であれば、大魔王ソフィという存在がどれ程やばい魔族なのかを数千年規模で生きてきた全魔族達が嫌だと言う程に、理解させられているのであった。
「グォアアアッ!!」
正気を失っている『英鬼』は、追撃をする為に一気にソフィに詰め寄ってくる。
「クックック! このままではまだ少し足りぬようだな。そうだなぁ、では次はこれならどうだろうか?」
これまでの彼の生涯で、数度しか出した事の無い力の領域に少しずつ近づいていく。
それがソフィにはとても嬉しくて仕方が無いようで、まるで子供が親におもちゃを与えられたかの如く『英鬼』という強者が、自分に向かってくるたびに幸せそうに笑う。
ソフィの目が金色に輝き始めると、今度は先程よりも時間を掛けて魔王形態が変化されていく。
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 大魔王化 魔力値:3660億
状態:『三色併用』 戦力値:3800億 地位:アレルバレルの王】。
↓
【種族:魔族 名前:ソフィ第二形態 真なる大魔王化 魔力値:5500億
状態:『三色併用』 戦力値:5700億 地位:アレルバレルの王】。
「今度は『青』を意識せぬ、存分に試すがよい!」
ソフィの周囲を纏う鮮やかな三色はソフィの高揚感に反応をするかの如く、更に輝きを増していきながらその中心でソフィはそう声をあげた。
「グォアアアッ!」
先程と同じように『英鬼』は、無防備なソフィに向けて渾身の力を込めて、右拳を振り切ってくる。
ぱぁんっ! という乾いた音が周囲に轟き、ソフィはまたもや『英鬼』に殴られるが、今度はその場から動かなかった。
「クックック、ああ、素晴らしい!! この状態の我にまだ痛みを与えてくれるのか。フハハハハッッッ! 素晴らしい、お主の力は想像以上だ!」
「ぐっ、グォアアア!!」
殴られて嬉しそうに笑うソフィを見て意識がない『英鬼』は、得たいの知れない恐怖心を本能で感じ取り、何とかして破壊してしまおうと、連続で攻撃を繰り出していく。
「クックックッ! ハーハッハッハッハ!!」
がんっがんっ! と、何度も何度もソフィは『英鬼』にめった打ちにされる。
だが、しかしソフィは顔を左右に振らされながらもずっと変わらずに笑い続けている。
「なっ……、何なのよアイツ!? ちょっと『英鬼』! アンタ手加減してんじゃないでしょうねぇ!? さ、さっさと殺せ、殺してしまえっ!」
『妖魔召士』の『チアキ』は、力だけならばすでに自分を越えている筈のランク『5.5』から『6』相当に分類される鬼人の妖魔である『英鬼』が、何度も本気で殴りつけているというのに意に介さず……、というよりもむしろ嬉しそうに笑い続けているソフィという存在に困惑と苛立ちが混ざり合ったような、そんな表情を浮かべながらチアキは自分の『式』にもっと攻撃をするようにと大声で命令を出すのであった。
……
……
……
0
お気に入りに追加
440
あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる