1,003 / 1,915
旅籠編
988.複雑な組織の人間関係
しおりを挟む
ボスの部屋を出たユウゲだったが、その場に待ち受けていたのはスキンヘッドの男『ヒロキ』だけだった。
「どうやらボスとの話は終えられたみたいですね」
トウジの部屋から出て来たユウゲに気づいたヒロキは、慌ててドアの前まで歩いてきてそう告げた。
「少し長話をしてしまったようだ。外で待たせて申し訳なかった」
ユウゲがそう言うとヒロキは首を横に振った。
『気になさらないで下さい』と告げるヒロキに頷きを返しながらもユウゲは例の『新人』が座っていた場所に今は誰も座っていないのを確認する。
「セルバスをお探しですか?」
ユウゲの視線を追ったであろうヒロキは、先程までこの場に居た新人の名を出しながら、ユウゲを一瞥する。
「彼の名はセルバスというのか」
ここでようやく『新人』の名前が『セルバス』という事を知ったユウゲは、しっかりとイツキに報告出来るようにその名を頭に記憶させる。
「このアジトに居座れる程の新人という事は、相当に期待されている人物なのだろうからしっかりと挨拶をして帰ろうと思ったのだがな」
「先程。彼は先程『サノスケ』殿の遣いの者に連れ出されて旅籠町に向かいましたから、当分は旅籠町で『例の仕事』に就くかと思われます」
どうやらユウゲがトウジと話をしている間に、新人のセルバスという男に仕事が入り、このアジトから出て行ったらしい。
サノスケ殿は『煌鴟梟』の幹部だが、旅籠の宿を任されている生粋の商売人でもある。
『例の仕事』とヒロキ殿が告げたという事は、セルバスという新人は『人攫いの仕事』の一端を担わされるという事だろう。
トウジの様子がおかしいという事に気づいたユウゲは、その原因がセルバスと疑っている為、出来れば帰りに顔を合わせたくないとそう考えただけに、居ないというのであればそれはそれで助かった。
ユウゲがそんな事を考えていると、スキンヘッドの男ヒロキは苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべていた。
「ヒロキ殿? どうかなされたか」
「あ、いや。これは失礼しました」
無意識に自分が不機嫌な表情を浮かべている事に気づいたのだろう。ヒロキはユウゲに指摘されて、慌てて表情を元に戻した。じっとユウゲが見つめたままだった為、ヒロキは小さく溜息を吐いた。
「いえね。あの新人はボスに気に入られているからある程度好きにさせていますが『退魔組』の大幹部である『ユウゲ』殿が気にかけられるような者ではないのですよ」
どうやらユウゲが先程あの『新人』に挨拶をしておこうと言った事にヒロキは、相当に不満を抱いている様子だった。
曲がりなりにも同じ組織で働く仲間にする発言にしては、酷く冷たい言葉と態度にユウゲは感じられた。
(どうやらセルバスとやらは、ヒロキ殿に相当嫌われているようだな。まぁ先程の態度を組織内でいつも取っているというのであれば、誰からも好かれる筈はないだろう)
「ふむ。居ない以上は挨拶しようにも出来ぬからな。では俺は退魔組に戻るとしよう。唐突に邪魔をして申し訳なかったヒロキ殿」
そう言ってユウゲが軽く頭を下げるとヒロキは、そのスキンヘッドの頭部がユウゲの目に映る程に、頭を下げながら言葉を返してくれるのであった。
「いえいえ。いつでも気兼ねなく来てください。私のような新人にも丁寧に接してくださり、感謝しますユウゲ殿」
そうしてユウゲがアジトの屋敷から中庭に出ると、出て来たユウゲに気づいた外の警備を行っていた煌鴟梟の若い衆達は、一斉にユウゲに頭を下げてくるのであった。
「先程は失礼を致しました! 申し訳ございませんでした!!」
「は? い、いや、気にしないでくれ。知らなかったのだから当然の事だ」
ユウゲがそう言うと一番前に居た男が再び深々と頭を下げた。
「ケイノトまでの道中、お気をつけてお帰り下さい!!」
「「お気をつけて!!」」
「あ、ああ……。ありがとう」
ユウゲが礼を言いながら『煌鴟梟』の敷地の外まで歩いて行こうとすると、ずらりとユウゲの両脇に並んだ『煌鴟梟』の組員達は、ユウゲが前を通る毎に波打つようにユウゲを挟んだ両脇で頭を下げていくのだった。
――それはまるで『煌鴟梟』の大幹部である『ミヤジ』や『サノスケ』に対する扱いのようであった。
どうやら彼らはここに来た時にユウゲを取り囲んだ連中だったようで、ユウゲがどういう人物かという事を教えられたのだろう。来た時とは全く違う態度で見送られるユウゲであった。
…………
『煌鴟梟』の敷地外を出た後、ユウゲは胸元を押さえながら溜息を吐いた。
「ああ、心臓に悪い。一体どういう風に俺の事を説明したんだろうか」
退魔組の中でも下位や中位の退魔士からは、同じような態度を取られる事が多いが、面識の無い連中からあれだけ大勢に一気に頭を下げられる事に慣れていないユウゲは、どうやら相当に衝撃が大きかったらしい。
「と、とりあえずイツキ殿に報告だな」
そう言い残してユウゲは『ケイノト』へと帰路に就くのであった。
このイツキからの発端で行われた『煌鴟梟』の内情を調べるという任務を無事に遂行したユウゲだったが、彼がトウジと会話をした事によってトウジの洗脳に綻びが生じてしまったのであった。
『煌鴟梟』のボスであるトウジと普段通りに行う会話であれば、目が虚ろになったりといったような事も無く、特に問題は無いのだが、ひとたび術者である『セルバス』を連想させるような言葉をこのトウジに向ける事によって、ユウゲとの会話の時に強く意識させられた事による綻びが広がってしまい『魔瞳』である『金色の目』の術の効果が示されて洗脳を解けないように力が働いてしまい、彼は再び意識が遮断されてしまうのである。
意識が遮断された後は、数秒から数十秒は無言となるが、そのまま続け様に『セルバス』を連想させるような言葉で追い打ちをかける事がなければ、ユウゲの時のように意識自体が戻る様になるが、執拗にセルバスを連想させるような言葉を発し続けた場合『魔瞳』による洗脳の力が強さを増してしまい、その内に精神が耐えきれずに絶命をしてしまうだろう。
但しセルバスはそれを避けるために一つの保険を用意しており、意識が遮断された状態になって尚、続けざまにセルバスを連想させるような話題が続いた場合は、そのセルバスが『煌鴟梟』の内部で、自由に発言出来る幹部クラスの権力を持つ事が出来るように、そしてセルバスが望む形になるように深層意識を操って書き換えを済ませてある。
余りに複雑な命令を下してしまえば、本当にそのまま脳死する恐れがある為、あくまで『セルバス』が望むような形をトウジが自分で考えさせるようにしている。
それがどんな内容になるかは『魔瞳』を使ったセルバスにも分からないが、セルバスの組織内での立ち位置が良くなることは間違いは無いだろう。
あくまで過程自体はトウジが自分で考えた内容ではあるが、結論となる事自体は『セルバス』が望むような形になる事には変わりが無いからである。
しかしこの時の影響で『トウジ』に『セルバス』を連想させてしまった『ミヤジ』が、今後のセルバスの任務のサポート役にさせられてしまい、トウジに掴みかかろうとする事態を招いてしまう事になるのであった。
(※第962話 『虚ろな目をした煌鴟梟のボス』)
……
……
……
「どうやらボスとの話は終えられたみたいですね」
トウジの部屋から出て来たユウゲに気づいたヒロキは、慌ててドアの前まで歩いてきてそう告げた。
「少し長話をしてしまったようだ。外で待たせて申し訳なかった」
ユウゲがそう言うとヒロキは首を横に振った。
『気になさらないで下さい』と告げるヒロキに頷きを返しながらもユウゲは例の『新人』が座っていた場所に今は誰も座っていないのを確認する。
「セルバスをお探しですか?」
ユウゲの視線を追ったであろうヒロキは、先程までこの場に居た新人の名を出しながら、ユウゲを一瞥する。
「彼の名はセルバスというのか」
ここでようやく『新人』の名前が『セルバス』という事を知ったユウゲは、しっかりとイツキに報告出来るようにその名を頭に記憶させる。
「このアジトに居座れる程の新人という事は、相当に期待されている人物なのだろうからしっかりと挨拶をして帰ろうと思ったのだがな」
「先程。彼は先程『サノスケ』殿の遣いの者に連れ出されて旅籠町に向かいましたから、当分は旅籠町で『例の仕事』に就くかと思われます」
どうやらユウゲがトウジと話をしている間に、新人のセルバスという男に仕事が入り、このアジトから出て行ったらしい。
サノスケ殿は『煌鴟梟』の幹部だが、旅籠の宿を任されている生粋の商売人でもある。
『例の仕事』とヒロキ殿が告げたという事は、セルバスという新人は『人攫いの仕事』の一端を担わされるという事だろう。
トウジの様子がおかしいという事に気づいたユウゲは、その原因がセルバスと疑っている為、出来れば帰りに顔を合わせたくないとそう考えただけに、居ないというのであればそれはそれで助かった。
ユウゲがそんな事を考えていると、スキンヘッドの男ヒロキは苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべていた。
「ヒロキ殿? どうかなされたか」
「あ、いや。これは失礼しました」
無意識に自分が不機嫌な表情を浮かべている事に気づいたのだろう。ヒロキはユウゲに指摘されて、慌てて表情を元に戻した。じっとユウゲが見つめたままだった為、ヒロキは小さく溜息を吐いた。
「いえね。あの新人はボスに気に入られているからある程度好きにさせていますが『退魔組』の大幹部である『ユウゲ』殿が気にかけられるような者ではないのですよ」
どうやらユウゲが先程あの『新人』に挨拶をしておこうと言った事にヒロキは、相当に不満を抱いている様子だった。
曲がりなりにも同じ組織で働く仲間にする発言にしては、酷く冷たい言葉と態度にユウゲは感じられた。
(どうやらセルバスとやらは、ヒロキ殿に相当嫌われているようだな。まぁ先程の態度を組織内でいつも取っているというのであれば、誰からも好かれる筈はないだろう)
「ふむ。居ない以上は挨拶しようにも出来ぬからな。では俺は退魔組に戻るとしよう。唐突に邪魔をして申し訳なかったヒロキ殿」
そう言ってユウゲが軽く頭を下げるとヒロキは、そのスキンヘッドの頭部がユウゲの目に映る程に、頭を下げながら言葉を返してくれるのであった。
「いえいえ。いつでも気兼ねなく来てください。私のような新人にも丁寧に接してくださり、感謝しますユウゲ殿」
そうしてユウゲがアジトの屋敷から中庭に出ると、出て来たユウゲに気づいた外の警備を行っていた煌鴟梟の若い衆達は、一斉にユウゲに頭を下げてくるのであった。
「先程は失礼を致しました! 申し訳ございませんでした!!」
「は? い、いや、気にしないでくれ。知らなかったのだから当然の事だ」
ユウゲがそう言うと一番前に居た男が再び深々と頭を下げた。
「ケイノトまでの道中、お気をつけてお帰り下さい!!」
「「お気をつけて!!」」
「あ、ああ……。ありがとう」
ユウゲが礼を言いながら『煌鴟梟』の敷地の外まで歩いて行こうとすると、ずらりとユウゲの両脇に並んだ『煌鴟梟』の組員達は、ユウゲが前を通る毎に波打つようにユウゲを挟んだ両脇で頭を下げていくのだった。
――それはまるで『煌鴟梟』の大幹部である『ミヤジ』や『サノスケ』に対する扱いのようであった。
どうやら彼らはここに来た時にユウゲを取り囲んだ連中だったようで、ユウゲがどういう人物かという事を教えられたのだろう。来た時とは全く違う態度で見送られるユウゲであった。
…………
『煌鴟梟』の敷地外を出た後、ユウゲは胸元を押さえながら溜息を吐いた。
「ああ、心臓に悪い。一体どういう風に俺の事を説明したんだろうか」
退魔組の中でも下位や中位の退魔士からは、同じような態度を取られる事が多いが、面識の無い連中からあれだけ大勢に一気に頭を下げられる事に慣れていないユウゲは、どうやら相当に衝撃が大きかったらしい。
「と、とりあえずイツキ殿に報告だな」
そう言い残してユウゲは『ケイノト』へと帰路に就くのであった。
このイツキからの発端で行われた『煌鴟梟』の内情を調べるという任務を無事に遂行したユウゲだったが、彼がトウジと会話をした事によってトウジの洗脳に綻びが生じてしまったのであった。
『煌鴟梟』のボスであるトウジと普段通りに行う会話であれば、目が虚ろになったりといったような事も無く、特に問題は無いのだが、ひとたび術者である『セルバス』を連想させるような言葉をこのトウジに向ける事によって、ユウゲとの会話の時に強く意識させられた事による綻びが広がってしまい『魔瞳』である『金色の目』の術の効果が示されて洗脳を解けないように力が働いてしまい、彼は再び意識が遮断されてしまうのである。
意識が遮断された後は、数秒から数十秒は無言となるが、そのまま続け様に『セルバス』を連想させるような言葉で追い打ちをかける事がなければ、ユウゲの時のように意識自体が戻る様になるが、執拗にセルバスを連想させるような言葉を発し続けた場合『魔瞳』による洗脳の力が強さを増してしまい、その内に精神が耐えきれずに絶命をしてしまうだろう。
但しセルバスはそれを避けるために一つの保険を用意しており、意識が遮断された状態になって尚、続けざまにセルバスを連想させるような話題が続いた場合は、そのセルバスが『煌鴟梟』の内部で、自由に発言出来る幹部クラスの権力を持つ事が出来るように、そしてセルバスが望む形になるように深層意識を操って書き換えを済ませてある。
余りに複雑な命令を下してしまえば、本当にそのまま脳死する恐れがある為、あくまで『セルバス』が望むような形をトウジが自分で考えさせるようにしている。
それがどんな内容になるかは『魔瞳』を使ったセルバスにも分からないが、セルバスの組織内での立ち位置が良くなることは間違いは無いだろう。
あくまで過程自体はトウジが自分で考えた内容ではあるが、結論となる事自体は『セルバス』が望むような形になる事には変わりが無いからである。
しかしこの時の影響で『トウジ』に『セルバス』を連想させてしまった『ミヤジ』が、今後のセルバスの任務のサポート役にさせられてしまい、トウジに掴みかかろうとする事態を招いてしまう事になるのであった。
(※第962話 『虚ろな目をした煌鴟梟のボス』)
……
……
……
0
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる