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封印式神編
781.根源の玉に刻まれた刻印
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「それにしてもサイヨウよ、お主はこの世界にどうやってきたのだ。まさかお主も『世界間移動』といった『時魔法』の類を使えるのか?」
「確かにそのような秘術は小生の国にもかつてあったとされているが、今の小生の国では使える者は居らぬ。当然小生も使えぬよ」
「では、どうやってこのリラリオに来たのだ?」
サイヨウは札を入れていた札とは別の場所から、あるマジックアイテムを取り出し始める。そのマジックアイテムは灰色の玉だった。
「その玉はこれと同じモノか?」
サイヨウの取り出したマジックアイテムを見たソフィは、自身も持っているそのマジックアイテムをサイヨウの前に出す。
「これは驚いた。少しみせてもらってもよいか?」
「ああ。これは組織の者達が持っていたモノを我の配下が手に入れた物のようなのだ」
「……」
サイヨウはソフィから受け取った『根源の玉』の真贋を確かめるようにじっくりと観察し、表面に刻印されている文字を指で擦るようにしながら、読み進めるサイヨウだった。
根源の玉に刻まれている文字は、ソフィ達では読めなかった為に、もしかするとサイヨウ達の世界の文字なのかもしれなかった。
「ソフィ殿。確かにこれは小生の国の物で間違いはない。小生の国の数代前の当主が何者かにこの転置宝玉を根こそぎ奪われたという話を聞いた事がある。その転置宝玉がまさにこれなのだろう。他にいくつか持ってはいないだろうか?」
「ふむ。一つは配下が我を追ってこの世界へ来た時に使用したようで、現在はこの二つしか我は持ってはおらぬ」
「そうか。出来ればお主の持つ『転置宝玉』を回収させてもらいたいのだが、構わぬだろうか?」
「うむ。別に我が持っていても使いどころが無いしな。しかしこれの出所が分かって少しだけ安心したよ。その転置宝玉とやらの所為で、我がこの世界に来ることになったのだからな」
アレルバレルの世界に居た頃に勇者マリスの仲間が、大賢者エルシスにこのマジックアイテムを持たされた事により、使用されてソフィはリラリオの世界に来る事となったのだ。
謎に包まれたマジックアイテムだったが、ようやく出所が分かった事で、色々と解決できそうだと考えるソフィであった。
「そうだったか。しかしその組織とやらの者達は、どうして小生達の国のこの秘宝の存在を知ったのだろうな」
この場にある三つの『転置宝玉』と呼ばれた『マジックアイテム』を見ながらサイヨウは首を傾げるのだった。
「それは分からぬが、組織の者達に持たされたであろう我の世界の勇者が、そのマジックアイテムの事を根源の玉と呼んでいた。組織の生き残りが居れば、何か知っているかもしれんな」
「で、あるか」
ソフィから受け取った方の『根源の玉』を懐に入れて、サイヨウが取り出した方の『転置宝玉』をソフィに渡す。
「その『転置宝玉』に魔力を込めながら、お主の居た世界を思い浮かべてみるがよい」
サイヨウに言われた通りに渡された『転置宝玉』に魔力を込めて『アレルバレル』の世界をイメージする。
――すると『転置宝玉』は色を持ち始めたかと思えば、ツルツルの表面に先程の『根源の玉』と同じく刻印が刻まれ始めた。
しかし次の瞬間には『転置宝玉』はピシッピシッと、ガラスが割れるような音が鳴り始めた。
「むっ……! ソフィ殿、魔力が強すぎる! もうよい、魔力を分散させよ」
ソフィはサイヨウの言葉に慌てて込めていた魔力を消し始めた。
「おお、色が変わっておるし、何やら文字が刻まれておるぞ!」
先程まで灰色であった『転置宝玉』は、ソフィの魔力によって青色の光の輝きを放ち、ソフィが持っていた根源の玉と同じように、刻印が刻まれるのだった。
「全くお主の魔力はどうなっておるのか。もう少し遅ければ、この貴重な宝玉は割れて使い物にならなくなっておったぞ……」
サイヨウは溜息を吐きながら、額の汗を拭うのだった。
「確かにそのような秘術は小生の国にもかつてあったとされているが、今の小生の国では使える者は居らぬ。当然小生も使えぬよ」
「では、どうやってこのリラリオに来たのだ?」
サイヨウは札を入れていた札とは別の場所から、あるマジックアイテムを取り出し始める。そのマジックアイテムは灰色の玉だった。
「その玉はこれと同じモノか?」
サイヨウの取り出したマジックアイテムを見たソフィは、自身も持っているそのマジックアイテムをサイヨウの前に出す。
「これは驚いた。少しみせてもらってもよいか?」
「ああ。これは組織の者達が持っていたモノを我の配下が手に入れた物のようなのだ」
「……」
サイヨウはソフィから受け取った『根源の玉』の真贋を確かめるようにじっくりと観察し、表面に刻印されている文字を指で擦るようにしながら、読み進めるサイヨウだった。
根源の玉に刻まれている文字は、ソフィ達では読めなかった為に、もしかするとサイヨウ達の世界の文字なのかもしれなかった。
「ソフィ殿。確かにこれは小生の国の物で間違いはない。小生の国の数代前の当主が何者かにこの転置宝玉を根こそぎ奪われたという話を聞いた事がある。その転置宝玉がまさにこれなのだろう。他にいくつか持ってはいないだろうか?」
「ふむ。一つは配下が我を追ってこの世界へ来た時に使用したようで、現在はこの二つしか我は持ってはおらぬ」
「そうか。出来ればお主の持つ『転置宝玉』を回収させてもらいたいのだが、構わぬだろうか?」
「うむ。別に我が持っていても使いどころが無いしな。しかしこれの出所が分かって少しだけ安心したよ。その転置宝玉とやらの所為で、我がこの世界に来ることになったのだからな」
アレルバレルの世界に居た頃に勇者マリスの仲間が、大賢者エルシスにこのマジックアイテムを持たされた事により、使用されてソフィはリラリオの世界に来る事となったのだ。
謎に包まれたマジックアイテムだったが、ようやく出所が分かった事で、色々と解決できそうだと考えるソフィであった。
「そうだったか。しかしその組織とやらの者達は、どうして小生達の国のこの秘宝の存在を知ったのだろうな」
この場にある三つの『転置宝玉』と呼ばれた『マジックアイテム』を見ながらサイヨウは首を傾げるのだった。
「それは分からぬが、組織の者達に持たされたであろう我の世界の勇者が、そのマジックアイテムの事を根源の玉と呼んでいた。組織の生き残りが居れば、何か知っているかもしれんな」
「で、あるか」
ソフィから受け取った方の『根源の玉』を懐に入れて、サイヨウが取り出した方の『転置宝玉』をソフィに渡す。
「その『転置宝玉』に魔力を込めながら、お主の居た世界を思い浮かべてみるがよい」
サイヨウに言われた通りに渡された『転置宝玉』に魔力を込めて『アレルバレル』の世界をイメージする。
――すると『転置宝玉』は色を持ち始めたかと思えば、ツルツルの表面に先程の『根源の玉』と同じく刻印が刻まれ始めた。
しかし次の瞬間には『転置宝玉』はピシッピシッと、ガラスが割れるような音が鳴り始めた。
「むっ……! ソフィ殿、魔力が強すぎる! もうよい、魔力を分散させよ」
ソフィはサイヨウの言葉に慌てて込めていた魔力を消し始めた。
「おお、色が変わっておるし、何やら文字が刻まれておるぞ!」
先程まで灰色であった『転置宝玉』は、ソフィの魔力によって青色の光の輝きを放ち、ソフィが持っていた根源の玉と同じように、刻印が刻まれるのだった。
「全くお主の魔力はどうなっておるのか。もう少し遅ければ、この貴重な宝玉は割れて使い物にならなくなっておったぞ……」
サイヨウは溜息を吐きながら、額の汗を拭うのだった。
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