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序列部隊の選定編
729.Bクラスの選定試験開始
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ソフィ達の話し合いが終わった頃、遂にBクラスの試験が始まりを迎えようとしていた。
ルールとしては至極単純なモノで、結界によって広くなった会場内で制限時間内に、リーシャの体のどこかを触れると合格となる。
つまりリーシャを誰かが取り押さえる事が出来た場合、一気に大勢の者達が『序列入り』を果たす事も可能という事になる。
Aクラスでの試験内容では同じく九大魔王のイリーガルと戦って傷をつけなければならない為、そう考えると、Bクラスの試験は簡単なように思う内容だった。
実際にBクラスの者達はこの試験内容を聞いた事で、笑みを浮かべている者達も大勢居るのだった。
「それでは制限時間を発表するが、Bクラスの試験は五分だ。五分以内にリーシャの体に触れられた者は、その時点で合格とする」
ブラストから遂にこの施設に居る者達に、制限時間等も発表された。再びBクラスの者達がザワつき、各々で作戦を立て始める。
「ブラスト殿。質問をしても宜しいでしょうか!」
そこへBクラスの魔族からブラストに声があがった。
「何だ?」
進行を中断させられたブラストは、質問をしてきた魔族に苛立ちを隠さず睨みつける。
「す、すみません! ま、万が一なのですが、リーシャ殿を拘束出来た者が居た場合、その後に全員が触れる事になった場合は、全員が合格となるのですか?」
「へぇ?」
その質問を聞いたリーシャもまた、少しだけ不機嫌そうな声をあげながら手の中でクルクルと短剣を器用にまわしはじめる。
「ククククッ! もちろんだ。拘束どころかリーシャを気絶させた後に全員で触れば、全員が合格になるぞ」
逆にその質問を聞いたブラストは、愉快そうに口角を吊り上げると、リーシャを一瞥して笑うのだった。
「本当性格悪いよね。ブラスト様って」
ニヤニヤとリーシャを見て笑うブラストに向けて、舌を出すリーシャだった。
元々中立の立場だった彼らは、互いに気が合う者同士だったが、ブラストの質問の回答を聞いた後には、更に士気が高まったようで協力し合うように、話合いを始めるのだった。
Bクラスに参加する者達は数が多く、少なくてもAクラスの十倍近い人数である。それも一体一体の戦力値も平均すれば200億付近という事もあり、Bクラスの参加者は大好機だと考えたようであった。
…………
中央大陸にある魔王城の近くにあるこの訓練施設は外から見れば、何も変わっていないように見えるが、現在ブラストの結界によって、一つの広い空間に広げられている。
実際に中に居る者達は、外に居るのと同じような感覚であり、数千体居る者達が一斉に、自由に飛び回る事も可能な程に広い。そしてブラストのこの結界の規模はBクラスの者達が、外に居る者達に攻撃を加えたところで全て結界に防がれる為に、攻撃が外に漏れる事は無い。
つまりBクラスの者達は全力でオーラを纏って、極大魔法などを放っても問題無いわけである。
「それでは試験を始める。準備はいいか?」
「「応!!」」
こうしてBクラスの序列入りを掛けた試験が始まるのであった。
……
……
……
「いい? 貴方はまだBクラスにも参加出来る資格も有してはいないけれど、試験を見る事は出来る。慌てなくていいから、その目でしっかりとリーシャ達の動きを視なさい。でも彼らの魔力を感知をしようとする事だけは、絶対にしないようにね?」
「はい、エイネ様!」
結界が施されている為に中から外へは攻撃が漏れる事は無いが、ミデェールの戦力値で中で、戦う魔族達の戦力値を測ろうとすれば、今はまだ使えない『漏出』であっても、突然体現する可能性が存在し、脳が焼き切れる恐れがある為『魔力感知』だけは使うなと再びミデェールに告げるエイネであった。
こうしてエイネに見学するようにと言われたミデェールは『金色のオーラ』を纏いながら試合の観戦を始めるのだった。
ルールとしては至極単純なモノで、結界によって広くなった会場内で制限時間内に、リーシャの体のどこかを触れると合格となる。
つまりリーシャを誰かが取り押さえる事が出来た場合、一気に大勢の者達が『序列入り』を果たす事も可能という事になる。
Aクラスでの試験内容では同じく九大魔王のイリーガルと戦って傷をつけなければならない為、そう考えると、Bクラスの試験は簡単なように思う内容だった。
実際にBクラスの者達はこの試験内容を聞いた事で、笑みを浮かべている者達も大勢居るのだった。
「それでは制限時間を発表するが、Bクラスの試験は五分だ。五分以内にリーシャの体に触れられた者は、その時点で合格とする」
ブラストから遂にこの施設に居る者達に、制限時間等も発表された。再びBクラスの者達がザワつき、各々で作戦を立て始める。
「ブラスト殿。質問をしても宜しいでしょうか!」
そこへBクラスの魔族からブラストに声があがった。
「何だ?」
進行を中断させられたブラストは、質問をしてきた魔族に苛立ちを隠さず睨みつける。
「す、すみません! ま、万が一なのですが、リーシャ殿を拘束出来た者が居た場合、その後に全員が触れる事になった場合は、全員が合格となるのですか?」
「へぇ?」
その質問を聞いたリーシャもまた、少しだけ不機嫌そうな声をあげながら手の中でクルクルと短剣を器用にまわしはじめる。
「ククククッ! もちろんだ。拘束どころかリーシャを気絶させた後に全員で触れば、全員が合格になるぞ」
逆にその質問を聞いたブラストは、愉快そうに口角を吊り上げると、リーシャを一瞥して笑うのだった。
「本当性格悪いよね。ブラスト様って」
ニヤニヤとリーシャを見て笑うブラストに向けて、舌を出すリーシャだった。
元々中立の立場だった彼らは、互いに気が合う者同士だったが、ブラストの質問の回答を聞いた後には、更に士気が高まったようで協力し合うように、話合いを始めるのだった。
Bクラスに参加する者達は数が多く、少なくてもAクラスの十倍近い人数である。それも一体一体の戦力値も平均すれば200億付近という事もあり、Bクラスの参加者は大好機だと考えたようであった。
…………
中央大陸にある魔王城の近くにあるこの訓練施設は外から見れば、何も変わっていないように見えるが、現在ブラストの結界によって、一つの広い空間に広げられている。
実際に中に居る者達は、外に居るのと同じような感覚であり、数千体居る者達が一斉に、自由に飛び回る事も可能な程に広い。そしてブラストのこの結界の規模はBクラスの者達が、外に居る者達に攻撃を加えたところで全て結界に防がれる為に、攻撃が外に漏れる事は無い。
つまりBクラスの者達は全力でオーラを纏って、極大魔法などを放っても問題無いわけである。
「それでは試験を始める。準備はいいか?」
「「応!!」」
こうしてBクラスの序列入りを掛けた試験が始まるのであった。
……
……
……
「いい? 貴方はまだBクラスにも参加出来る資格も有してはいないけれど、試験を見る事は出来る。慌てなくていいから、その目でしっかりとリーシャ達の動きを視なさい。でも彼らの魔力を感知をしようとする事だけは、絶対にしないようにね?」
「はい、エイネ様!」
結界が施されている為に中から外へは攻撃が漏れる事は無いが、ミデェールの戦力値で中で、戦う魔族達の戦力値を測ろうとすれば、今はまだ使えない『漏出』であっても、突然体現する可能性が存在し、脳が焼き切れる恐れがある為『魔力感知』だけは使うなと再びミデェールに告げるエイネであった。
こうしてエイネに見学するようにと言われたミデェールは『金色のオーラ』を纏いながら試合の観戦を始めるのだった。
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