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天才同士は惹かれ合う編
718.情熱的な口づけと、決意の言葉
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ミデェールの言葉に固まってしまった『エイネ』に対して、フィリーが口を開いた。
「エイネさん、彼は本気で貴方を慕っています。どうか彼の気持ちを汲んで頂けないでしょうか」
「そ、そんな事を言われても……。急にそんな事を言われても……!」
面と向かって好きと言われた事の無い『女帝』は、流石にこれだけの好意を唐突に向けられた事で、普段の強気は鳴りを潜めては、チラチラとミデェールの顔を見る。
「うっぅ……」
しかしエイネが視線を合わせても一切その視線を逸らさずに見つめ続けるミデェールに、逆にエイネが視線を外すのだった。
告白をされた経験のないエイネにとっては余程の衝撃だったらしく、先程までのような反論が、出来なくなってしまったのだった。
「僕は今後も貴方と一緒に生きていきたい。ここで貴方と今生の別れとなるくらいなら、貴方の手で僕を殺してください」
その言葉にエイネは素に戻った。そんな簡単に命を落とすと告げたミデェールに対して、エイネは我慢ならなかったのである。
しかしエイネがミデェールに説教をしようと口を開きかけたが、その口がものを申す事は敵わなかった。なんと強引にエイネの唇をミデェールが奪ったからであった。
「!?」
エイネの目が見開かれる。そして自分の唇に他人の唇が、触れているという事を理解したエイネは、もはや何も行動をとる事が出来なくなり、されるがままに身体を固くするのだった。
「あらまぁ……。流石にそこまでやる……のかぁ」
横でミデェールの援護をしていたフィリーだったが、流石に目の前でキスまでするとまでは、思っていなかったのだろう。二人の様子を食い入るように見つめた後、顔を紅色に染めながらそう呟いた。
やがて二人の唇が離れたかと思うと、一層目力が強まったミデェールが口を開いた。
「約束します。貴方の住まう危険な世界の中であっても、貴方を守れる程に強い男に僕はなってみせます! そして貴方の仕える方に僕を紹介して下さい。絶対に納得させて見せます!」
今のミデェールは魔人族に隷属させられている事に何の疑問も持たずに生きていた魔族では無く、エイネ達『九大魔王』のように、心から芯の通った強い強い信念。その意思が感じられた。
エイネの心が目の前の男に奪われていく。その奪われる感覚を今、エイネは全身で感じている。
これはどう足掻いても抵抗できるものでは無いとエイネは、心の根深いところで理解させられたのだった。
まさに強烈な一撃をエイネは受ける事となった。他人と恋に落ちた事の無いエイネにとって、未体験の抗えない感情。そして今、誰でも無く自分自身が強く、ミデェールと離れたくないと思わされている。
組織の魔族達から命を狙われていた時以上の焦りと不安と期待の感情が、今エイネの胸の中で渦巻いている。
偽りの無い本心だからこそ、これだけエイネの心を揺さぶるのである。そして今『ミデェール』の周囲を『金色のオーラ』が包んでいる。
どうやら自分自身でもそれを気づいてはいないようだが、如何にエイネに対して、全力かを伝えるかの如く、その煌びやかな金色は光り輝いていた。
「エイネ殿。この男はどうやら本気のようだ。もう認めてやってはどうかな? ソフィにはワシからも伝えてやろう」
「!?」
「!?」
「!?」
部屋の中から今まで居なかった人物からの突然の言葉に、エイネもミデェールもフィリーも驚きながら視線を一体の魔族に向けた。
――その魔族の名は『フルーフ』。
この大魔王は最愛の娘であるレアと再会を果たした後、ソフィ達の話を終えた後に約束通り、このアサの世界に戻ってきたのであった。
エイネであってもフルーフが喋るまで気づかなかったという事は、どうやらミデェールが、エイネに告白をする前にはこの部屋に居たのだろう。そしてフルーフはこの世界に戻ってきた時、エイネとミデェールの醸し出す空気に読んで字のごとく空気を読んで『隠幕』を使って成り行きを見守っていたのだろう。
ようやく収まりがつきそうだと感じたフルーフは、そこで言葉を発したというワケであった。
「ふ、フルーフ様……!」
「エイネ殿。ここまでしてみせた男に、恥をかかすのはよくないのではないか? そこの魔族の男は決死の覚悟をみせておる。ワシから見てもまさに死すらも厭わぬ覚悟じゃ」
そのフルーフの言葉に、エイネは俯き唇の端を薄く噛んだ。言われなくてもエイネにも『ミデェール』の覚悟は伝わっているのだった。
……
……
……
「エイネさん、彼は本気で貴方を慕っています。どうか彼の気持ちを汲んで頂けないでしょうか」
「そ、そんな事を言われても……。急にそんな事を言われても……!」
面と向かって好きと言われた事の無い『女帝』は、流石にこれだけの好意を唐突に向けられた事で、普段の強気は鳴りを潜めては、チラチラとミデェールの顔を見る。
「うっぅ……」
しかしエイネが視線を合わせても一切その視線を逸らさずに見つめ続けるミデェールに、逆にエイネが視線を外すのだった。
告白をされた経験のないエイネにとっては余程の衝撃だったらしく、先程までのような反論が、出来なくなってしまったのだった。
「僕は今後も貴方と一緒に生きていきたい。ここで貴方と今生の別れとなるくらいなら、貴方の手で僕を殺してください」
その言葉にエイネは素に戻った。そんな簡単に命を落とすと告げたミデェールに対して、エイネは我慢ならなかったのである。
しかしエイネがミデェールに説教をしようと口を開きかけたが、その口がものを申す事は敵わなかった。なんと強引にエイネの唇をミデェールが奪ったからであった。
「!?」
エイネの目が見開かれる。そして自分の唇に他人の唇が、触れているという事を理解したエイネは、もはや何も行動をとる事が出来なくなり、されるがままに身体を固くするのだった。
「あらまぁ……。流石にそこまでやる……のかぁ」
横でミデェールの援護をしていたフィリーだったが、流石に目の前でキスまでするとまでは、思っていなかったのだろう。二人の様子を食い入るように見つめた後、顔を紅色に染めながらそう呟いた。
やがて二人の唇が離れたかと思うと、一層目力が強まったミデェールが口を開いた。
「約束します。貴方の住まう危険な世界の中であっても、貴方を守れる程に強い男に僕はなってみせます! そして貴方の仕える方に僕を紹介して下さい。絶対に納得させて見せます!」
今のミデェールは魔人族に隷属させられている事に何の疑問も持たずに生きていた魔族では無く、エイネ達『九大魔王』のように、心から芯の通った強い強い信念。その意思が感じられた。
エイネの心が目の前の男に奪われていく。その奪われる感覚を今、エイネは全身で感じている。
これはどう足掻いても抵抗できるものでは無いとエイネは、心の根深いところで理解させられたのだった。
まさに強烈な一撃をエイネは受ける事となった。他人と恋に落ちた事の無いエイネにとって、未体験の抗えない感情。そして今、誰でも無く自分自身が強く、ミデェールと離れたくないと思わされている。
組織の魔族達から命を狙われていた時以上の焦りと不安と期待の感情が、今エイネの胸の中で渦巻いている。
偽りの無い本心だからこそ、これだけエイネの心を揺さぶるのである。そして今『ミデェール』の周囲を『金色のオーラ』が包んでいる。
どうやら自分自身でもそれを気づいてはいないようだが、如何にエイネに対して、全力かを伝えるかの如く、その煌びやかな金色は光り輝いていた。
「エイネ殿。この男はどうやら本気のようだ。もう認めてやってはどうかな? ソフィにはワシからも伝えてやろう」
「!?」
「!?」
「!?」
部屋の中から今まで居なかった人物からの突然の言葉に、エイネもミデェールもフィリーも驚きながら視線を一体の魔族に向けた。
――その魔族の名は『フルーフ』。
この大魔王は最愛の娘であるレアと再会を果たした後、ソフィ達の話を終えた後に約束通り、このアサの世界に戻ってきたのであった。
エイネであってもフルーフが喋るまで気づかなかったという事は、どうやらミデェールが、エイネに告白をする前にはこの部屋に居たのだろう。そしてフルーフはこの世界に戻ってきた時、エイネとミデェールの醸し出す空気に読んで字のごとく空気を読んで『隠幕』を使って成り行きを見守っていたのだろう。
ようやく収まりがつきそうだと感じたフルーフは、そこで言葉を発したというワケであった。
「ふ、フルーフ様……!」
「エイネ殿。ここまでしてみせた男に、恥をかかすのはよくないのではないか? そこの魔族の男は決死の覚悟をみせておる。ワシから見てもまさに死すらも厭わぬ覚悟じゃ」
そのフルーフの言葉に、エイネは俯き唇の端を薄く噛んだ。言われなくてもエイネにも『ミデェール』の覚悟は伝わっているのだった。
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