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愛娘を探して編
620.魔力回復の手立て
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エイネがコテージに戻るとすでに『フルーフ』は目を覚ましていて、ベッドの上で身体を起こしているところだった。
「起きられたのですね。フルーフ様!」
エイネがこちらに向かってきた事を既に感知していたのだろう。フルーフは驚きもせずにエイネを一瞥する。
「ああ。お主がワシを助けてくれたようじゃな。礼を言うぞ」
「いやはや驚きましたよフルーフ様! まさか『アレルバレル』の世界で行方知れずになった貴方にこの『アサ』の世界で再び出会えるとは思いもしませんでした。今までこの世界に居たのですか?」
「恥ずかしい事だが、最近までミラという人間に操られて『ダール』という世界に居たようなのだ。目覚めたのはつい先日の事で、すぐにワシは『アレルバレル』の世界へ向かおうとしたところを再び奴らに妨害されて気が付けばこの世界に『世界間移動』したようなのだ」
『世界間移動』の言葉に反応を見せたエイネは目を丸くする。
「そ、その『世界間移動』とはまさか『概念跳躍』の魔法の事ですか!?」
「む? ああ。その通りだが驚いたな。お主もワシの魔法を知っておるようだ」
「は、はい! 貴方が開発したその『概念跳躍』という魔法によって、私も『アレルバレル』の世界からこの世界へと『煌聖の教団』の者に跳ばされてしまったのです」
エイネの言葉に驚くフルーフは、ようやく先程のエイネの言葉を思い出して察し始める。
「そうか。先程お主は『アレルバレル』の世界で行方知れずになった、ワシの事を知っておるといっておったな」
「私は大魔王ソフィの配下の魔族です。そ、そしてフルーフ様に折り入って相談があります」
真剣な目を浮かべてそう告げるエイネに、フルーフは眉を寄せながらエイネの顔を見る。
「私も一緒に『アレルバレル』の世界へ連れて行ってください! 一刻も早く戻らなければならないのです! わ、私には大事な仲間が待っているのです!」
ベッドの上のフルーフの両肩を掴み必死に告げるエイネに、フルーフは落ち着けとばかりにエイネの腕をとる。
「それは構わぬのだがな。残念な事に今のワシは『魔力』が枯渇しておるようなのだ。ようやく身体が動く程度には回復しておるようじゃが『概念跳躍』を使える程の『魔力』は残っておらぬようだ」
フルーフの言葉にようやくエイネは、彼が『魔力枯渇』を起こして意識を失っていた事を思い出すのだった。
「あ……。す、すみません……!」
「いや、お主がどれ程までに必死なのかは理解した。それにソフィの大事な配下の願いだ。約束しよう。間違いなくワシがお主を『アレルバレル』の世界へと連れていってやるからの」
「あ、ありがとうございます! で、では『魔力』が戻るまでの間に、何かあれば私を頼ってください。さしあたっては、私が持つ魔力回復のマジックアイテムをお使い下さい」
そう言ってエイネは小棚の引き出しを開けて、魔力回復の効果のある『水』を取り出そうとする。
「あ、ああ。すまぬな。しかしもうワシの魔力は安定期に入っておる。マジックアイテムを頼らずとも少し休めば自力で回復出来るじゃろう。だからその貴重な『マジックアイテム』は、自分の為に残しておくがいいぞ?」
この世界だけではなく、あらゆる世界にある『マジックアイテム』だが、魔力を回復させるマジックアイテムはどの世界であってもとても貴重なモノなのである。それでもエイネが持ち出したマジックアイテムは、飲むだけで魔力が全回復するような代物ではなく、飲む者の魔力を回復させるように身体の流れを促進させる程度のモノである。
飲むだけで魔力を全回復させるような『マジックアイテム』は希少価値が高く数が少ない。
(※『リラリオ』の世界では、飲むだけで魔力が七割程戻すだけの効力の『マジックアイテム』であっても『光金貨数』が10枚以上は必要となる程の価値がある)。
つまりすでにエイネの持っている魔力回復の薬を使っているフルーフには同じ『マジックアイテム』は効果が薄い為に、もう使っても意味がないのであった。
「分かりました。それでは私は隣の部屋にいますので、何かあれば声をおかけくださいね」
「うむ。すまぬな」
互いに頷きを交わした後に『エイネ』が部屋から出て行こうとするが、入り口で足を止めて振り返った。
「ところでフルーフ様。レアさんにはもう会われたのですか?」
「!?」
フルーフは慌てて顔をあげてエイネを見る。そのフルーフの顔はここにきて初めて見せる程の驚愕の表情をしていたのだった。
……
……
……
「起きられたのですね。フルーフ様!」
エイネがこちらに向かってきた事を既に感知していたのだろう。フルーフは驚きもせずにエイネを一瞥する。
「ああ。お主がワシを助けてくれたようじゃな。礼を言うぞ」
「いやはや驚きましたよフルーフ様! まさか『アレルバレル』の世界で行方知れずになった貴方にこの『アサ』の世界で再び出会えるとは思いもしませんでした。今までこの世界に居たのですか?」
「恥ずかしい事だが、最近までミラという人間に操られて『ダール』という世界に居たようなのだ。目覚めたのはつい先日の事で、すぐにワシは『アレルバレル』の世界へ向かおうとしたところを再び奴らに妨害されて気が付けばこの世界に『世界間移動』したようなのだ」
『世界間移動』の言葉に反応を見せたエイネは目を丸くする。
「そ、その『世界間移動』とはまさか『概念跳躍』の魔法の事ですか!?」
「む? ああ。その通りだが驚いたな。お主もワシの魔法を知っておるようだ」
「は、はい! 貴方が開発したその『概念跳躍』という魔法によって、私も『アレルバレル』の世界からこの世界へと『煌聖の教団』の者に跳ばされてしまったのです」
エイネの言葉に驚くフルーフは、ようやく先程のエイネの言葉を思い出して察し始める。
「そうか。先程お主は『アレルバレル』の世界で行方知れずになった、ワシの事を知っておるといっておったな」
「私は大魔王ソフィの配下の魔族です。そ、そしてフルーフ様に折り入って相談があります」
真剣な目を浮かべてそう告げるエイネに、フルーフは眉を寄せながらエイネの顔を見る。
「私も一緒に『アレルバレル』の世界へ連れて行ってください! 一刻も早く戻らなければならないのです! わ、私には大事な仲間が待っているのです!」
ベッドの上のフルーフの両肩を掴み必死に告げるエイネに、フルーフは落ち着けとばかりにエイネの腕をとる。
「それは構わぬのだがな。残念な事に今のワシは『魔力』が枯渇しておるようなのだ。ようやく身体が動く程度には回復しておるようじゃが『概念跳躍』を使える程の『魔力』は残っておらぬようだ」
フルーフの言葉にようやくエイネは、彼が『魔力枯渇』を起こして意識を失っていた事を思い出すのだった。
「あ……。す、すみません……!」
「いや、お主がどれ程までに必死なのかは理解した。それにソフィの大事な配下の願いだ。約束しよう。間違いなくワシがお主を『アレルバレル』の世界へと連れていってやるからの」
「あ、ありがとうございます! で、では『魔力』が戻るまでの間に、何かあれば私を頼ってください。さしあたっては、私が持つ魔力回復のマジックアイテムをお使い下さい」
そう言ってエイネは小棚の引き出しを開けて、魔力回復の効果のある『水』を取り出そうとする。
「あ、ああ。すまぬな。しかしもうワシの魔力は安定期に入っておる。マジックアイテムを頼らずとも少し休めば自力で回復出来るじゃろう。だからその貴重な『マジックアイテム』は、自分の為に残しておくがいいぞ?」
この世界だけではなく、あらゆる世界にある『マジックアイテム』だが、魔力を回復させるマジックアイテムはどの世界であってもとても貴重なモノなのである。それでもエイネが持ち出したマジックアイテムは、飲むだけで魔力が全回復するような代物ではなく、飲む者の魔力を回復させるように身体の流れを促進させる程度のモノである。
飲むだけで魔力を全回復させるような『マジックアイテム』は希少価値が高く数が少ない。
(※『リラリオ』の世界では、飲むだけで魔力が七割程戻すだけの効力の『マジックアイテム』であっても『光金貨数』が10枚以上は必要となる程の価値がある)。
つまりすでにエイネの持っている魔力回復の薬を使っているフルーフには同じ『マジックアイテム』は効果が薄い為に、もう使っても意味がないのであった。
「分かりました。それでは私は隣の部屋にいますので、何かあれば声をおかけくださいね」
「うむ。すまぬな」
互いに頷きを交わした後に『エイネ』が部屋から出て行こうとするが、入り口で足を止めて振り返った。
「ところでフルーフ様。レアさんにはもう会われたのですか?」
「!?」
フルーフは慌てて顔をあげてエイネを見る。そのフルーフの顔はここにきて初めて見せる程の驚愕の表情をしていたのだった。
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