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闘技場編
520.キーリVSリディア2
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鮮やかな青と紅の二色のオーラを纏っていたキーリだが、そこに最初に纏っていた緑のオーラが小さくではあるが、しかし確実に混ざっていた。
【種族:龍族 名前:キーリ(人型+『三色混合』)戦力値:28億500万】。
キーリは『始祖龍化』をしていないというのに、あの大魔王ヴァルテンと戦った時のような、多大な戦力値上昇に成功するのだった。
「大した戦力値の上昇だが、それで戦うつもりか?」
目の前で自分の戦力値を遥かに越えて行った『キーリ』にそう吐き捨てると、リディアはラルフと戦った時のように『神疾』を使い始める。
「ああ、そうだ! お前が俺を指名したっつー事は、俺には勝てると判断したからだろう? だったらその判断が間違っていたって事を教えてやらないとなぁっ!」
「ふんっ……。大した自信のようだが……。それが最後まで持てばいいがな」
28億という驚異的なの戦力値上昇を果たしたキーリは、真っすぐにリディアに向かっていった。
抜刀の構えを止めた『リディア』は『金色』を纏い『神疾』を使ってリング上を高速で移動していく。
まるで『妖精の施翼』を使ったかのような、恐ろしい程の速度を見せるリディアだが『三色混合』を用いたキーリの方が疾い――。
あっと言う間に距離を詰められたリディアは、刀を使ってなんとかキーリの攻撃を防ぐ。しかしキーリの攻撃力の前には、金色と障壁を纏うリディアであっても容易く吹き飛ばされてしまうのだった。
――しかしリディアはそれでも気を失う事はなかった。
ジリ貧な行為ではあったが、何度もキーリに距離を詰められながら攻撃を加えられても『リディア』は攻撃を凌いでいく。それでもダメージは負ったようだが、致命的な一撃を受けずに流し続ける。
「さっさと諦めたらどうだ人間? このまま続けたところで俺には勝てないぜ?」
リング上を縦横無尽に駆け回る両者の攻防は続いていく。これだけキーリの攻撃を耐え続けているリディアはすでに魔族で言えば『大魔王』の『中位領域』には十分に達している事だろう。
……
……
……
「さ、流石、この世界の調停者と言われた龍族の王『キーリ』殿だな! け、桁外れな強さだ……!」
シチョウは特別室の椅子から立ち上がって、食い入るようにリング上を見つめていた。
「うむ……。確かに『三色混合』は驚かされた……」
(キーリの奴はこのまま最後まで『龍化』ではなく、あのオーラのままで戦い続けるつもりなのか?)
シチョウの言葉に頷いては見せたが、ソフィは自身の配下のキーリが、押しているというこの状況にも拘らず、どこか残念そうに、キーリを見つめるのだった。
(確かに『三色混合』という発想にいきつき、ある程度の魔力コントロールを用いて、あれだけの時間を体現出来ている事自体は大したものだと思うが、このまま戦い続けるのはまずいな……)
今のキーリは確かに強く並の大魔王階級であれば、あっさりと勝負は決まっていただろう。
しかしこれだけキーリの攻撃を凌ぎ切る以上は、このまま戦う事はキーリにとって得策ではないと、ソフィは、この勝負の行きつく先を察するのだった。
……
……
……
何度も何度もキーリは攻撃を繰り返すが、リディアはダメージを負いながらも、何かを待つように耐え続ける。やがてキーリはこの同じ展開に飽きたのか攻撃の手を止めながら、高速で頭上高く舞い上がった。
「殺さねぇように、手加減はしてやるよ!」
キィイインという音と共にキーリは、真下のリングごとリディアを狙うように両手にオーラを集約させる。
――この構えから繰り出される『技法』は、龍族『キーリ』の必殺技であった。
「くらいやがれぇっ!!」
――『龍滅』。
脅威的な威力と速度を持ったキーリの『龍滅』は、真っすぐにリディアに向かっていった。この勝負を見ている多くの者達は、キーリの勝利を信じて疑わなかっただろう。
――しかし。
「いよいよ膨大な魔力を消費したな? そいつを待っていたぞ!」
光がリディアの頭上に降り注ぎ、呑み込まれようとしたその瞬間。リディアは持っていた刀に『金色』を纏わせながら、自らキーリの『龍滅』に向かい飛翔するのだった。
リディアは両手に魔力を込めて『柄のない二刀の光輝く刀』を具現化させると、光り輝く二刀の刀を右手で真横に斬りながら左手で縦に斬り結ぶ。
かつてソフィの極大魔法すら斬って見せたリディアの剣技は、キーリの『龍滅』すらも斬った――。
そしてそのままの勢いで真っすぐに下から『キーリ』を目掛けて『リディア』はグングン迫っていく。
「な、馬鹿な……っ!!」
キーリは自分の『龍滅』を斬られるとは思わず、すぐに向かってくるリディアを撃墜しようと、再びオーラを纏おうとするが『三色混合』どころか『二色の併用』。いや『青』や『紅』そして『緑』のどのオーラも発動出来なかった。
それどころか空を飛ぶ事すら出来ずに態勢を崩して、キーリはそのまま地面に落下していく。
「ま、まずい。もう俺の魔力が……!?」
今頃になって自分の魔力切れを自覚したキーリは、自分が今どれだけ危ない状況にいるかをようやく察するのだった。
――下から跳躍してくるリディアと空から落ちるキーリ。
互いの距離が縮まっていき、そしてリディアは再び刀を突き出す。
――『空蝉十字斬り』。
「ぐはっ……!!」
何とか両手に残った魔力で『障壁』を展開しながら防御を行ったキーリだったが、それで完全に魔力は枯渇してしまい、魔力切れを起こして意識を失いながら地面に落ちていくのだった。
「どうやら読み通りだった。俺の勝ちだ」
そう言うとリディアは持っていた刀を捨てて、キーリの小柄な身体に手を伸ばしながら落ちてくる。そして何とかキーリを両手で抱き抱えると、金色のオーラを纏いながら地面に着地する。
――そして気を失ったキーリを両手で抱き抱えたまま、リディアは審判の顔を見るのだった。
「あ……っ! しょ、勝者、リディア選手!」
「「「うおおおお!!」」」
――次の瞬間。固唾をのみ込んで勝負を食い入るように見ていた観客達は、一斉に歓声を上げるのだった。
【種族:龍族 名前:キーリ(人型+『三色混合』)戦力値:28億500万】。
キーリは『始祖龍化』をしていないというのに、あの大魔王ヴァルテンと戦った時のような、多大な戦力値上昇に成功するのだった。
「大した戦力値の上昇だが、それで戦うつもりか?」
目の前で自分の戦力値を遥かに越えて行った『キーリ』にそう吐き捨てると、リディアはラルフと戦った時のように『神疾』を使い始める。
「ああ、そうだ! お前が俺を指名したっつー事は、俺には勝てると判断したからだろう? だったらその判断が間違っていたって事を教えてやらないとなぁっ!」
「ふんっ……。大した自信のようだが……。それが最後まで持てばいいがな」
28億という驚異的なの戦力値上昇を果たしたキーリは、真っすぐにリディアに向かっていった。
抜刀の構えを止めた『リディア』は『金色』を纏い『神疾』を使ってリング上を高速で移動していく。
まるで『妖精の施翼』を使ったかのような、恐ろしい程の速度を見せるリディアだが『三色混合』を用いたキーリの方が疾い――。
あっと言う間に距離を詰められたリディアは、刀を使ってなんとかキーリの攻撃を防ぐ。しかしキーリの攻撃力の前には、金色と障壁を纏うリディアであっても容易く吹き飛ばされてしまうのだった。
――しかしリディアはそれでも気を失う事はなかった。
ジリ貧な行為ではあったが、何度もキーリに距離を詰められながら攻撃を加えられても『リディア』は攻撃を凌いでいく。それでもダメージは負ったようだが、致命的な一撃を受けずに流し続ける。
「さっさと諦めたらどうだ人間? このまま続けたところで俺には勝てないぜ?」
リング上を縦横無尽に駆け回る両者の攻防は続いていく。これだけキーリの攻撃を耐え続けているリディアはすでに魔族で言えば『大魔王』の『中位領域』には十分に達している事だろう。
……
……
……
「さ、流石、この世界の調停者と言われた龍族の王『キーリ』殿だな! け、桁外れな強さだ……!」
シチョウは特別室の椅子から立ち上がって、食い入るようにリング上を見つめていた。
「うむ……。確かに『三色混合』は驚かされた……」
(キーリの奴はこのまま最後まで『龍化』ではなく、あのオーラのままで戦い続けるつもりなのか?)
シチョウの言葉に頷いては見せたが、ソフィは自身の配下のキーリが、押しているというこの状況にも拘らず、どこか残念そうに、キーリを見つめるのだった。
(確かに『三色混合』という発想にいきつき、ある程度の魔力コントロールを用いて、あれだけの時間を体現出来ている事自体は大したものだと思うが、このまま戦い続けるのはまずいな……)
今のキーリは確かに強く並の大魔王階級であれば、あっさりと勝負は決まっていただろう。
しかしこれだけキーリの攻撃を凌ぎ切る以上は、このまま戦う事はキーリにとって得策ではないと、ソフィは、この勝負の行きつく先を察するのだった。
……
……
……
何度も何度もキーリは攻撃を繰り返すが、リディアはダメージを負いながらも、何かを待つように耐え続ける。やがてキーリはこの同じ展開に飽きたのか攻撃の手を止めながら、高速で頭上高く舞い上がった。
「殺さねぇように、手加減はしてやるよ!」
キィイインという音と共にキーリは、真下のリングごとリディアを狙うように両手にオーラを集約させる。
――この構えから繰り出される『技法』は、龍族『キーリ』の必殺技であった。
「くらいやがれぇっ!!」
――『龍滅』。
脅威的な威力と速度を持ったキーリの『龍滅』は、真っすぐにリディアに向かっていった。この勝負を見ている多くの者達は、キーリの勝利を信じて疑わなかっただろう。
――しかし。
「いよいよ膨大な魔力を消費したな? そいつを待っていたぞ!」
光がリディアの頭上に降り注ぎ、呑み込まれようとしたその瞬間。リディアは持っていた刀に『金色』を纏わせながら、自らキーリの『龍滅』に向かい飛翔するのだった。
リディアは両手に魔力を込めて『柄のない二刀の光輝く刀』を具現化させると、光り輝く二刀の刀を右手で真横に斬りながら左手で縦に斬り結ぶ。
かつてソフィの極大魔法すら斬って見せたリディアの剣技は、キーリの『龍滅』すらも斬った――。
そしてそのままの勢いで真っすぐに下から『キーリ』を目掛けて『リディア』はグングン迫っていく。
「な、馬鹿な……っ!!」
キーリは自分の『龍滅』を斬られるとは思わず、すぐに向かってくるリディアを撃墜しようと、再びオーラを纏おうとするが『三色混合』どころか『二色の併用』。いや『青』や『紅』そして『緑』のどのオーラも発動出来なかった。
それどころか空を飛ぶ事すら出来ずに態勢を崩して、キーリはそのまま地面に落下していく。
「ま、まずい。もう俺の魔力が……!?」
今頃になって自分の魔力切れを自覚したキーリは、自分が今どれだけ危ない状況にいるかをようやく察するのだった。
――下から跳躍してくるリディアと空から落ちるキーリ。
互いの距離が縮まっていき、そしてリディアは再び刀を突き出す。
――『空蝉十字斬り』。
「ぐはっ……!!」
何とか両手に残った魔力で『障壁』を展開しながら防御を行ったキーリだったが、それで完全に魔力は枯渇してしまい、魔力切れを起こして意識を失いながら地面に落ちていくのだった。
「どうやら読み通りだった。俺の勝ちだ」
そう言うとリディアは持っていた刀を捨てて、キーリの小柄な身体に手を伸ばしながら落ちてくる。そして何とかキーリを両手で抱き抱えると、金色のオーラを纏いながら地面に着地する。
――そして気を失ったキーリを両手で抱き抱えたまま、リディアは審判の顔を見るのだった。
「あ……っ! しょ、勝者、リディア選手!」
「「「うおおおお!!」」」
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