474 / 1,915
残された九大魔王編
463.組織の最高幹部
しおりを挟む
「いやはや驚きましたね『化け物』は一人だけではありませんでしたか」
『智謀』を少々侮っていたと認めたルビリスはそう口にする。
「カッカッカ! まだまだ主程度に遅れを取る程老いぼれては居らぬぞ」
勝ち誇る『ディアトロス』の言葉に舌打ちをする『ルビリス』であった。
「たった三体まで減らして尚、やはり『九大魔王』達を集わせると厄介です。これは更に分散させておかなければいけませんねぇ?」
ルビリスがそう言うと自らを包囲している『ディアトロス』『イリーガル』『リーシャ』の背後の空間に亀裂が入り、その空間から人影が現れ始める。
「!?」
彼らが慌てて振り返るが次の瞬間――。
――神域『時』魔法、『概念跳躍』。
「ま、まずい! お主ら! 直ぐにこの場から離れるんじゃ!」
ディアトロスの言葉を聞いた瞬間、イリーガルとリーシャは一瞬で行動を開始して突如現れた『組織』の者達が放った『時魔法』から、何とか逃れる事に成功する。
「やれやれ、誰一人として跳ばす事が出来ないとはね」
背後からディアトロスを魔法で別世界へ跳ばそうとしたが、あっさりと躱された事でそう呟き、掛けている眼鏡のズレを直し始める。
「どうやら司令官殿が戦っていた相手は、皆優秀だったらしいですね」
リーシャ側の背後に現れた『人間』が、舌打ちをしながらそう口にする。
「前に跳ばした時は、上手くいったんだがなぁ?」
そしてイリーガルを跳ばそうとした、筋肉隆々の魔族が最後に口を開いた。
――この場に現れた彼らは『組織の最高幹部達』であった。
…………
「上手く隙をついたと思ったんですがねぇ」
「ワシらに包囲されたのはわざとでも言いたいのか若造?」
ルビリスが嗤いながらそう言うと、ディアトロスが煽るように口を開いた。
「ふふ。まぁそんなところですよ。彼らが来るのは分かっていたのでね。しかし先程も『リベイル』さんが仰っていたように、一人くらい跳ばせると思っていたのですが。残念です」
ルビリスが眼鏡を掛けている男の方に、視線をやりながらそう口にする。
「前回のようには上手く行きませんでしたね」
リベイルと呼ばれた眼鏡を掛けている男がそう言うと、リーシャは何かを思い出したのか、リベイルの方を睨みつける。
「あ! あんた……! 集落に居たあたし達を襲ってエイネさんをどっかにやったクソ魔族かぁ!!」
みるみるリーシャの表情が変わっていき、今にも襲い掛かろうとする。
「ん? ああ、貴方は確かあの時の集落に居た……」
リベイルは自分を睨みつけるリーシャの顔を思い出したのかそう告げる。
「あ、あんただけは、絶対に許さない!」
リーシャの言葉を聞いてリベイルは溜息を吐く。
「そういえば『女帝』は、未熟な貴方を庇って私の魔法で跳ばされたんでしたっけね? いやぁ、あの時はあなたのような足手まといが居てくれて助かりましたよ」
そういって厭らしい笑みを浮かべながらリベイルは、眼鏡のブリッジを人差し指で上げる。
「な、んだとぉ!!」
「落ち着けリーシャよ、奴はお主を怒らせようとしておるのじゃ」
リベイルに襲い掛かろうと、初速に入った『リーシャ』を『ディアトロス』が強引にその場に押し留める。
「で、ですが! あいつにエイネさんが……!」
下唇を噛みながら悔しそうにリーシャがそう口にする。
「茶番は終わりか? どうせお前らもここで死ぬんだからよ? 誰が誰に跳ばされたとかどうでもいいだろう? さっさとくたばれ馬鹿共」
筋肉隆々の組織の魔族『セルバス』が、どうでもいいとばかりにそう告げる。
その言葉に怒り心頭とばかりにリーシャは『金色』を纏い始める。リーシャを止めたのが『ディアトロス』でなければすでに襲い掛かっていただろう。何とか衝動を堪えてリベイル達を睨みつけるに留まるリーシャであった。
――現在この場に居る組織の者達の数は四人。
先程までディアトロス達と戦っていた、組織の司令官である『ルビリス』。
そして先程リーシャを煽る真似をした眼鏡を掛けた男が、魔族にして大賢者の『リベイル』。
このリベイルはソフィと戦った時に『リラリオ』で瀕死となった『ヌー』を『ブラスト』と『力の魔神』から助けた時の魔族であった。
次に筋肉隆々で目つきが悪い魔族が大魔王『セルバス』。
『ダール』の世界の支配者であった『イザベラ』と違い、彼自身の実力を『ミラ』に認められて、別世界から強引に引き抜かれた大魔王領域の男である。
最後にリーシャの背後に隠れてしまう程、リーシャより更に小柄な『人間』の女性『ユーミル』。
大賢者ミラが最後に最高幹部へ迎え入れた『ユーミル』は、彼の後継者として認められた程の『大賢者』であった。
――組織に属する『本隊』を率いる最高幹部四人の内、三体がこの場に姿を現したのだった。
『智謀』を少々侮っていたと認めたルビリスはそう口にする。
「カッカッカ! まだまだ主程度に遅れを取る程老いぼれては居らぬぞ」
勝ち誇る『ディアトロス』の言葉に舌打ちをする『ルビリス』であった。
「たった三体まで減らして尚、やはり『九大魔王』達を集わせると厄介です。これは更に分散させておかなければいけませんねぇ?」
ルビリスがそう言うと自らを包囲している『ディアトロス』『イリーガル』『リーシャ』の背後の空間に亀裂が入り、その空間から人影が現れ始める。
「!?」
彼らが慌てて振り返るが次の瞬間――。
――神域『時』魔法、『概念跳躍』。
「ま、まずい! お主ら! 直ぐにこの場から離れるんじゃ!」
ディアトロスの言葉を聞いた瞬間、イリーガルとリーシャは一瞬で行動を開始して突如現れた『組織』の者達が放った『時魔法』から、何とか逃れる事に成功する。
「やれやれ、誰一人として跳ばす事が出来ないとはね」
背後からディアトロスを魔法で別世界へ跳ばそうとしたが、あっさりと躱された事でそう呟き、掛けている眼鏡のズレを直し始める。
「どうやら司令官殿が戦っていた相手は、皆優秀だったらしいですね」
リーシャ側の背後に現れた『人間』が、舌打ちをしながらそう口にする。
「前に跳ばした時は、上手くいったんだがなぁ?」
そしてイリーガルを跳ばそうとした、筋肉隆々の魔族が最後に口を開いた。
――この場に現れた彼らは『組織の最高幹部達』であった。
…………
「上手く隙をついたと思ったんですがねぇ」
「ワシらに包囲されたのはわざとでも言いたいのか若造?」
ルビリスが嗤いながらそう言うと、ディアトロスが煽るように口を開いた。
「ふふ。まぁそんなところですよ。彼らが来るのは分かっていたのでね。しかし先程も『リベイル』さんが仰っていたように、一人くらい跳ばせると思っていたのですが。残念です」
ルビリスが眼鏡を掛けている男の方に、視線をやりながらそう口にする。
「前回のようには上手く行きませんでしたね」
リベイルと呼ばれた眼鏡を掛けている男がそう言うと、リーシャは何かを思い出したのか、リベイルの方を睨みつける。
「あ! あんた……! 集落に居たあたし達を襲ってエイネさんをどっかにやったクソ魔族かぁ!!」
みるみるリーシャの表情が変わっていき、今にも襲い掛かろうとする。
「ん? ああ、貴方は確かあの時の集落に居た……」
リベイルは自分を睨みつけるリーシャの顔を思い出したのかそう告げる。
「あ、あんただけは、絶対に許さない!」
リーシャの言葉を聞いてリベイルは溜息を吐く。
「そういえば『女帝』は、未熟な貴方を庇って私の魔法で跳ばされたんでしたっけね? いやぁ、あの時はあなたのような足手まといが居てくれて助かりましたよ」
そういって厭らしい笑みを浮かべながらリベイルは、眼鏡のブリッジを人差し指で上げる。
「な、んだとぉ!!」
「落ち着けリーシャよ、奴はお主を怒らせようとしておるのじゃ」
リベイルに襲い掛かろうと、初速に入った『リーシャ』を『ディアトロス』が強引にその場に押し留める。
「で、ですが! あいつにエイネさんが……!」
下唇を噛みながら悔しそうにリーシャがそう口にする。
「茶番は終わりか? どうせお前らもここで死ぬんだからよ? 誰が誰に跳ばされたとかどうでもいいだろう? さっさとくたばれ馬鹿共」
筋肉隆々の組織の魔族『セルバス』が、どうでもいいとばかりにそう告げる。
その言葉に怒り心頭とばかりにリーシャは『金色』を纏い始める。リーシャを止めたのが『ディアトロス』でなければすでに襲い掛かっていただろう。何とか衝動を堪えてリベイル達を睨みつけるに留まるリーシャであった。
――現在この場に居る組織の者達の数は四人。
先程までディアトロス達と戦っていた、組織の司令官である『ルビリス』。
そして先程リーシャを煽る真似をした眼鏡を掛けた男が、魔族にして大賢者の『リベイル』。
このリベイルはソフィと戦った時に『リラリオ』で瀕死となった『ヌー』を『ブラスト』と『力の魔神』から助けた時の魔族であった。
次に筋肉隆々で目つきが悪い魔族が大魔王『セルバス』。
『ダール』の世界の支配者であった『イザベラ』と違い、彼自身の実力を『ミラ』に認められて、別世界から強引に引き抜かれた大魔王領域の男である。
最後にリーシャの背後に隠れてしまう程、リーシャより更に小柄な『人間』の女性『ユーミル』。
大賢者ミラが最後に最高幹部へ迎え入れた『ユーミル』は、彼の後継者として認められた程の『大賢者』であった。
――組織に属する『本隊』を率いる最高幹部四人の内、三体がこの場に姿を現したのだった。
0
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話
カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
チートなんてない。
日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。
自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。
魔法?生活魔法しか使えませんけど。
物作り?こんな田舎で何ができるんだ。
狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。
そんな僕も15歳。成人の年になる。
何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。
女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。
になればいいと思っています。
皆様の感想。いただけたら嬉しいです。
面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。
よろしくお願いします!
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる