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リラリオの魔王編

303.圧倒的な実力差

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 ダイオ魔国にある城の玉座がある部屋の窓から、ダイオ魔国王レグーザとレイズ魔国王エリスは、レアと魔人達の戦いを信じられないといった様子で見ていた。

「あ、あれが……! あの方の本来の強さですか! 魔人があんなにもあっさりと……!!」

 レグーザはこうして現実を目の当たりにしてもまだ信じられない。

 魔族は確かに人間より強い生き物ではあるが、その魔族と魔人の間にも越えられない壁のようなものがある。

 だが、突如現れて魔族の王となったレアは、そんな魔人をいともたやすく葬っていくのだ。

 レグーザの中で、という常識が取り払われていくようだった。

「勘違いしてはなりませんよ? あのような事がお出来になるのは、あくまであの方のみなのですからね」

 レアの快挙を目の当たりにして、自分達も魔人に勝てるつもりになってきていたレグーザに、エリス女王は釘を刺すのだった。

「そ、そうですな……。そ、その通りです……!」

 反省の色を浮かべながらもレグーザの顔には、レアという魔族の王に対して強い憧れが見て取れるのだった。

 …………

「さて、残すところは貴方達だけねぇ?」

 150体の魔人を屠った後だというのに、レアは息切れひとつせずにリオン達に向けて言葉を放つ。

「お前の強さはよく分かった。だが勘違いはするなよ? 勝負はこれからだ」

 確かにリオンとリーベは、先程まで戦っていた魔人とは比べ物にならない戦力値を示していた。

 【種族:魔人 名前:リオン 年齢:3000歳
 状態:スクアード 戦力値:1億4700万 所属:ディアミール大陸】。

(ふーむ。確かにさっきまでの魔人とは比較にもならない強さねぇ)

 レアはリオンに『漏出サーチ』を使って戦力値などを表示させる。

 先程リーベがレアに使った『漏出サーチ』とは違い『魔力』に圧倒的な差を持つレアであれば、

「参考までに聞いておきたいのだけどぉ? 貴方達は魔人達の中ではどれくらいの強さなのかしらぁ?」

 腕を組みながらレアは偉そうに魔人達を率いていた二人に問いかける。

「へっ、今更俺たちに怖気づいたか? 俺達は数いる魔人の中でも選び抜かれた10体の『幹部級』だ。さっきまでお前が戦っていた『下級兵』の魔人と一緒にするんじゃねぇぜ?」

「ふーん。なるほどねぇ。それで? ?」

 自慢気に語っていたリオンは、少しがっかりした様子を見せるレアに苛立ち始める。

「それをてめぇが知る機会は一生来ねぇよ! ここで俺に殺されるんだからなぁ!!」

 そう言ってリオンはレアに向かっていくと、攻撃を開始し始める。

 先程の『下級兵』の魔人とは比べ物にならない速度でレアの目の前まで一気に移動して、身を包んでいたオーラの色と同じ色を拳の周りに具現化させて、魔人リオンはレアに向けて放つ。

「くらえやぁっ!」

 ――しかしそれでも、リオンの渾身の一撃はレアに届くことはなかった。

「遅すぎる……。そんな風に声を出す暇があるなら、さっさと打ち込みなさぁい?」

 リオンの耳にレアの言葉が届いた頃には、レアの右手はリオンの心臓を貫いていた。

「!?」

 そしてレアは目にも止まらぬ速度で、リオンの身体から手を引き抜くと同時にその場から離れる。

「ぼぉんっ!」

 レアが可愛らしい声をあげると、リオンの身体が爆発した。

「り、リオン!?」

 驚愕の声をあげながら、リーベは同胞の名を呼ぶ。

「うふふふ。さぁ……、次は貴方の番よぉ?」

 リオンの血が付いた指をぺろりと舐めながら『金色』の目をしたレアが射抜くようにリーベに視線を向けるのだった。

「……ひ、ひっぃ……! お、お、お前は……、お前は一体何なのだ!!」

 リオンは『下級兵』達とは違いれっきとした選び抜かれた『幹部級』の魔人である。

 魔人族の中でも十番以内の強さを持ち、間違いなく魔族程度にやられる器ではない。

 リーベは自身もそんな『幹部級』ではあるのだが、それでもリオンと同等程の強さしかなく、あんなにもあっさりとやられているところを見せられてしまい、到底勝てるとはとても思えなかった。

 魔族の中で一番強いと聞かされてもそこまで脅威に聞こえなかったが『幹部級』がたった一撃で葬られていく様をむざむざと見せつけられては、戦意が無くなってしまうのも無理はないだろう。

 ――それ程までに、目の前の『レア』という魔族は

「そうねぇ。私は『魔王』よ『魔王』レア」

 自身の尊敬する偉大なるフルーフ様を『大魔王』と称するならば、自分はその下の『魔王』がしっくりとくる。そう感じたレアは自身を『魔王』レアと名乗るのであった。

 ――その直後。リーベは何が起きたか気づく間もなく意識を失った。

「魔人族ねぇ? 退

 すでにレアのその言葉を聞く事はなく『幹部級』の魔人リーベは息を引き取るのであった。
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