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レイズの国政編
212.レイズ魔国の国政
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リーゼがシスの言葉を受け入れて『ビデス』の座についた頃、レドリアもユファに誘われて国政入りを果たしていた。
こちらはあっさり、というよりもむしろ『レドリア』の感謝しながらの二つ返事であった。
「わ、私が本当に宜しいのですか! や、やります!! やらせてください!」
「う、うん……。冒険者ギルドの件もあるし、大変な事もあると思うけど宜しくね?」
目をキラキラ輝かせながら、何度も首を縦に振っていた。
誰よりもユファの為に尽くしたいと思っている『レドリア』にとって、ユファにこの国の政に参加しろというお達しはとても魅力的で、何を差し置いてでも優先したいと考えていた。
こうして国のNo.4『レドリア・クーティア』が誕生して『レイズ』城に権威と呼べる新たな四人が誕生するのだった。
レイズ魔国王『シス女王』。
レイズ魔国国防長『ユファ・フィクス』。
レイズ魔国参謀長『リーゼ・ビデス』。
レイズ魔国参謀『レドリア・クーティア』。
ミールガルド大陸の貴族階級で言えば、男爵や子爵といった爵位の『トールス』と『ディルグ』の立ち位置の者が不在だが、ひとまずはこの四人で新『レイズ』魔国の国政を担っていく事を決めたのだった。
修復されたレイズ城でさっそく集まり会議を行う。そしてその集まりの場に『ソフィ』と『レルバノン』も呼ばれるのだった。
『ソフィ』はこの大陸の相談役として『レルバノン』は冒険者ギルド長としての参加であった。
「それじゃあシス、早速お願いね」
ユファがそう言うと、シスはコクリと頷いた。
「ソフィさん、レルバノンさん。本日はお忙しいところ、足を運んで頂きありがとうございます。今回お集まりいただいたのはここにいる『リーゼ』と『レドリア』を紹介したかったのです」
名を呼ばれた二人は立ち上がって前に出てくる。
「先日就任した『リーゼ・ビデス』です。宜しくお願いします」
「先日就任した『レドリア・クーティア』です。宜しくお願いします!」
礼儀正しく頭を下げながら、国の重鎮となった二人は改めて挨拶する。
「うむ。我はこの大陸の相談役という立場に居るソフィだ。リーゼにレドリア、二人共これから宜しく頼む」
そういってソフィも挨拶を返す。そしてレルバノンもまた立ち上がって挨拶をする。
「なんだか妙な気分ですよ。こうしてリーゼさんや、レドリアさんが仲間というのが」
元々『ラルグ』魔国の重鎮であったレルバノンにとって、前時代の敵国の『フィクス』であったリーゼと仲間として挨拶をしあっているのである。そう思うのもおかしくはなかった。
「私もだよ『レルバノン』ギルド長……」
リーゼにとっては『レルバノン』は自分の代の宿敵だったわけである。
まさに現役時代の相手がこうして今は同じ国で仕事をする仲間となったわけである。不思議な感覚に包まれたリーゼは、言葉を詰まらせながらそういって笑うのだった。
「さて、ようやくレイズ魔国は冒険者ギルドも国政の方もスタートラインに立ったわけだが、今後は当初の予定通り、トウジンやラルグにも冒険者ギルドを認知させて民主的になるようにするわけだが、まずは何から手を付けるべきだと思う?」
シス女王が今後の主軸となる議題を皆に振る。
「それなのですが、まずはラルグ魔国を何とかしなければ、今はどうにもならないのではないでしょうか?」
レドリアがそう言うとリーゼも頷きながら口を開く。
「その通りですね。そもそもまだ『ラルグ』魔国はまだこの大陸を統一していると思い込んでいるのでしょうし『レイズ』魔国近隣には、ソフィ様の配下が居る事であまり近寄らなくなっていますが、他諸国にはまだまだ『ラルグ』魔国軍の駐屯地が作られて好き勝手しているとの報告を受けております」
「ラルグ魔国に遣いの者を出して、ひとまず話し合いの場を設けるというのはどうだろう?」
ソフィがそういうと今度はユファが頷いた。
「しかし彼らが素直に応じるとは思えませんね」
レルバノンは元々ラルグ魔国で生きてきた為、ラルグ魔国の本質がどういう物かを知り尽くしている。シーマやゴルガー等が居なくなったとしても、血の気の多く他者を見下すものが多く居るラルグ魔国。
更に今は統一を果たして配下であった魔族達もまた、態度を大きくしてふんぞり返っている事だろう。
しかもそのほとんどが、属国となった別国の二次団体、三次団体。突然権力を握った者達が行きつく先は想像に容易い。
「うむ……。面倒だが、使者の役目は我が行おうと思う」
そのソフィの言葉でその場にいる全員が目を丸くしてソフィを見る。
「な、何を言っているのですか!」
ユファが立ち上がって、ソフィを咎める言葉を口にする。
「そ、そうですよ……。な、何もソフィ様が行かなくても」
レドリアも追随するようにそう告げる。
「レイズの遣いではあるがレイズに直接所属していない我が行く事で、ラルグ魔国の者達も聞く耳を持つのではないか?」
ソフィはそう言うが『シス』や『ユファ』に『レルバノン』は渋い顔を浮かべるのだった。
「ソフィさん。ラルグ魔国の者は粗暴でどうしようもない集まりなのです」
レルバノンが少し顔を顰めながら、シスの言葉に耳を傾けていた。
「いや、使者の言葉なら素直に応じると思うのだが……、駄目なのか?」
「駄目ですね。むしろソフィ様が『レイズ』魔国所属ではないと分かった時点で攻撃をしてくる恐れもあります」
ユファの言葉にソフィが驚く。
ラルグ魔国がどういう国だったのかを今更ながらにソフィは理解し始める。しかしそれでは外交もへったくれもないではないかと、ソフィは思うのだった。
「分かった。しかしそれでも我が使者として出向こう」
「ソフィ様……!」
止めようとするユファを制止して、ソフィは口を開く。
「この大陸をよく知る事も上に立つ者の仕事だろう?」
「!」
その言葉でユファは止められなくなった。
「分かりました……」
こうしてひとまず話は纏まり、ソフィが使者としてラルグ魔国へ出向かう事となった。
こちらはあっさり、というよりもむしろ『レドリア』の感謝しながらの二つ返事であった。
「わ、私が本当に宜しいのですか! や、やります!! やらせてください!」
「う、うん……。冒険者ギルドの件もあるし、大変な事もあると思うけど宜しくね?」
目をキラキラ輝かせながら、何度も首を縦に振っていた。
誰よりもユファの為に尽くしたいと思っている『レドリア』にとって、ユファにこの国の政に参加しろというお達しはとても魅力的で、何を差し置いてでも優先したいと考えていた。
こうして国のNo.4『レドリア・クーティア』が誕生して『レイズ』城に権威と呼べる新たな四人が誕生するのだった。
レイズ魔国王『シス女王』。
レイズ魔国国防長『ユファ・フィクス』。
レイズ魔国参謀長『リーゼ・ビデス』。
レイズ魔国参謀『レドリア・クーティア』。
ミールガルド大陸の貴族階級で言えば、男爵や子爵といった爵位の『トールス』と『ディルグ』の立ち位置の者が不在だが、ひとまずはこの四人で新『レイズ』魔国の国政を担っていく事を決めたのだった。
修復されたレイズ城でさっそく集まり会議を行う。そしてその集まりの場に『ソフィ』と『レルバノン』も呼ばれるのだった。
『ソフィ』はこの大陸の相談役として『レルバノン』は冒険者ギルド長としての参加であった。
「それじゃあシス、早速お願いね」
ユファがそう言うと、シスはコクリと頷いた。
「ソフィさん、レルバノンさん。本日はお忙しいところ、足を運んで頂きありがとうございます。今回お集まりいただいたのはここにいる『リーゼ』と『レドリア』を紹介したかったのです」
名を呼ばれた二人は立ち上がって前に出てくる。
「先日就任した『リーゼ・ビデス』です。宜しくお願いします」
「先日就任した『レドリア・クーティア』です。宜しくお願いします!」
礼儀正しく頭を下げながら、国の重鎮となった二人は改めて挨拶する。
「うむ。我はこの大陸の相談役という立場に居るソフィだ。リーゼにレドリア、二人共これから宜しく頼む」
そういってソフィも挨拶を返す。そしてレルバノンもまた立ち上がって挨拶をする。
「なんだか妙な気分ですよ。こうしてリーゼさんや、レドリアさんが仲間というのが」
元々『ラルグ』魔国の重鎮であったレルバノンにとって、前時代の敵国の『フィクス』であったリーゼと仲間として挨拶をしあっているのである。そう思うのもおかしくはなかった。
「私もだよ『レルバノン』ギルド長……」
リーゼにとっては『レルバノン』は自分の代の宿敵だったわけである。
まさに現役時代の相手がこうして今は同じ国で仕事をする仲間となったわけである。不思議な感覚に包まれたリーゼは、言葉を詰まらせながらそういって笑うのだった。
「さて、ようやくレイズ魔国は冒険者ギルドも国政の方もスタートラインに立ったわけだが、今後は当初の予定通り、トウジンやラルグにも冒険者ギルドを認知させて民主的になるようにするわけだが、まずは何から手を付けるべきだと思う?」
シス女王が今後の主軸となる議題を皆に振る。
「それなのですが、まずはラルグ魔国を何とかしなければ、今はどうにもならないのではないでしょうか?」
レドリアがそう言うとリーゼも頷きながら口を開く。
「その通りですね。そもそもまだ『ラルグ』魔国はまだこの大陸を統一していると思い込んでいるのでしょうし『レイズ』魔国近隣には、ソフィ様の配下が居る事であまり近寄らなくなっていますが、他諸国にはまだまだ『ラルグ』魔国軍の駐屯地が作られて好き勝手しているとの報告を受けております」
「ラルグ魔国に遣いの者を出して、ひとまず話し合いの場を設けるというのはどうだろう?」
ソフィがそういうと今度はユファが頷いた。
「しかし彼らが素直に応じるとは思えませんね」
レルバノンは元々ラルグ魔国で生きてきた為、ラルグ魔国の本質がどういう物かを知り尽くしている。シーマやゴルガー等が居なくなったとしても、血の気の多く他者を見下すものが多く居るラルグ魔国。
更に今は統一を果たして配下であった魔族達もまた、態度を大きくしてふんぞり返っている事だろう。
しかもそのほとんどが、属国となった別国の二次団体、三次団体。突然権力を握った者達が行きつく先は想像に容易い。
「うむ……。面倒だが、使者の役目は我が行おうと思う」
そのソフィの言葉でその場にいる全員が目を丸くしてソフィを見る。
「な、何を言っているのですか!」
ユファが立ち上がって、ソフィを咎める言葉を口にする。
「そ、そうですよ……。な、何もソフィ様が行かなくても」
レドリアも追随するようにそう告げる。
「レイズの遣いではあるがレイズに直接所属していない我が行く事で、ラルグ魔国の者達も聞く耳を持つのではないか?」
ソフィはそう言うが『シス』や『ユファ』に『レルバノン』は渋い顔を浮かべるのだった。
「ソフィさん。ラルグ魔国の者は粗暴でどうしようもない集まりなのです」
レルバノンが少し顔を顰めながら、シスの言葉に耳を傾けていた。
「いや、使者の言葉なら素直に応じると思うのだが……、駄目なのか?」
「駄目ですね。むしろソフィ様が『レイズ』魔国所属ではないと分かった時点で攻撃をしてくる恐れもあります」
ユファの言葉にソフィが驚く。
ラルグ魔国がどういう国だったのかを今更ながらにソフィは理解し始める。しかしそれでは外交もへったくれもないではないかと、ソフィは思うのだった。
「分かった。しかしそれでも我が使者として出向こう」
「ソフィ様……!」
止めようとするユファを制止して、ソフィは口を開く。
「この大陸をよく知る事も上に立つ者の仕事だろう?」
「!」
その言葉でユファは止められなくなった。
「分かりました……」
こうしてひとまず話は纏まり、ソフィが使者としてラルグ魔国へ出向かう事となった。
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