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王典褒章編
169.王典褒章の授与
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レルバノンの屋敷にソフィ達の配下が全員戻ってきた。
すでにソフィから感謝の言葉を賜った事で満足気な配下達だった。
ソフィを主に持つ事を誇りに思っている配下達は、そのソフィから直接褒められるとやはり格別な思いがあった。
そこへレルバノンが現れてソフィに声を掛ける。
「王国から今回の事でソフィ君に褒章を授与したいと、通達がありましたがどうされますか?」
王国側としても今回のソフィの功績に対して世間の目がある為に、形だけでもソフィに褒章を与えようといった狙いであろう。
断る事は王家に対しての叛意と取られるかもしれないので、余程の事がない限りは出席しておいたほうがいいとみる。
しかし王は別としてもステイラ公爵は、今回の事に対して快くは思わないだろう。
本音では前回の事も踏まえて、可能であれば出席は遠慮したいところはあった。
「出ないわけにはいかぬのだろうな……」
ソフィは溜息を吐いてそう答えた。
「良いではありませんか。形だけの褒章だったとしても国を守った英雄に送られるものなのです、ここは頂いておきましょう」
ラルフは主に微笑みを浮かべながらそう言った。
「まぁ、仕方あるまい」
気分が乗らないソフィではあったが、転移魔法で王国へと向かう事にするのであった。
そしてソフィが姿を見せると王国中が騒然となった。
元々冒険者の間では有名人だったソフィだが、今回の事で一気に国中に広まった。
王城へ辿り着いたソフィ達だが、多くの王国兵達が城門前にびっしりと並び立つ。
そしてソフィの姿を見ると一糸乱れぬ動きで一斉に道を開け始め、音楽隊のファンファーレが鳴り響いた。
赤い絨毯が引かれたその花道を歩いていくと、左右の王国兵たちが頭を下げていく。
それはまるで王族の凱旋のようだった。
城の中へ入ると直ぐ『マーブル』侯爵が、真っすぐこちらに向かって歩いてくる。
「ソフィ殿、レルバノン殿。こちらです」
レルバノンも笑みを浮かべてマーブル侯爵と何か話始める。
やがてケビン王の居る部屋へと、案内されるのであった。
ソフィやレルバノンは堂々と歩くが、やはりこういう場になれていないリーネは、きょろきょろと周りを見ながら歩く。
「す、凄いよ! 私たちいま……、王城を歩いているのよね?」
ドキドキしている様子が伝わる程に緊張をしているリーネに、ソフィは笑みを向けて安心させるように口を開いた。
「我らは悪い事をして連行されている訳ではないのだから、そこまで緊張せずともよいだろう」
リーネは苦笑いを浮かべながら頷いた。
――そして一行は、王の間に辿り着いた。
マーブル侯爵が重そうな扉を開けると、中には数多くの貴族達や王族達がいた。
一般人であれば、卒倒するような光景である。
扉が完全に開かれると『ケビン・ダ・ブルモス・七世』が口を開く。
「よくぞ参った、勇敢なる英雄たちよ」
王がそう告げると形式通りにソフィ達は礼をとる。
ステイラ公爵の姿もあり、その顔はどうみても歓迎しているようには見えないが、何を言うでもなく睨むようにこちらを見ているのだった。
「此度の戦争において、諸君たちの活躍のおかげで我々ケビン王国は救われた。心から礼を言うぞ」
そう言うと『ケビン』王はソフィの前まで歩いてくる。
そして話に合った通り褒章の授与を行おうとする。
――どうやら褒章の種類は『王典褒章』のようだった。
『王典褒章』は国家の危機に自らの危険を顧みず、救いに尽力した者に送られるもので、王族や貴族に属さない者に送られる中で最高の褒章である。
――まさに英雄と呼ばれる者に対して贈られる褒章であった。
ソフィはまさに手本となるように、礼を尽くしながら褒章を受ける。
こうして『破壊神』と呼ばれた冒険者ソフィは国を救った英雄として、名誉ある王典褒章を授与されたのだった。
王族や貴族達に拍手を受けながら、堂々とソフィは胸を張った。
――そして、恙無く授与式を終えた。
……
……
……
その後は王や貴族達に話し掛けられて、ソフィやレルバノン達は対応に忙しくなる。
やがて、王城内の話題は『ヴェルマー』大陸の話へと移っていくのだが、このヴェルマー大陸の話がこれまでの場の空気を変えるきっかけとなるのであった。
すでにソフィから感謝の言葉を賜った事で満足気な配下達だった。
ソフィを主に持つ事を誇りに思っている配下達は、そのソフィから直接褒められるとやはり格別な思いがあった。
そこへレルバノンが現れてソフィに声を掛ける。
「王国から今回の事でソフィ君に褒章を授与したいと、通達がありましたがどうされますか?」
王国側としても今回のソフィの功績に対して世間の目がある為に、形だけでもソフィに褒章を与えようといった狙いであろう。
断る事は王家に対しての叛意と取られるかもしれないので、余程の事がない限りは出席しておいたほうがいいとみる。
しかし王は別としてもステイラ公爵は、今回の事に対して快くは思わないだろう。
本音では前回の事も踏まえて、可能であれば出席は遠慮したいところはあった。
「出ないわけにはいかぬのだろうな……」
ソフィは溜息を吐いてそう答えた。
「良いではありませんか。形だけの褒章だったとしても国を守った英雄に送られるものなのです、ここは頂いておきましょう」
ラルフは主に微笑みを浮かべながらそう言った。
「まぁ、仕方あるまい」
気分が乗らないソフィではあったが、転移魔法で王国へと向かう事にするのであった。
そしてソフィが姿を見せると王国中が騒然となった。
元々冒険者の間では有名人だったソフィだが、今回の事で一気に国中に広まった。
王城へ辿り着いたソフィ達だが、多くの王国兵達が城門前にびっしりと並び立つ。
そしてソフィの姿を見ると一糸乱れぬ動きで一斉に道を開け始め、音楽隊のファンファーレが鳴り響いた。
赤い絨毯が引かれたその花道を歩いていくと、左右の王国兵たちが頭を下げていく。
それはまるで王族の凱旋のようだった。
城の中へ入ると直ぐ『マーブル』侯爵が、真っすぐこちらに向かって歩いてくる。
「ソフィ殿、レルバノン殿。こちらです」
レルバノンも笑みを浮かべてマーブル侯爵と何か話始める。
やがてケビン王の居る部屋へと、案内されるのであった。
ソフィやレルバノンは堂々と歩くが、やはりこういう場になれていないリーネは、きょろきょろと周りを見ながら歩く。
「す、凄いよ! 私たちいま……、王城を歩いているのよね?」
ドキドキしている様子が伝わる程に緊張をしているリーネに、ソフィは笑みを向けて安心させるように口を開いた。
「我らは悪い事をして連行されている訳ではないのだから、そこまで緊張せずともよいだろう」
リーネは苦笑いを浮かべながら頷いた。
――そして一行は、王の間に辿り着いた。
マーブル侯爵が重そうな扉を開けると、中には数多くの貴族達や王族達がいた。
一般人であれば、卒倒するような光景である。
扉が完全に開かれると『ケビン・ダ・ブルモス・七世』が口を開く。
「よくぞ参った、勇敢なる英雄たちよ」
王がそう告げると形式通りにソフィ達は礼をとる。
ステイラ公爵の姿もあり、その顔はどうみても歓迎しているようには見えないが、何を言うでもなく睨むようにこちらを見ているのだった。
「此度の戦争において、諸君たちの活躍のおかげで我々ケビン王国は救われた。心から礼を言うぞ」
そう言うと『ケビン』王はソフィの前まで歩いてくる。
そして話に合った通り褒章の授与を行おうとする。
――どうやら褒章の種類は『王典褒章』のようだった。
『王典褒章』は国家の危機に自らの危険を顧みず、救いに尽力した者に送られるもので、王族や貴族に属さない者に送られる中で最高の褒章である。
――まさに英雄と呼ばれる者に対して贈られる褒章であった。
ソフィはまさに手本となるように、礼を尽くしながら褒章を受ける。
こうして『破壊神』と呼ばれた冒険者ソフィは国を救った英雄として、名誉ある王典褒章を授与されたのだった。
王族や貴族達に拍手を受けながら、堂々とソフィは胸を張った。
――そして、恙無く授与式を終えた。
……
……
……
その後は王や貴族達に話し掛けられて、ソフィやレルバノン達は対応に忙しくなる。
やがて、王城内の話題は『ヴェルマー』大陸の話へと移っていくのだが、このヴェルマー大陸の話がこれまでの場の空気を変えるきっかけとなるのであった。
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