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第二章 呪われた運命
第119話 こんがり?
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バカンスを楽しんだ次の日……今日からはまた各々自分の力を磨く日々が始まる。ルアもいつものようにベッドから起き上がると、半開きのまぶたを擦りながら身支度を整え部屋の外へと歩みだした。
「おぉ、ルアおはよ…………う?」
「あ、ロレットさん……おはようございます。」
お互いに挨拶をかわす二人だったが、どこかロレットの表情がいつもと違う。困惑しているような……そんな感じの表情だ。
「う、うむ……。これから修行か?」
「はい、ご飯食べて東雲さん達とやってきます。」
「そ、そうか……が、頑張るのだぞ?」
「…………??はい。」
そしてロレットは困惑しているような表情を浮かべながら中庭へと向かってしまった。
「う~ん?ボクの顔に何かついてたかな……すごいロレットさんにガン見された気がする。」
ルアは自分の柔らかい頬をむにむにと触ったりつねったりしてみるが、何かついているような感触はない。
「まぁいっか。取りあえずご飯食べに行こっと……。」
ロレットの様子に困惑しながらも、ルアは気持ちを切り替えて食堂へと向かった。
そして食堂へと入ると、エプロン姿の由良が彼のことを出迎えた。
「お母さんおはよ~。」
「うむ!!おはようなのじゃル……アッ!?ブフッ!!」
「ええっ!?」
クルリとルアの方を向いて笑顔で出迎えた由良だったが、突然ルアと目を合わせると鼻血を吹き出して倒れてしまった。
ルアは急いで由良のもとへと駆け寄り声をかける。
「お、お母さん?お母さん!?大丈夫?」
「は、はぁぁ~…………眼福じゃぁ…………ガクッ。」
「お母さ~ん!?」
パタリと気絶してしまった由良。ルアはなんとか意識を取り戻してもらおうと、体を揺さぶるが、一向に起きる気配はない。
そんな時……。
「朝から騒々しいぞ。何があった?」
食堂の入り口から東雲が姿を現した。
「あ、東雲さん!!お母さんが倒れちゃったんです!!」
「なに?由良が……?どれ…………。」
状況を確認するべくルア達のもとへと歩み寄る東雲。そして幸せそうに気絶する由良の表情を見た後、彼女はルアの顔に目を向けた。
すると、何かに納得したように彼女は頷き、ルアにあることを問いかけた。
「おい、ルア。由良がこうなってしまったのはお前に原因があるようだぞ?」
「ええっ!?で、でもボクなにもしてないですよ?」
「……お前、今朝鏡で自分の顔をしっかりと見たか?」
「え、えっと……そんなにじっくりは見てないですけど……。」
「ならば今すぐ鏡で顔を見てこい。それで答えがわかるはずだ。」
「わ、わかりました。」
そしてルアは東雲に言われるがまま、鏡で自分の顔を確認しに行った。そこで衝撃の事実に気がつくのだった。
「えぇぇぇぇっ!?」
食堂の向こう側から聞こえてきたルアの驚く声に東雲はポツリとため息をこぼした。
「やっと気が付いたか。由良、お主にとってはルアそのものが歩く脅威そのものだな。」
そうポツリと告げた東雲は由良へと視線を移した。
そこにルアが食堂に駆け込んでくる。
「東雲さんっ!!」
「戻ったかルア。それでどうだった?自分の顔は?」
「真っ黒に焼けちゃってましたっ。」
そう、昨日一人だけ日焼け止めを塗らずにビーチで遊んでいたルアはすっかり日に焼けてしまい肌がこんがりと黒く焼けてしまっていたのだ。
「くくくくく、その姿……まるでダークエルフのようだな。」
東雲はルアの姿をダークエルフと表現した。しかし、ルアにはその例えがぴんと来なかったようで首をかしげる。
「ダークエルフ?」
「知らないか?エルフの近縁種で、今のお前のように日に焼けたような黒い肌のエルフがいるのだ。」
「ボク、エルフも見たことないんですよね。」
「まぁ、エルフを目にかかることの方が珍しいだろう。奴らは基本森から出歩いたりはしない種族だからな。」
「そ、そうなんですか。」
「その辺は後で教えてやる。だが今は由良の介抱が先だ。手伝えルア。」
「は、はいっ!!」
そして二人は由良の介抱をしたのだった。忙しない朝はまだ始まったばかりだ。
「おぉ、ルアおはよ…………う?」
「あ、ロレットさん……おはようございます。」
お互いに挨拶をかわす二人だったが、どこかロレットの表情がいつもと違う。困惑しているような……そんな感じの表情だ。
「う、うむ……。これから修行か?」
「はい、ご飯食べて東雲さん達とやってきます。」
「そ、そうか……が、頑張るのだぞ?」
「…………??はい。」
そしてロレットは困惑しているような表情を浮かべながら中庭へと向かってしまった。
「う~ん?ボクの顔に何かついてたかな……すごいロレットさんにガン見された気がする。」
ルアは自分の柔らかい頬をむにむにと触ったりつねったりしてみるが、何かついているような感触はない。
「まぁいっか。取りあえずご飯食べに行こっと……。」
ロレットの様子に困惑しながらも、ルアは気持ちを切り替えて食堂へと向かった。
そして食堂へと入ると、エプロン姿の由良が彼のことを出迎えた。
「お母さんおはよ~。」
「うむ!!おはようなのじゃル……アッ!?ブフッ!!」
「ええっ!?」
クルリとルアの方を向いて笑顔で出迎えた由良だったが、突然ルアと目を合わせると鼻血を吹き出して倒れてしまった。
ルアは急いで由良のもとへと駆け寄り声をかける。
「お、お母さん?お母さん!?大丈夫?」
「は、はぁぁ~…………眼福じゃぁ…………ガクッ。」
「お母さ~ん!?」
パタリと気絶してしまった由良。ルアはなんとか意識を取り戻してもらおうと、体を揺さぶるが、一向に起きる気配はない。
そんな時……。
「朝から騒々しいぞ。何があった?」
食堂の入り口から東雲が姿を現した。
「あ、東雲さん!!お母さんが倒れちゃったんです!!」
「なに?由良が……?どれ…………。」
状況を確認するべくルア達のもとへと歩み寄る東雲。そして幸せそうに気絶する由良の表情を見た後、彼女はルアの顔に目を向けた。
すると、何かに納得したように彼女は頷き、ルアにあることを問いかけた。
「おい、ルア。由良がこうなってしまったのはお前に原因があるようだぞ?」
「ええっ!?で、でもボクなにもしてないですよ?」
「……お前、今朝鏡で自分の顔をしっかりと見たか?」
「え、えっと……そんなにじっくりは見てないですけど……。」
「ならば今すぐ鏡で顔を見てこい。それで答えがわかるはずだ。」
「わ、わかりました。」
そしてルアは東雲に言われるがまま、鏡で自分の顔を確認しに行った。そこで衝撃の事実に気がつくのだった。
「えぇぇぇぇっ!?」
食堂の向こう側から聞こえてきたルアの驚く声に東雲はポツリとため息をこぼした。
「やっと気が付いたか。由良、お主にとってはルアそのものが歩く脅威そのものだな。」
そうポツリと告げた東雲は由良へと視線を移した。
そこにルアが食堂に駆け込んでくる。
「東雲さんっ!!」
「戻ったかルア。それでどうだった?自分の顔は?」
「真っ黒に焼けちゃってましたっ。」
そう、昨日一人だけ日焼け止めを塗らずにビーチで遊んでいたルアはすっかり日に焼けてしまい肌がこんがりと黒く焼けてしまっていたのだ。
「くくくくく、その姿……まるでダークエルフのようだな。」
東雲はルアの姿をダークエルフと表現した。しかし、ルアにはその例えがぴんと来なかったようで首をかしげる。
「ダークエルフ?」
「知らないか?エルフの近縁種で、今のお前のように日に焼けたような黒い肌のエルフがいるのだ。」
「ボク、エルフも見たことないんですよね。」
「まぁ、エルフを目にかかることの方が珍しいだろう。奴らは基本森から出歩いたりはしない種族だからな。」
「そ、そうなんですか。」
「その辺は後で教えてやる。だが今は由良の介抱が先だ。手伝えルア。」
「は、はいっ!!」
そして二人は由良の介抱をしたのだった。忙しない朝はまだ始まったばかりだ。
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