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第五章

子供達の先生

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 子供達がみんなお菓子をお腹に入れた所で、早速院長から子供達に今日から始める新しい授業というていで、説明が行われた。

「良いですね皆さん、エルフの先生達の言う事をよ~く聞いて授業に臨んでください。」

「「「はーい!!」」」

 ここにいる子達は皆、院長の事をとても信頼しているようで、彼女の言葉にはとても素直に従っている。

「それじゃあ勇者様、エルフの先生方、よろしくお願いします。」

 こちらにバトンが渡った所で、主となって子供達を教えるユリ達に自己紹介をお願いすることにした。

「きょ、今日からみんなの先生になる……ユリだ!ユリ先生と呼んでくれ。」

 すると子供達からたくさんと呼ぶ声が聞こえてくる。こんな経験が初めてだからだろう、ユリがこそばゆそうにしているのが目に見えてわかる。

 そして彼女に続いて、ボタンやモミジ達も自己紹介をしていく。全員の自己紹介が終わる頃には、すっかり子供達からみんな先生と呼ばれるようになってしまっていた。

「それじゃあみんな、先生たちの前に四列に分かれて並んでくれるかな?」

「「「はーい!!」」」

 そう声をかけると、子供達は自分の気になる先生達の前に並んでいく。幸いなことにほぼ均等に分かれてくれたので、こちらから調節するような事はなかった。

 こうして子供達を四つのグループに分けた理由は簡単で、子供達の役割を分担するためだ。

 四つのグループの役割は、果物などを切るグループ、火を通したり加工するグループ、盛り付けや瓶詰めなどを行うグループ……で、最後に販売を行うグループ。

 これで作業の単純化を狙っている。予定ではある程度の期間が経ったら、この役割も交代する予定だ。

「良し、じゃあみんな先生たちの後について行って~。」

 そしてみんな各々の先生の後について行き、まずはしっかりとこれから行う作業……否、授業の説明を聞いてもらう。その後は実際に子供達にやらせてみるといった感じだな。

「俺は今のうちに準備をしておこうか。」

 説明をしている間に、俺はせっせと果物を洗ったり、包丁を使わなくても皮を剥いたりできるようにピーラーなどの便利な調理器具を用意していくのだった。

 
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