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第五章

静葉のステータス

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 師匠のステータスを鑑定で調べてみると……。


名前 八雲静葉
年齢 29
種族 人族?
性別 女
職業 居候

level 2/100
HP  4000
MP  2500
ATK  5000
DEF  5000
MDEF 2500
AGI  2000
INT  2200
LUK  0


スキル

合気柔術 10/10
家事   04/10
言語理解 05/10
触手召喚 10/10
炎魔法  04/10
水魔法  03/10



 スキルの項目を見てみると、やはりクラーケンのスキルがいくつか師匠へと継承されていた。

 そして先程、師匠の体から出てきたイカの触腕のようなものは、恐らくこの触手召喚というスキルが勝手に発動したんだろうな。
 
 それにしても、クラーケンのステータスを全部取り込んだはずなのに、あんまりステータスが上昇していないような……。アイツそんなに強くはなかったのかな?

 そんな疑問を抱きながらも、俺は鑑定画面を閉じて、師匠にあるスキルが新たに使えるようになっていたことを教えることにした。

「師匠、どうやら触手召喚っていうスキルがさっき勝手に発動してたみたいです。」

「触手召喚?」

「クラーケンが持ってたスキルみたいですね。」

「こちらの世界の言葉が話せるようになるだけでなく、他のもともとクラーケンが持っていたスキルも使えるようになったということか。」

「そういう事ですね。」

「ふむ。」

 師匠は少し考え込むと、おもむろに俺に向かって手を翳した。

「捕まえろ。」

「へ?」

 一瞬呆気にとられたのも束の間、師匠の袖の中から飛び出してきた吸盤付きの触手に、あっという間に全身が絡め取られてしまう。

「おぉ、こうして使ってみると意外と利便性はありそうだ。見た目は少しアレだが……。」

「あ、あの……師匠?試すなら試すって言ってくれませんか?こっちにも心の準備って物が……むぐっ!?」

 話している途中で、体に巻き付いていた触手の1本が強引に口の中へと入ってきた。

「動きも自由自在……と。これは新たな戦術としてかなり有効活用できるな。一度こういう風に捕まえてしまえば、一気に仕留めることもできる。」

 俺を無視して考察を続ける師匠。触手の表面の粘液で体中がベトベトになり始め、俺の我慢の限界が近づいてつつあったので、俺は密かに指先にサンダーブレスを宿した。
 そのサンダーブレスを宿した指で触手をちょんと突いてやると……。

「あびびびびびっ!?!?」

 少し電流を流せば、触手を伝って師匠は痺れ、体に巻き付いていた触手は一気に引っ込んでいった。
 それと同時に、師匠の体がソファーにゆっくりと倒れていった。

「ひ、ヒイラギ……これ大丈夫なのかい?」

「大丈夫だ。あれでもめちゃくちゃ手加減したんだから。それに、師匠の顔をみれば大丈夫か大丈夫じゃないかは、一目瞭然だと思うぞ。」

 そしてドーナが師匠の顔を覗き込んでみると……。

「わ、笑ってる……。」

 気絶した師匠は痺れて苦しそうな表情を浮かべていたのではなく、蕩けたような笑みを浮かべていたのだ。

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