1,006 / 1,052
第五章
静葉のステータス
しおりを挟む師匠のステータスを鑑定で調べてみると……。
名前 八雲静葉
年齢 29
種族 人族?
性別 女
職業 居候
level 2/100
HP 4000
MP 2500
ATK 5000
DEF 5000
MDEF 2500
AGI 2000
INT 2200
LUK 0
スキル
合気柔術 10/10
家事 04/10
言語理解 05/10
触手召喚 10/10
炎魔法 04/10
水魔法 03/10
スキルの項目を見てみると、やはりクラーケンのスキルがいくつか師匠へと継承されていた。
そして先程、師匠の体から出てきたイカの触腕のようなものは、恐らくこの触手召喚というスキルが勝手に発動したんだろうな。
それにしても、クラーケンのステータスを全部取り込んだはずなのに、あんまりステータスが上昇していないような……。アイツそんなに強くはなかったのかな?
そんな疑問を抱きながらも、俺は鑑定画面を閉じて、師匠にあるスキルが新たに使えるようになっていたことを教えることにした。
「師匠、どうやら触手召喚っていうスキルがさっき勝手に発動してたみたいです。」
「触手召喚?」
「クラーケンが持ってたスキルみたいですね。」
「こちらの世界の言葉が話せるようになるだけでなく、他のもともとクラーケンが持っていたスキルも使えるようになったということか。」
「そういう事ですね。」
「ふむ。」
師匠は少し考え込むと、おもむろに俺に向かって手を翳した。
「捕まえろ。」
「へ?」
一瞬呆気にとられたのも束の間、師匠の袖の中から飛び出してきた吸盤付きの触手に、あっという間に全身が絡め取られてしまう。
「おぉ、こうして使ってみると意外と利便性はありそうだ。見た目は少しアレだが……。」
「あ、あの……師匠?試すなら試すって言ってくれませんか?こっちにも心の準備って物が……むぐっ!?」
話している途中で、体に巻き付いていた触手の1本が強引に口の中へと入ってきた。
「動きも自由自在……と。これは新たな戦術としてかなり有効活用できるな。一度こういう風に捕まえてしまえば、一気に仕留めることもできる。」
俺を無視して考察を続ける師匠。触手の表面の粘液で体中がベトベトになり始め、俺の我慢の限界が近づいてつつあったので、俺は密かに指先にサンダーブレスを宿した。
そのサンダーブレスを宿した指で触手をちょんと突いてやると……。
「あびびびびびっ!?!?」
少し電流を流せば、触手を伝って師匠は痺れ、体に巻き付いていた触手は一気に引っ込んでいった。
それと同時に、師匠の体がソファーにゆっくりと倒れていった。
「ひ、ヒイラギ……これ大丈夫なのかい?」
「大丈夫だ。あれでもめちゃくちゃ手加減したんだから。それに、師匠の顔をみれば大丈夫か大丈夫じゃないかは、一目瞭然だと思うぞ。」
そしてドーナが師匠の顔を覗き込んでみると……。
「わ、笑ってる……。」
気絶した師匠は痺れて苦しそうな表情を浮かべていたのではなく、蕩けたような笑みを浮かべていたのだ。
1
お気に入りに追加
635
あなたにおすすめの小説
実力を隠して勇者パーティーの荷物持ちをしていた【聖剣コレクター】の俺は貧弱勇者に【追放】されるがせっかくなので、のんびり暮らそうと思います
jester
ファンタジー
ノエル・ハーヴィン……16才、勇者パーティー所属の荷物持ちにして隠れ【聖剣コレクター】である彼は周りには隠しているものの、魔法や奇跡を使えない代わりにこの世のありとあらゆる剣の潜在能力を最大まで引き出し、また自由に扱えるといった唯一無二のスキル【ツルギノオウ】を持っていた。ある日、実力を隠しているために役立たずと勇者パーティーを追放されてしまうノエルだったが、追放という形なら国王に目を付けられずに夢だった冒険者ができると喜んで承諾する。実は聖剣の力を使い勇者達を助けていたがノエルが抜けた穴は大きく、勇者達は徐々に没落していく事となる。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる