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第五章

クラーケン討伐

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 活け締めしたクラーケンを、すぐにマジックバッグへとしまい込んでいる最中、俺はあるものを探していた。

「うーん、無いなぁ……。」

 探しているのは、クラーケンの宝玉。海の中に落ちてしまったってことはないだろうし、落ちなかったのかな?

「まぁもしかすると、サラマンダーの時みたいに体内に入ってる可能性もあるからな。希望は捨てないでおこう。」

 そしてクラーケンをしまった後、俺は待っていてくれたブラックフィッシュ達の元へ戻り、再び背中に跨った。

「よし、それじゃあ戻ってくれ。」

「キュイ~ッ!!」

 ブラックフィッシュに乗せてもらって、あの海岸へと送り届けてもらった後、少し戯れてから俺とグレイスはエミルの街へと戻った。

「さてさて、後は報告するだけだな。」

「あの魔物、ギルドに引き渡しちゃうっす?」

「いや、討伐したって証明になる部位だけ渡して、残りは食べてみようと思う。」

「良いっすねぇ~、あの魔物食いごたえがあって見てて美味しそうだったっす。」

「はは、間違いなく食いごたえはあるだろうな。」

 サラマンダーと同様に、食べ切るのにはめちゃくちゃ時間がかかりそうだ。

 そんな事をグレイスと話しながら、ギルドの中に入ると、ミースが酒場でひと休憩挟んでいるのが目に入った。

「あ!!ヒイラギさん、もうお戻りになったんですね?」

「あぁ、あの海に詳しい知り合いがいてな。案外早くクラーケンを倒せたよ。」

「討伐証明になる部位の摘出とかは、まだ済んでないですよね?」

「そうだな。流石にそこまではやってない。」

「それでは……う~んどうしましょうか。かなり大きいですよね?」

「多分この広さがあっても入らないかも。」

「わかりました。それじゃあ、ちょっと待っててくださいね。」

 すると、ミースはパタパタとギルドから駆け出して行ってしまう。

「じゃあちょっと待ってるか。グレイス、なんか食べるか?」

「え、いいんすか?」

「あぁ、頑張って飛んでもらったからな。好きなもの頼んでいいぞ。」

「やったっす~!!」

 この酒場のメニュー表をグレイスと共に眺めながら、軽い料理を注文し、それを食べながらミースが帰ってくるのを待つことにした。
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