転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

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第五章

近づく寒期

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 お昼の用意が整いつつある頃、遊びも一区切りつけたシア達が二階から降りてきた。

「ごは~ん!!」

「いいにおい…おなかぺこぺこ。」

「お、お腹減ったね。」

 お昼ごはんを待ち遠しくしているシアとメリッサの横で、少し申し訳無さそうな表情をマドゥが浮かべていた。

「お兄さん!!今日のお昼ご飯なに~?」

「今日はうどんだ。」

「「うどん!!」」

 一度うどんを食したことのある二人は、以前食べたきつねうどんを思い出したようで、目を輝かせる。

 その反応はソファーでくつろいでいたドーナ達も同じだった。

「あら、うどん良いわね~。最近少し肌寒くなってきたし、温かい食べ物で体を温めたいわ。」

「そろそろが近づいてきてるからねぇ。」

 そうランと話していたドーナから、聞き慣れないワードが飛び出した。

「ドーナ、そのってのはなんなんだ?」

「その名の通り、気温が一気に下る時期がもうそろそろやってくるんだよ。」

「日本で言う冬みたいなものか。」

「ちなみに場所によっては、雪とかも降ったりするよ。」

「ほぉ!!雪も降るってことは相当寒くなるんだな。」

 向こうの世界との共通点に親近感を感じていると、シアがふるふると体を震わせながら言った。

「シア、寒いの嫌い。」

「寒いのが嫌いな人のために作られた、ありがた~い家具があるから、近々使ってみよう。」

 ありがたいものではあるが、一度入れば二度と出たいと思わなくなってしまう魔性の家具が……な。

「でも寒くなってくるってことは、魚も美味しくなる時期だな。」

「どうして寒くなるとお魚さんが美味しくなるの?」

「魚も寒さに耐えるために体に脂肪をいっぱい蓄える時期なんだ。だから、お魚がとっても美味しくなるってわけだ。」

「ならシア寒いの好きになるっ!!美味しいお魚食べたいもん!!」

「ははは、そうだな。」

 ポンポンとシアの頭を撫でたところで、みんなに今回のうどんバイキングの説明をしていく。

「それじゃあ、今日のお昼なんだけど、うどんは俺が茹でてあげるから、各々好きな天ぷらとか薬味とかを乗せて、自分好みのうどんを作ってくれ。」

 そして俺からの説明を聞いたあとで、みんな各々自分オリジナルのうどん作りに励むのだった。
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