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第五章
オーク肉を使った料理
しおりを挟む夕刻、エルフの国へと帰ったところで、俺はコックコートに着替えてキッチンに立っていた。
「さて、じゃあ仕込んでいくか。」
今回は、グリズ達に解体してもらったオークのバラ肉とロースを使って料理を作る。
「まずは野菜を先に切っていこうか。」
今回使う野菜は、エルフの国で栽培しているキャベツみたいな葉野菜……キャバツ。
そして、三種族の宴会でも使ったオニオスという玉ねぎみたいな野菜。そしてリリン達吸血鬼も安心して食べられる異世界のにんにく…ガリク。
「キャバツは千切りに……。」
キャバツは丸々一玉を千切りにして、シャキッと食感を良くするために水にさらしておく。
「オニオスは櫛形に切って。ガリクは皮を剥いておく。」
これで野菜の仕込みは終了だ。
「次は肉の仕込みに入ろう。」
バラ肉は塊から切り出して、一口サイズよりも少し大きいぐらいにサイコロカットする。
「ロースの方は塊の肉を薄切りに。」
塊肉のロースを薄くスライスして、バットへ並べていく。みんなたくさん食べるだろうから、量はかなり多めだ。
「良し、これで仕込みは完了。」
後は火を通して、料理を完成させていくだけだ。
「まずは時間のかかる料理から先にやっていこう。」
火の魔石がセットしてあるコンロに大きなフライパンを乗せて、先程サイコロカットしたバラ肉に焼き色をつけていく。
そして焼き色がついたものから、圧力鍋の中へとどんどん放り込んでいく。
「後はここに水と、煮切ったお酒と味醂……砂糖と醤油を入れて、香り付けにガリクを叩き潰して入れる。」
全ての調味料が入ったところで、圧力鍋の蓋を閉めて、火にかけた。
「あとは、30分ぐらいを目処に様子を見よう。」
圧力鍋で柔らかく煮込んでいる間に、ご飯を炊いたり、汁物を作っておこう。
もう一つの料理はすぐに出来上がるから、まだ手を付けなくて良い。先に出来上がってしまったら冷めてしまうからな。
「今回の汁物には、これを使わせてもらおう。」
俺はミクモから購入した、滑らか豆腐をマジックバッグから取り出した。
「久しぶりに豆腐の入った味噌汁を飲みたかったんだ。」
一口サイズにカットした豆腐を、鰹節と昆布の出汁で温めて、そこに味噌で味をつける……。めちゃくちゃシンプルだが、コレが美味しいんだ。
試しに味見をしてみると、思わずため息が漏れてしまう。
「はぁ……美味しいな。」
っと、味見はここまでにして、後はみんなで味わおう。
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