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第五章
龍の集会
しおりを挟む結局、ウォータードラゴンの胃袋にほとんどのお菓子が収まり、なんとか今日も無事に完売で営業を終えることができた。
「いやぁ~、お腹いっぱいにはなりませんでしたけどぉ~、とっても美味しかったです~。」
「あれだけ食べてまだお腹いっぱいじゃないのか……。」
とんでもない胃袋の容量は、流石ウォータードラゴンといったところか。
「そういえばラン達は元気にしてますかぁ?」
「みんな元気だよ。」
「それはなによりでしたぁ。もうすぐ龍集会もありますからぁ、元気にしてるか心配だったんですよぉ。」
彼女から聞いた事のない言葉が飛び出した。
「龍集会?なんだそれ。」
「龍集会っていうのはぁ、私やランみたいにぃ力の強~い龍が集まって、世間話とかするんですねぇ。」
「ほぉ……そんなものもあるのか。」
「まぁ、参加するもしないも各々の自由なんですけどぉ。どうせ暇ですしぃ、今回は参加しよっかな~って思っていたところだったんですよぉ。一人は寂しいのでぇ、人間さんがランにも参加するように言ってくれますかぁ?」
「ん~、わかった。お前がそれに参加するって言ってることは伝えておくよ。」
俺からその答えを聞くと、彼女は満面の笑みでペコリとこちらに一礼して、どこかへと去っていってしまった。
◇
その日の夜……みんなで夕食を囲んでいる時に、俺はランに昼間ウォータードラゴンが言っていた事を伝えることにした。
「ラン、そういえば今日の昼にウォータードラゴンが店に来たんだ。」
「あら、そうなの?あの子元気だった?」
「あぁ、今は人間の国の大食い大会に出場して、その賞金で暮らしてると言っていたよ。」
「ふふ、あの子らしいわ。」
「それともう一つ……近々、龍集会?って言うのが開かれるらしいが、彼女はそれに参加するから、ランも参加してくれだってさ。」
すると、レイが何かを思い出したように言った。
「おぉ!!そういえばもうそんな時期じゃな!!ワシとしたことがすっかり忘れておった。」
「あんたが発案者なんだから忘れちゃダメでしょ。」
レイに対してランがそんなツッコミを入れていた。
「そうじゃなぁ、せっかく今ここにレッドドラゴンの力を引き継いだ者と、ブラックドラゴンの力を引き継いだ主がいるのだ、みんなで参加するか。」
「まぁ、みんなが行くならワタシも行くわ。」
なんやかんやあって、人間ながら龍の力を扱える俺とドーナも、その龍集会とやらに参加することになってしまったのだった。
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