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第五章
レアチーズケーキ
しおりを挟む早速フレイと一緒にレアチーズケーキを作っていこうと思うのだが、ゼラチンの用意はできなかったため、今回はゼラチン不使用のレアチーズケーキにする。
「それじゃあフレイはクッキーを焼いてくれるか?」
「ふふふ~ん、実は作ってあるんだよね~。」
するとフレイは腰に着けていた巾着袋から、クッキーがたくさん入った袋を取り出したのだ。
「なんでまたクッキーを持ち歩いてるんだ?」
「口が寂しくなったら食べれるように、いつも持ち歩いてるんだ~。あ、もちろんボクの手作りだよ?」
「それなら話は早いな。それを早速粉々に砕いて、ハチミツと混ぜ合わせてくれ。」
「任せてよ。」
フレイがクッキーを粉々に砕いている間に、俺はマンドラアイスクリームにも使っている、乳脂肪分の高い牛乳をホイッパーで泡立てることにする。
興味深いことに、エルフが育てている牛は2種類いて、飲料用の牛乳を搾る牛と、料理に使う生クリームのようなトロッとした乳脂肪分の高い牛乳を出す牛がいるのだ。
「砂糖とまぜて……後は冷やしながらかき混ぜる。」
氷の魔石を近くに置いて、常に冷やしながら泡立てるとあっという間にふわふわの生クリームが出来上がった。
「次はさっき作ったクリームチーズと、グリーンマドンナを丸ごと搾った果汁を混ぜ合わせる。」
しっかりと混ざったら、そこに今しがた泡立てた生クリームを何回かに分けて混ぜ入れていく。ここで気をつけたいのは、なるべく生クリームの泡を潰さないようにすること。
生クリームの泡を潰してしまうと、冷やし固めた時に萎んでしまって高さがでない。
「ヒイラギさ~ん、できたよ~。」
「おっ、ありがとう。」
気が利くことに、フレイはチーズケーキを固める型にクッキーとハチミツを合わせたものを敷き詰めてくれていた。
「これでいいよね?」
「あぁ、バッチリだ。」
その型の中にクリームチーズと生クリームを混ぜ合わせたものを流し込み、トントンと台に打ち付けて余分な気泡を抜く。
「後はしっかりと冷やし固めるだけだ。」
氷の魔石が埋め込まれた簡易的な冷蔵庫のような物の中に、レアチーズケーキを入れて冷やし固める。
「後は、ゆっくり待とう。」
「楽しみだね~。絶対美味しいよ!!」
そしてリコとフレイと談笑をしながら、レアチーズケーキが冷え固まるまで時間を潰すのだった。
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