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第五章

助っ人ヒイラギ

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 その日の夜……俺はドーナ達と、会社の社員のエルフ達、そしてカリンとフィースタと共に大勢で獣人族の国を訪れた。
 俺以外のみんなは、すぐに宴会の会場へと案内されたが、ただ一人俺だけはレイラに連れられて別の場所へと足を運んでいた。

「レイラ、今日って最終的に何人の宴会になったんだ?」

「今宵は150名がお集まりになる予定でございます。」

「150人か……サラマンダーの肉を振る舞った宴会の時よりも多いな。そりゃあ手が足らないわけだ。」

 俺だけがこうしてレイラに連れられている理由……それは、他でもない宴会の料理を作る人手が足りないからなのだ。

「こちらがお招きしているというのに、申し訳ございません。」

「いや、いいんだ。それにシンの要望でもあるんだろ?」

 レイラは一つ大きく頷く。

「ヒイラギ様と過ごしていた時に、シン様が食して美味しかったという食材を、今宵は大量にご用意しました。」

 レイラがそう言い終えると、俺達は大量の食材が詰め込まれているであろう食糧庫の前に辿り着いていた。

「この中にある食材は……。」

「もちろん全て使って構いません。指示を頂ければ、私達もお手伝い致します。」

 気付けば背後には、この前料理を教えたメイドさん達がずらりと並んで待機していた。

「ありがたい、それじゃ今日使う食材を選んで来るよ。」

 冷気の漂う食料庫の中に入ると、早速見覚えのある特徴的な顔の魚が氷とともに、大量に並べられていた。

「アンゴロウまで用意したのか。」

 これは女性陣に喜ばれるな。今日の宴会は女性の割合が多いから採用だ。

「コイツは鍋にしよう。一つのテーブルに1個鍋とコンロを置けばいいな。」

 宴会用の鍋とコンロはハウスキットの中にある。アレを使えば問題ない。

「さて、一つメインの料理は決まった。後は何があるかな。」

 メイドさん達にアンゴロウを運び出してもらっている間に、他の食材に目を通しているとあることに気が付く。

「ん?今回はあんまり肉のレパートリーがないな。」

 今回用意されているのは魚ばかりだ。肉好きのシンのチョイスにしては、少々違和感を覚える。

「ま、肉がなくても……肉好きな面々を唸らせる料理を作ることはできる。あぁ、後エルフ達が親しみやすいサラダとかも作らないとな。」

 どういうメニュー構成にするかを頭で考えながら、俺は次々に食料庫にある食材を選んでいくのだった。
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