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第五章

今日の夕食係

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 人間の国での営業を終えて、カリンからもらった屋敷へと帰って来た。

「ただいま~。」

「お兄さんお帰りっ!!」

「おかえり…ぱぱ!」

 屋敷の扉を開けて中に入ると、シアとメリッサの二人が飛び込んでくる。

「ほい、二人ともお土産だ。」

 二人にどら焼きやら、フルーツ大福やらがたくさん入った袋を手渡す。

「どら焼きっ!!シアこれ大好き~♪メリッサちゃんはどれが好き?」

「ふるーつだいふく。」

「ふみゃっ!!それも美味しいよね~。ど、どっち食べよ……。」

「ふふ…まよったら…りょうほうたべる。それが…せいかい。」

 メリッサは袋からフルーツ大福を取り出すと、早速一口かぶりついた。

「おいしい…つぎはどらやき。」

「シアもどら焼き食べて~次フルーツ大福!!」

 二人がどら焼きとフルーツ大福を食べていると、こちらに猛スピードでグレイスが飛んできた。

「お土産っす!!欲張りアイス大福はあるっすか!?」

 飛んできた勢いのまま、袋の中へとグレイスは突入すると、小さくなった自分の体よりも大きな欲張りアイス大福を抱えて戻って来る。

「いただきま~っす!!」

 そしてグレイスは俺の肩に止まって、欲張りアイス大福を貪り始めた。

「この小さい体だからこそ、こういうのも楽しめるっす~。」

「元の大きい体だと一口だもんな。」

 案外こういう物を食べる時は、小さい体のほうが贅沢できるのかもしれない。

 グレイスを肩に乗せながら、みんながくつろいでいるリビングに向かう。

「おかえりヒイラギ。」

「ん?ドーナ一人か?」

「イリスとランは今日の料理当番だから、今夕ごはん作ってるよ。リリン達はなんか、カリンって人のところに魔法を教わりに行ったはず。」

「ふむ、そうか。」

 今日の夕ご飯は何かな……。そう期待して待っていると、フワリとスパイシーな香りが鼻腔を突き抜けた。

「ん?この匂いはもしかして今日はカレーかな。」

 カレーか……ちょうどお腹が減ってるし、いっぱい食べようかな。

「ランがヒイラギの作ってくれたキーマカレー食べたいって、何回も試作してたんだよ。」

「ほぉ!!そいつは楽しみだ。」

 みんなと夕飯ができるのを待っていると、満足げな表情をしたリリンとフレイが帰ってきた。
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