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第五章
新しいスイーツの材料を求めて
しおりを挟む本日の営業を終えた後……俺は売り上げ金をリコに納めるために、フィースタと共に彼女の管理地である農場へと足を運んだ。
「やぁやぁ!!今日も大盛況だったね。」
「お陰さまでな。これお土産。」
今日発売の新作スイーツ、マンドラアイスクリームとどら焼きをリコに手渡した。
「おっ、これは話題の新作だね?」
「常温で溶けるから、冷えた所で保管してくれ。」
「んふふ~、その必要はないかな。ここで食べちゃうもんね!!」
袋からマンドラアイスクリームを取り出すと、この場でリコは食べ始めた。
「ん~っ、冷たくて美味しいね。仕事終わりで体も火照ってるから、余計体に染みるよ。」
冷たいアイスに舌鼓を打っている彼女に、今日の売り上げ金を手渡した。
「これが昨日と今日の売り上げだ。詳しい明細は出してないが、多分白金貨1枚分ぐらいはあるはずだ。」
「そんなに売り上げたの!?」
「あぁ。」
見たことのない、摩訶不思議で美味しいスイーツというのは、取り分け人を惹きつける力があるようで、エルフ達が大量に買いに来るのだ。1日に同じ人が何回も買いに来たこともある。
「この売り上げで、新しいお菓子の材料を買いたいんだが……。」
「全然良いよ!!何でも言ってちょーだいっ!!…………農場にあるものでお願いね?」
「もちろんだ。今回欲しいのは、粉だ。」
「こ、粉?」
「あぁ、この前ここを訪れた時に稲を収穫してたよな?」
「そうだね。…………まさか、あれを粉にしてほしいってこと?」
「そういうことだ。」
「流石にアレは蒸した方が美味しいと思うけどなぁ。」
あまり乗り気ではないリコに、その蒸した後の食感を聞いてみた。
「ちなみに蒸して食べると、どんな食感になる?」
「一言で表すなら……もちっとした感じ。」
「うん、なら大丈夫。」
「ほ、ホントかなぁ。う~ん……まぁキミがそう言うなら用意してみるよ。ちょっと待ってて。」
そしてリコは倉庫の方へと走って行った。その間、彼女に出してもらったマンドラ茶をゆっくりと飲んでいると……粉をかぶって真っ白になってしまったリコが戻ってきた。
「けほっ!!お、お待たせ~。」
「ずいぶん派手に粉を被ったな。」
「だって、キミのお店ってめちゃくちゃ人気じゃん!!たくさんないとダメでしょ?」
「まぁ、そうだな。その粉ちょっと確認してもいいかな?」
「もちろんもちろん。」
彼女に粉にしてもらった穀物を触ってみた。すると、かなりきめ細かい粉になっているのがわかった。
「よし、じゃあ早速試作してみるよ。」
早速、これを使って新しいスイーツを作ってみよう。
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