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第五章
食べられない野菜
しおりを挟むそしてリコから、色々な農作物を見せてもらいながら説明を聞いていると、彼女が一つだけある野菜を飛ばしていたことに気が付く。
「なぁリコ、これは育ててる野菜じゃないのか?」
俺が指さした畑には、いんげん豆のような野菜があった。すると、彼女は苦笑いしながら言った。
「いやぁ~、これ倉庫の奥深くに眠ってた豆の種で、食べれるかな~って思ったんだけど。」
リコがその豆を一つ摘み取ると、莢を割って中に入っている豆を見せてくれた。
「この通りカッチカチでさぁ~、食べれたものじゃないんだ。」
その豆を手にとって観察し、あることを確信した俺は、おもむろにそれを口の中に放り込んだ。
「あっ!?お、美味しくないぞ~?」
「……やっぱり、これは小豆だ。」
「へ?」
きょとんとした表情を浮かべるリコとフィースタ。俺はリコにあるお願いをしてみた。
「リコ、この豆ちょっと俺に調理させてくれないか?」
「調理って……これ食べるの?」
「あぁ、俺はコレを美味しく食べる方法を知ってるんだ。」
リコはフィースタに視線を送ると、フィースタは一つ大きく頷いてくれた。
「わかった、この前収穫したやつがあるからちょっと待ってて。」
そしてリコは巨大な倉庫の方へと走っていく。それから数分後、大きな袋を携えて戻ってきた。
「お待たせ~!!このぐらいあればいいでしょ?」
「十分過ぎる。それじゃあ火を扱えるところに案内してくれないか?」
「はいは~い、こっちだよ。」
フィースタと共にリコの後に続いていく。
「ここでいい?」
「あぁ大丈夫。」
案内されたのは、農場内の建物の中にあるキッチンだった。
「ここにある調味料は使っていいか?」
「良いよ~。」
さて調味料は何が揃っているんだろう。一つ一つ確認していくか。
そして一つ一つ常備されている調味料を味見していった結果、塩と砂糖に胡椒……あとはローリエみたいな葉っぱが常備してあるようだ。
「良しじゃあ早速始めていこう。」
まずは小豆のような豆をしっかりと洗い、鍋に移す。そしてたっぷりの水を注いで火にかけた。
少々煮立ってきたら、その水を捨て、新しい水を注いでアクをとりながらじっくりと煮込んでいく。
すると、30分ほど煮込めばあれだけ硬かった豆が、指の腹で押せば潰れるほど柔らかくなった。
「ここに砂糖を入れて……。」
砂糖を入れて、しっかりともう一度火を入れてやれば……。
「粒あん完成だ。」
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