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第五章

姉妹のコンビネーション

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 リリンSide


 街を飛び出したリリン達は、大きな魔力の源へと急行する。

「アイツね……。」

 目的の魔物を視界に捉えたリリンは、フレイともにゆっくりとその魔物の前に降り立った。それとほぼ同時に、ライラが二人の後ろに控える。

「うげ~……熱そ~な魔物だね。」

 全身から溶岩を絶えず垂れ流している、マグマゴーレムを見たフレイが表情を顰めた。

「直接触れなければ何も問題ないわ。」

 リリンとフレイの二人は、各々の得物である大鎌とダガーを血で作り上げる。

「お姉様と一緒に戦うのって、すっごく久しぶりかも。」

「ふふ、そうね。」

 笑顔で話していた二人へと、マグマゴーレムが自身の身体を流れる溶岩を投げつけた。

「不敬な……。」

 その溶岩を、二人の前に出たライラが魔力で作り上げた盾で受け止める。

「お嬢様方が話しているのだ。邪魔は許さん。」

 ライラが、ギロリと鋭い眼光をマグマゴーレムへと向けていると、そんな彼女の肩にポン……とリリンが手を置いた。

「ライラ、少し下がってなさい。後は私達がやるわ。」

「はっ……。」

 そしてリリンがライラを下がらせると、隣に立つフレイにある質問を投げかけた。

「フレイ、……覚えてる?」

 その質問にフレイは、ニッコリと笑みを浮かべながら答えた。

「もちろんだよ!!」

 そして二人は、パン……とハイタッチすると、マグマゴーレムの目の前から姿を消した。

 直後、マグマゴーレムの体を分かつように一閃が飛ぶ。

「さ、踊りましょ?」

 自分の体が中心で分断された直後、目の前に現れたリリンへと、マグマゴーレムは溶岩の拳を振り抜こうとする。
 しかし、頭部に鋭い衝撃を受け、攻撃を止めた。切られた体を高速で再生しながら、マグマゴーレムが後ろを振り返ると、そこには大量のダガーを手にしたフレイが立っていた。

「ほらほら、こっちも見なきゃ。」

 ターゲットをフレイに変え、攻撃をしようと動き始めるが……踏み出した足が無くなっていたことに気付く。無くなった足で踏み出した為に、マグマゴーレムは体勢を崩し膝をついた。

 それを皮切りに、二人の息ぴったりな苛烈過ぎる連携攻撃が、マグマゴーレムへと降りかかる。

「その溶岩の中に核があるのよねぇ?なかなか上位のゴーレムみたいだし、核の位置も動かせるんでしょ?」

 そう語りかけながら、リリンは大鎌を振り回して、マグマゴーレムをサイコロカットする。
 サイコロ状になったマグマゴーレムの破片に、フレイのダガーが正確無比に突き刺さっていく。

「これじゃ、終曲までは秒読みね。」

 ポツリとリリンがそう呟いた直後に、ある破片にフレイの投擲したダガーが突き刺さるとパキン…と何かが砕けるような音が鳴り響き、マグマゴーレムの体が石となって崩れ落ちていく。

「あ!!当ったり~!!」

「ま、私達にかかれば口ほどもないわね。」

 マグマゴーレムを倒したあと、再び二人はハイタッチをして、ヒイラギ達の待つホスプヘ帰還するのだった。
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