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第五章
待ち合わせ
しおりを挟む「はふぅ~……満腹なのじゃ~。」
満足そうな顔をしてレイは、膨れた自分の腹をポンポンと軽く叩く。そして、一人空いているソファーの上に寝転がった。
「にしてもドーナ、料理の腕上げたわね~。ワタシも負けてらんないわ。」
「ドーナお姉さんのパスタ美味しいのっ!!」
「ままの…りょうり…おいしい。」
「ね~、ボクも美味しいお菓子つくれるように頑張らなきゃ。」
そう皆が口々に言った。ラン達だけじゃなく、シアやメリッサも納得する美味しさのようだな。
「そ、そうかい?ちょっと照れるねぇ。」
皆に褒められて、照れてれとした様子でドーナは言った。誰でも率直に言われると、恥ずかしいものだ。その気持ちはよくわかるぞ。
「ふぅ、ご馳走さまでしたっと。ドーナ、美味しかったぞ。この調子で頑張ってな。」
ポンとドーナの肩に手を置いて、食べ終えた食器を流しで洗うため厨房へと向かう。
「あ……。」
「ふふ♪ドーナさんお顔真っ赤ですよ?」
真っ赤なリンゴのように赤く染まったドーナの顔をみて、イリスがクスリと笑う。
「恥ずかしがっちゃって~、そういうところは女の子っぽいのよね~、ドーナはっ。」
イリスに便乗してランがドーナの真っ赤になった頬をツンツンとつつく。
「ツンツンするんじゃないよ。もう、食い終わったんなら早く洗ってきなよ!!」
からかう二人にプイッと背を向けてドーナは言った。
「ふふ♪じゃあ怒られないうちに行きましょっか、ランさん?」
「そうね~♪」
そして昼食を食べ終わった後、俺はある予定に向けて準備を整えていた。
「おっと、そろそろミルタさんに会いに行かないといけない時間だな。シア、ちょっと出掛けてくるからドーナ達に留守番頼むって言っておいてくれ。」
「お兄さん、いってらっしゃい!!」
「ぱぱ…いってらっしゃい。」
シアとメリッサの二人に見送られて、俺はハウスキットを出た。そして、ミルタさんとの待ち合わせの場所へと向かう。
「確かこの通りの喫茶店だったよな。……あ、いた。」
待ち合わせの喫茶店がある通りに赴くと、ミルタさんを見つけた。
「すみません、お待たせしました。」
「いえいえ!!私も今来たところでした。それでは中でゆっくりと…。」
「そうですね。」
そしてミルタさんと共に、待ち合わせ場所だった喫茶店の中へと入った。
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