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第四章
過酷な空の旅
しおりを挟む次の日の朝、朝食を食べ終えた俺達はバイル達と合流した。いよいよ王都へと出発するのだ。
「では皆さんはこの中にお願いします。王都についたら、安全なところで知らせます。」
バイル達は指示に従って、続々とバッグの中へと入っていく。そして最後の騎士団の人が中に入ったのを確認して、バッグを肩から提げた。
「じゃあグレイス頼むな。」
「任せてほしいっす!!全開で飛ばすっすよ~!!」
そういえば進化してから飛ぶスピードも上がったのかな?地を走るスピードは目に見えて上昇していたけど、空を飛ぶスピードも上がっているのだろうか?
だとしたらちょっとおもしろそうだな。内心ワクワクしながら、グレイスにまたがる。
「振り落とされないように、しっかり捕まっててくださいっす。」
「わかった。」
落ちないようにしっかりとしがみつくと、グレイスは一気に空高くまで舞い上がった。
「うおぉっ!!」
じょ、上昇するだけでこんなに負荷がかかるのか!?しっかりグレイスのことをつかんでいないと、今にも振り落とされてしまいそうだ。必死に振り下ろされないように、しがみついていると……。
「ヒイラギさん、大丈夫っすか?」
「ま、まだ何とかな。」
顔に暴風を受けながら、何とか少し口を開けて答えた。
「安心したっす。じゃあ本気で飛ばすっすね!!」
余裕そうにグレイスは明るく軽い口調で言う。その瞬間……一気に加速し、体に吹き付ける風が一気に強くなる。口を開くどころか、目を開けることもキツイ。
どうやら今回の空の旅は、楽しいものにはなりそうにない。周りの景色を楽しんでいる余裕もないからな。
そして最高高度に到達し、あたりの空気が冷たくなり始めた頃……グレイスがホバリングし始め、やっと休息が訪れた。
「はぁ……。」
「どっちのほうに進めばいいんすか?」
「このまま向いてる方向にひたすら飛んでくれ。」
「了解っす!!それじゃあまた一気に飛ばすっすよ~!!」
再びグレイスは一気に加速し王都へ向かってと飛んだ。俺はただ背中にしがみつき、いち早く王都へ着くことを祈るのだった。
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