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第四章

シンとの関係

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「もうわかっていただけたと思いますけど、俺が戦争を止めたい理由の一つがこれなんです。」

 そう話し始めると、それを遮るようにして、バイルが率直な疑問をぶつけてきた。

「いやいや……ちょっと待て、その前になんで獣人族の国王様と一緒にいるんだ?」

「それが一番の謎なんです。もちろんそれについても話してもらえますよね?」

「あぁ、ぜひとも教えてもらいたい。」

 ずいずいと、バイル達三人が詰めよってくる。なかなか自分で話すのも恥ずかしい話なんだが、言葉が伝わらないシンでは伝えられないし……仕方ないな。

 一つ溜息を吐いた後、バイル達になぜ獣人族であるシンがここにいて、俺と関わっているのかを話した。

 話をすべて聞き終えると、バイル達は心の底から呆れたようにため息を吐き出した。

「お前ってやつは……。」

「得体が知れない……とは思っていましたが、まさか人知れず獣人族の国を救っていたとは……。」

 話を鵜呑みにしている彼らに、ある疑問をぶつけてみることにした。

「今の話が嘘だとは思わないんですか?」

「そりゃあ、何の証拠も無しにそんな話をされたら信じねぇだろうが……。」

「こうして現に獣人族の方が目の前にいますしねぇ。」

「……まぁ、つまりここまで証拠を見せられて、信じないほど私たちは愚かじゃないということだ。」

 シンという存在は、俺の話の証拠として、とても有効だったようだ。彼ら言う通り、もしここにシンという存在がいなかったら、誰もこの話を信じてはくれなかっただろう。

 もちろん、先に話をつけていたエートリヒもな。

「では、シンと俺の関係もわかったところで、これからの話をしましょうか。」

「あぁ、まずは王都にどうやって入るかだな。」

「恐らくは、キースの配下たちが私達を待ち受けているでしょうから、正面から入るのはまず無理と考えたほうがいいでしょう。」

「そうだな。それに王都に着く前に足止めをされる可能性だってある。」

「それについては俺に考えがあります。」

 邪魔をされずに、王都に入る方法はもう考えてある。その方法を使えば、もしかすると明日には王都に着けるかもしれない。
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