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第四章
特性バラちらし寿司
しおりを挟む「ん………はっ!?」
気がつくと俺は普通の枕の上で横になっていた。体を起こして、布団が敷いてあるスペースを覗いてみるとフレイはリリンの隣でスヤスヤと寝息をたてている。
どうやら耳掻きが終わった後、俺に毛布をかけ、枕に頭を移してくれたようだ。
「久しぶりに耳掻きをやってもらったな。」
できれば最後まで起きていたかったが、あまりにも心地よすぎて耐えられなかった。次やってもらうときは……って次があるかどうかはわかんないか。それはフレイの気分次第だしな。
「さて、それじゃあ皆のご飯を作るとするか。」
今日の朝ご飯は決まっている。昨日寿司の仕込みをしたときからな。
皆を起こさないようにコックコートに着替え、厨房に入った。
「まずはご飯を炊かないとな。」
昨日と同じく土鍋でご飯を炊いた。もちろん酢飯用に少し固めに炊く。
「ご飯を炊いてる間に、今日は卵焼きを焼くぞ。」
少し甘めに調味した出汁を卵に溶き入れて、卵焼きを焼く。出来上がったものを巻きすで整形して、これを賽の目切りにしていく。
「これでよし、次はキュウリだ。」
キュウリは中心の種の部分をスプーンでこそげおとし、卵焼きと同じように賽の目切りにする。
「最後に昨日使った魚の切れ端を、一口サイズに切ってっと。」
刺身を造るときに、どうしても出てしまう切れ端を昨日捨てずにとっておいたのだ。今日の朝ごはんを作るためにな。
ただこれだけだと足らないから、柵にしたブラックファッティを賽の目切りにして具を多くしよう。
「これで仕込みは終わり、後は酢飯を作って盛り付けるだけだ。」
炊き上がったご飯で酢飯を作り、人数分の器を用意して、そこに酢飯を盛り付けた。
そしてその上に先程切った卵焼き、キュウリ、そしてブラックファッティとルビーブリムの切り身を乗せていく。
「後はこの上に特製のタレをかけて、炒りゴマを振りかけてあげれば」
ちなみにこのタレは、醤油をベースに味醂や砂糖、そして少量の酢とゴマ油を混ぜたものだ。
「よし、これで完成。特製バラちらし寿司だ。」
バラちらし寿司は余った魚とかを使って作れる、コストパフォーマンスの良い料理だ。賄い飯とかにもオススメだな。
「さ、皆を起こしにいこう。」
出来上がったバラちらし寿司を持って、眠っている皆のもとへと向かった。
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【ゆっくり音読自作小説】女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)
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